生活保護ガイド

制度運用に懸念の声|困窮者を救う正しい運用とは?

平成27年4月にスタートされた生活困窮者自立支援制度ですが、早くもその運用についての懸念の声が上がっています。

生活困窮者が生活保護に頼らない状況を作り上げる正しい運用とは?

波紋が広がっています。

生活保護の悪循環を断ち切るための意識改革

これまでの生活保護は、いったん対象になってしまうと、自立への道がさらに狭まってしまうという悪循環が課題とされてきました。

新制度の導入は、この悪循環を断ち切り、生活保護の対象になる前の早期就労支援や福祉サービスへとつなげる事を目的としています。

そのためには、今までの待つだけの窓口では支援に限界があり、訪問を重ねて粘り強く働きかけを続けること、生活困窮者の苦境や兆候を見逃さないなど、自治体の職員の意識改革が求められています。

「生活困窮者自立支援制度」目指す方向性の共有と適正な運用が課題

新制度の当面の課題は「目指す方向性が関係者の間できちんと共有され、運用されるかどうか?」に尽きます。

この課題を乗り越えるには、新制度を正しく理解し、活用できる能力と意欲を持った職員の育成や、自治体・受託組織の総合力が鍵となっています。

しかし、茨城県など「県内に事業を委託する団体が少なく、受け皿の確保が難しい」などを理由に、事業の実施が遅れているところもあり、自治体によっては制度を実施できない部分も多く、適正に運用されるにはまだまだ課題は多いようです。

また、「生活保護ではなく自立支援へ」という流れをせっかく積極的に取り組んでいても、自立を強く意識するあまり、肝心の保護が委縮してしまっては方向を誤ってしまいます。

このように、生活困窮者に自立を強いて、生活保護費縮減のために対象者の絞り込みを行うような運用がされることを困窮者支援団体は強く懸念しています。

生活保護対象者を減らすための細やかな対策

生活困窮者の自立を促すには、今までの生活保護か?自立支援か?の二者択一的な方法では難しい現代。

支援や保護を始め、その他対人関係が苦手な人や引きこもっている人の孤立を救ったりと、周囲とのつながりを生み出すことで人を再生出来れば就労にも繋がり自立への道が開けます。

ひいては、生活保護対象者を減らすことに繋がるのです。

困窮者が生活保護を申請する前に自立出来るような対応が、これからの自治体に強く求められています。

新制度の正しい運用によって、生活保護対象者が少しでも減る事を願います。

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