生活保護ガイド

生活保護受給者が賃貸を借りる時|気になる住宅扶助と心構え

生活保護受給者がアパートなどの賃貸を借りる時、世間の風当たりが強く契約に至るまでにとても苦労されているケースがほとんどと言っても過言ではありません。

国から「住宅扶助」という形で家賃相当分の現金が支給されていて、家賃の滞納の心配がないにもかかわらず、生活保護受給者というだけで嫌がる大家さんも多いのが現状です。

そんな生活保護受給者が上手に部屋を借りられるポイントをご紹介しています。

生活保護制度の「住宅扶助」って何?

生活保護の住宅扶助とは、申請し審査が決定した対象者が住むために必要な敷金・礼金・仲介手数料・入居前の諸費用や家賃・更新料にいたるまで、その住宅を維持するのに必要な分を扶助してもらえる制度の事です。

受給できる上限額は、各地域によって個別に定められています。

参考1:福島県郡山市の上限額
3級地1 単身世帯 30,000円 (2~6人 39,000円 / 7人以上 47,000円)
参考2:神奈川県の上限額
1級地・2級地 単身世帯 46,000円 (2~6人 59,800円 / 7人以上 71,800円)
住宅扶助について詳しくはこちら
https://seikatsuhogo.jp/benefit/

生活保護者の引っ越しは大きく分けて2パターン

1、福祉事務所から認められた引っ越し(転宅指導)
転宅指導とは、役所から今よりも安い賃貸へ引っ越すように命じられる事です。
これに従わない場合は受給を停止されます。
2、転宅許可が必要な引っ越し(自己都合)
隣人トラブルや騒音トラブルなど自分の都合で引っ越したい場合は「転宅許可」を申請して受理される必要があります。正式な理由がないと受理されません。

このように、生活保護受給者の方は自分の意思にかかわらず引っ越しを命じられる場合があります。いつその時を迎えてもいいように、部屋を上手に借りられるポイントを知っておくと安心です。

生活保護受給者が上手に部屋を借りるための4つのポイント

  1. 人に対して誠実に対応しましょう。
  2. 内覧に行く時は出来る限り服装を整えましょう。
  3. 担当のケースワーカーとは密に連絡を取りましょう。
  4. 余裕をもった日程を組みましょう。

部屋を借りる人も貸す人も、仲介する人も「人」であるという事を念頭に置いて、常に誠実に対応するように心がければ、余計なトラブルを起こしてしまう確率はグンと減ります。

生活保護は国が定めた権利です。気持ちよくお部屋を探せるように、4つのポイントをしっかりと押さえていきたいですね。

生活保護受給者に優しい専門の不動産もあるので、転宅が決まったらケースワーカーに連絡して、一度相談に行くのも良いかと思います。


生活保護受給者のための賃貸 お部屋探し相談所
http://sh-oss.com/

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