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生活保護「戻入金」処理しきれず、机や書庫に放置現金475万円!

生活保護「戻入金」机や書庫に現金で放置

生活保護受給者が収入を得た時や転出した際に区役所に戻される生活保護費である「戻入金」。

この戻入金のずさんな扱いが今問題となっています。

問題は千葉市で発覚。同市の中央保健福祉センターでケースワーカーを務めていた職員とその上司2名が、生活保護受給者から返された戻し金を現金のまま机や書庫に放置し、適切な処理を怠ったとして減給処分されました。

生活保護戻入金のすざんな扱いの実態

区役所内の異動の際、職員の机を整理をしたところ、未処理の現金約403万円を発見。

さらに異動後にキャビネットから約27万円、書庫から約43万円を他の職員が見つけました。

合計金額は66件、約474万9千円に上ったそうです。

さらに驚くのは、ほとんどの現金が生活保護受給者の氏名などが書かれた封筒に入ったまま放置されていて、なかにはビニール袋に入った現金が無造作にぶら下がっているケースもあったということです。

職員の処分とこれからの生活保護戻し金のあり方

このようなずさんな扱いをしていて、当事者はもとより、周囲の職員は何も気づかなかったのでしょうか?

処分された職員は、「早めに処理しようとしたが、たまって処理しきれなくなった。上司にも相談できなかった」と述べています。

この件は、市が私的利用や着服はないと判断したため、当事者は減給10分の1、3カ月、上司1名が減給10分の1、1カ月、残る上司1名は戒告処分にとどまったようです。

中央保健福祉センターによると、戻入金は原則現金で受け取らないこととなっていて、今後は新たに作成したマニュアルを徹底し、「現金や通帳を預からないよう徹底する」と述べています。

生活保護費を少しでも削減しよう、生活保護受給者を減らそうという動きの中、このような事態が起こっているのは非常に残念なことです。

せっかく生活保護受給者が自立しても、自治体に戻ってきた生活保護費が適正に処理されないと財源は苦しいままなので、本当に生活保護を必要としている方にいき届かないことになってしまいます。

戻るところには戻し、使うべきところには使う。当り前のことなのですが、その当たり前ができていない現状をふまえて、自治体には適切な処理を望む限りです。

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