神奈川県 生活保護受給者への就労支援、足踏み状態

生活保護受給者への就労支援が行われていますが、神奈川県労働局の調べでは、県内の相談者数と就職者数はここ半年で年間目標人数の約3割にしかなっていないとのことです。

厚生労働省の就労支援事業とは、高齢者や障害などの理由がある方は別にして、就労意欲がある生活保護受給者を対象とし、生活保護からの一日でも早い自立を目指しています。
各自治体の福祉事務所と連携して、同事務所が生活保護受給者本人の意思のもと、ハローワークに取り次ぎ、就職につなげていくという仕組みです。

しかし神奈川県労働局では、本年度は3010人の生活保護受給者から相談を受け、そのうち1430人を就職に結びつけることを目標にしてきましたが、今年4月から9月までに実際の相談者は929人であり、そのうち就職したのは497人でした。それぞれ、目標としていた人数の3割程度という結果にとどまっている状態です。

その対策として、ハローワーク出張所の開設による生活保護受給者とハローワークの距離を近づけることで、通う時間と就労意欲のロスをなくし、生活保護の相談者や受給者などへの職業紹介を強化するために、9月時点で、神奈川県横浜市では、市内の3区役所にハローワークの出張所を開設するよう国に求める方針を固め、今後は全18区への開設を目指しています。

さらに、横浜市以外にもハローワークの出張所を市役所や区役所などに開設する取り組みは全国に広がっており、神奈川県内では、相模原市がことし4月から就職支援センターに開設。綾瀬市は10月から市役所1階に開設。

神奈川県労働局職業対策課は、上記の取り組みを無駄にしない為にも「対応する生活保護受給者が就労意欲があるかどうかの線引きは福祉事務所の担当者によって違うが、就労意欲がある人を送り出してもらっている。相談人数を増やす目的で、高齢だったり障害があったりする方を取り次いでもらっても、ハローワークのサービスが生かせない」と述べており、相談者・就職者の数値目標達成だけを目指すことには慎重に捉えているようです。

一方で、「支援対象者を柔軟に捉えてもらい、まずはハローワークに取り次いでもらうことも必要」とも。
相談者数からみた就職者数は半数を超えていることもあり、まずは相談に結びつけてもらおうと、福祉事務所からハローワークへの交通費がかかる場合は同事務所からの要請次第でハローワーク職員が同事務所に出向くケースもあるそうです。

また、「早め早めに生活保護受給者を就労支援していかないと、受給期間が長くなるほど就労意欲がそがれてしまうため、福祉事務所にさらに協力を要請していく」と話しています。

こういった協力体制にある横浜市の取り組みが、結果的に生活保護受給者の相談者数、就職者数の増加に繋がっていくことを期待したいことろです。

生活保護受給前に就労支援を。 申請者や相談者に働く場を。 

10月26日厚生労働省は、生活保護受給前の申請者や相談者に対して、2013年度から本格的な就労支援を実施する方針を固めました。

まずは、生活保護の申請が多い地方自治体の福祉事務所に求人事情に詳しい専門相談員を常に配置し、なるべく生活保護を受給しなくてもいいよう働く場の提供に乗り出すという形です。

就労支援は、これまで生活保護受給者に実施してきました。
しかし、近年増加している働ける世代の方の生活保護の受給をこれ以上増やさないためにも、就労支援の対象を生活保護受給前の申請者や相談者まで拡大。

また、就労支援は生活困窮者の自立支援策を柱とする「生活支援戦略」の一環で、来年度予算の概算要求に関連経費100億円を盛り込んでいます。

※就労支援における「生活支援戦略」の内容とは・・・
◇経済的困窮者・社会的孤立者の早期把握、民間協働による「包括的」かつ「伴走型」の就労・生活支援態勢
・総合的な相談窓口による相談・支援
・NPO、社会福祉法人、民間企業、ボランティア等との連携・ネットワーク構築
・自治体とハローワークが一体となった就労支援の抜本強化

