生活保護ガイド

見つけて欲しい「生活保護を必要とする困窮者」

生活が苦しく家賃を滞納、食べるのもやっとという生活困窮者が孤独死をしている報道が目立ちます。

生活困窮者が、自分は生活保護を受けるには値しないと思い込んでいるのも原因の一つでしょう。

そんな中、滋賀県では民生児童委員の研修会が開かれました。

研修会最大の課題は「生活困窮者を見つけ出す事」

先日開かれた市の生活支援課と社会福祉協議会が主催する研修会には、市内の民生児童委員約100名が参加しました。

生活困窮者の自立支援制度や相談事例などを紹介しながら研修会は進み、働ける世代での生活保護世帯が増えている実態の報告や、「長期失業や低収入、病気などの複合的な要因で生活が困る人たちは地域でも見えにくく、孤立する傾向にある」という問題点も指摘されました。

民生児童委員が挙げる「地域で見つけ出しにくい人」
1.心理的要因…家の外には出たくない、または出られないといった引きこもりの人
2.身体的要因…病気で体調が悪く、歩くのもままならないという人
3.その他の要因…失業している、低収入である人

市ではそういった支援制度のはざまにこぼれ落ちる人に気づき、相談機関につなげてほしいと呼びかけています。

しかし、参加者は「実際に一人暮らしや引きこもりの人など地域で気づけないでいる人もいる。どう掘り起こすかは課題だ」と頭を抱える結果となリました。

他人の目には触れにくい要因を抱えて貧困に苦しんでいる人を見つけてあげられるような場を今後どうやって作っていくか?地域交流を活性化させるための対策など、地域の民生児童委員のさらなる活躍が期待されます。

生活困窮者を生活保護へ導く民生児童委員の役割

孤独死が訪れる前に生活困窮者を見つけ出し、生活保護を知ってもらい貧困から抜け出してもらうために日々活動する民生児童委員の方々の貴重な研修会。

参加者の意識を高めるほか、生活保護制度の認知をもっと広めるために、滋賀県に倣い、三重県や福島県、茨城県など各地で研修会を開いていければ良い結果につながるのではないのでしょうか?

地域、町内、隣近所のコミュニケーションが薄れている現代、民生児童委員を通じて必要な人が必要な分だけ支援制度をもれなく受けられるような対策が望まれます。

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