  

◇多様な就労機会の確保
・「中間的就労の場」の提供

    

既に生活保護受給者には現在、上記の内容に基づき、自治体職員がハローワークに同行して職探しを後押ししたり、履歴書の書き方を助言したりする支援事業を行っています。
来年度からは、生活保護受給前の申請者や相談者にも同様に、就職につながるよう支援を行っていくとしています。

2015年度には、生活困窮者を支援するための支援体系を確立し、経済的に困窮している方や、社会的に孤立している方をそのような状態から救う事例を増加させ、一人でも多くの方に生活保護を受給しなくても就労できるようにしつつ生活保護受給者の減少につながることを中間目標としています。

さらに、2020年までには、生活保障するとともに、失業時をリスクに終わらせることなく、新たな職業能力や技術を身につけるチャンスに変える社会の実現を目指します。

ひとりでも多くの生活保護受給者や申請者などが、こういった就労支援事業の基で、新たな知識や能力を得、また社会に参加することで就労への意欲の醸成につながることを期待します。

横浜市で「組員」隠し生活保護費不正受給 詐取容疑で逮捕相次ぐ

神奈川県では「暴力団組員」という身分を隠し、生活保護を不正受給していたとする詐取容疑で逮捕される事件が相次いでいます。

  • 10月24日には、神奈川県逗子市久木の五十嵐清和容疑者(44)を神奈川県警犯罪インフラ撲滅対策推進本部などが、生活保護費詐欺容疑で逮捕。

    逮捕容疑は平成24年11月から24年1月までの間、「指定暴力団稲川会系組員」であることを隠し、神奈川県逗子市福祉事務所から生活保護費約490万円をだまし取ったとしています。

    五十嵐容疑者は交通事故でけがをしたことを理由に、平成20年8月から生活保護費の受給を開始し、今年1月には建設業で収入ができた為、自ら生活保護受給を打ち切る申告をしていました。
    しかしその後、五十嵐容疑者は「生活保護費を不正受給していた」という情報提供があり、神奈川県警が調査したところ、平成22年11月に別事件で暴力団事務所を捜索した際に五十嵐容疑者は暴力団組員であることを確認していたことが判明。

    神奈川県警によると、五十嵐容疑者は「生活保護費を受給していたことは間違いないが、仕方のないことだと思う」と詐欺容疑を一部認めていないとしています。

  • 10月29日には警視庁大森署が、横浜市戸塚区原宿の高橋勝容疑者(48)を、生活保護費不正受給詐欺容疑で逮捕。

    高橋容疑者は、指定暴力団山口組系組員であることを隠し生活保護を申請し、平成23年2月~今年9月の計30回にわたり、横浜市の福祉事務所から生活保護費計約500万円を受給していましたが、情報提供が横浜警視庁大森署に寄せられた為捜査をし、不正受給つまりだまし取ったとしています。

    高橋容疑者は同署によれば、「ヤクザではない」と生活保護の不正受給を否認しているとのことです。

  • ※厚生労働省によると、「生活保護法では保護を要する状態にある全ての国民は、 社会的身分に区別なく生活保護を受給できる」と定められています。
    しかし暴力団組員については、 本来なら働ける状態にあることや、福祉事務所が生活保護申請者の収入を調べることが難しいことなどから、基本的には生活保護の申請段階で却下するよう各自治体に通知してます。

    上記2件のような生活保護費の不正受給が相次ぐのも、生活保護の申請の段階での調査が行き届かない部分に目を付けられ、生活保護受給の審査を潜り抜けてしまうといった事態になってしまっているといえます。
    暴力団組員ということを隠して、生活保護を不正受給している方がいる中で、正当に申請し却下されてしまう方もいるのです。
    そういったことを思えば、また公費で賄われている生活保護費の増加にならないようにするためにも、生活保護の申請での調査を厳密にしていかなければならないことは、言うまでもありません。

    暴力団組員だけでなく、生活保護の不正受給数を増やさないためにも、簡単に入りやすい従来の生活保護制度では何の解決にもならず、「入りにくく、出やすい」生活保護に変えていかなければならないと思います。

不公平感が募る生活保護制度。生活保護費と最低賃金との逆転現象、許せるか?

生活保護費」と「労働者の最低賃金」や「年金」との逆転現象が、働き盛りの若者やまじめに長年年金を払ってきた高齢者の間では、生活保護受給者や制度に対して「こんな不公平感はありえない」という遣り切れない思いが渦巻いています。

最低賃金」とは…
最低賃金法に基づき、国が都道府県ごとに定めている賃金の最低限度の時給です。
その最低限度の賃金で、生活保護を受給せずにコツコツ働き生活している方もいる中、生活保護受給者のほうが多い生活保護費をもらっているといった「逆転現象」地域が拡大しています。

生活保護費が最低賃金を上回る「逆転現象」とは…
生活保護費と最低賃金で働く方の可処分所得をそれぞれ時給に換算した場合、生活保護費のほうが最低賃金で働く方の可処分所得を上回る(乖離する)現象です。
※可処分所得・・労働の対価として得た給与やボーナスなどの個人所得から、支払い義務のある税金や社会保険料などを差し引いた、残りの手取り収入のこと。

2011年度の地域別最低賃金引き上げ後では、「逆転現象」は北海道、宮城県、神奈川県のみで生じていました。しかし、2012年度では、青森県や千葉県など11都道府県に拡大したことが明らかとなっています。
(2012年7月の厚生労働省、中央最低賃金審議会の「目安に関する小委員会」における「生活保護と最低賃金」と題した資料による。)

厚生労働省が示した資料によると…
北海道(乖離額30円)、青森県(同5円)、宮城県(同19円)、埼玉県(同12円)、千葉県(同5円)、東京都(同20円)、神奈川県(同18円)、京都府(同8円)、大阪府(同15円)、兵庫県(同10円)、広島県(同12円)の11都道府県に拡大しているとされています。

この「生活保護費と最低賃金の逆転現象」への対策として、平成24年10月に順次、最低賃金の引き上げが行われています。
しかし、大阪、東京、北海道などでは来年度以降に逆転現象問題の解消は先送りにされているようです。

参考までに、平成24年10月の地域別最低賃金改定状況を地域抜粋で見てみると、次のようになっています。

  • 栃木県  697円 →705円
  • 茨城県  690円 →699円
  • 千葉県  744円 →756円
  • 神奈川県 818円 →849円
  • 福島県  658円 →664円

逆転現象がある県も辛うじて逆転までは達していない県も含め、上記のような少ない最低賃金で働き、その中から更に年金や保険料を払いその残りで生活している方に比べると、最低賃金を上回る生活保護費(生活扶助)を受給し、その上医療費や介護費は無料などという条件のもとで生活している方のほうが裕福といったことが現実に起きています。

それはまじめに働く方にとっては不均衡の何ものでもありません。
通常は退職して自力で収入を得ることが難しくなった高齢者が、生活保護を受給することが多いのですが、近年では比較的若い世代で失業を理由に生活保護を受給し、少ない賃金のアルバイトやパートで働くなら「働かないで生活保護を受給して暮らしたほうが得」という考えを生み、結果として生活保護受給者の増加を招く一因になっていると言えます。

本来、「入りやすく出やすい」を目指した生活保護制度の設計は、今や「入りやすく出たくない」といった「もらい得」という”モラル・ハザード”(倫理の欠如)を招いてしまっているのです。

それでも、生活保護に頼ることなく、社会の一員としてコツコツまじめに働くことを尊いと考え、生活保護費よりも少ない年収で生活している方ももちろんいます。

そういった「収入が少なく生活が困窮していても、自力で働き生きてこその価値」を大切にし一生懸命働き頑張っているモラルの高い方々が、生活保護費の逆転現象のように納得のいかないような事態は打破しなければなりません。
生活保護の不正受給は論外ですが、不正とまではいかなくても「生活保護費のもらい得」を何とも思わず保護費を受給しのうのうと暮らしている、そんな不公平が起こらないように最低賃金の引き上げとはまた別に、早急な生活保護制度の抜本的な見直しに期待したいところです。

生活保護見直し。医療費、一部自己負担に?政府検討

生活保護受給者の医療費について、政府は一部自己負担を求める方向で検討し始めました。

その背景には・・

生活保護受給者数は、高齢化の進展や2008年9月のリーマン・ショックなどをきっかけに急激に増加しています。
今年6月現在の生活保護受給者数は、約211万人。(そのうち参考までに例として、横浜市では約6万8,500人、宇都宮市では8千人以上、郡山市では約9万6千人が生活保護を受けています。)
この生活保護受給者数の増加に伴い、生活保護費も増加傾向にあることが以前から問題となっており、さまざまな議論がされてきました。

では、生活保護費とはいったいどんなものに使われるのか簡単に見てみると・・
①生活扶助 ②住宅扶助 ③教育扶助 ④医療扶助 ⑤介護扶助 ⑥出産扶助 ⑦生業扶助 ⑧葬祭扶助
の8種類に分類されます。詳しくは生活保護で受けられる補助をご覧ください。

生活保護費の具体的な金額で見ると・・
2010年度実績では、生活保護費の総額は約3.3兆円に上り、国の負担額は2.4兆円、その残りは地方自治体が負担するような形になっています。

この生活保護費うち、公費で生活保護受給者の医療費を全額負担するという仕組みとなっている「医療扶助」が約47%を占めており、金額では約1.5兆円にまで膨らんでいるのが現状です。

その現状から、全額公費で賄われている生活保護費の増加に歯止めをかけることを目的に、その扱いは、2013年度予算編成の焦点の一つとされており、財務省と厚生労働省が本格的な調整に入ります。

しかし医療費問題は、重い病気を患いながら生活に困窮している方が、病院にも行けないということになってしまう可能性もあるため、そういった方への配慮は忘れてはならない課題だとし、生活保護の医療費の負担額や見直しの手法については、財務省と厚生労働省を中心に具体策を詰めていくとしています。

10月22日に行われた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会は、生活保護制度の見直しについて協議した結果、「生活保護受給者の医療費の一部自己負担を取り入れる」という案に、参加した委員から異論はありませんでした。

それに反して、23日の三井厚生労働相の記者会見では「病気の方の受診を抑制してしまう恐れがあるので、慎重な検討が必要」と医療費の一部自己負担に否定的な考えを示しました。
その一方で、「就労支援や不正受給対策について必要な見直しを検討したい」と発言し、生活保護制度自体の見直しは必要ということを示しています。

生活保護の医療費が一部自己負担になることによって、重い病気で働けない方がさらに治療が出来ない状態になってしまっては、生活保護の本来の目的である自立への道が、そういう方にとっては遠くなってしまうかもしれません。
そんな悪循環にならないためにも、本当に必要な部分に生活保護費を充てられるよう、不正受給対策に力を入れることが重要ではないでしょうか。

生活保護費めぐる問題。就労支援の1.2億円分が成果無し。

生活保護受給者が過去最多となっており、その生活保護費をめぐる問題があとを絶ちません。

そんな中、国や地方公共団体の会計などの検査や監督またはその適正化を図る「会計検査院」は19日、生活保護制度のひとつでもある「就労支援」のための保護費約1億2千万円が、生活保護受給者が自立する為の資格取得や就職といった成果につながっていないという事実を指摘しました。(2009年~2010年度に支給されていた分)
また、一部では、計約9500万円をも多く生活保護就労支援として受給者に支給していたことも判明し、厚生労働省に改善するように求めました。

そもそも生活保護費とはいったいどんなものがあるのか?
詳しくは生活保護の種類をご覧ください。

さて問題になっている就労支援は、生活保護では「生業扶助」というものの中に含まれますが、就職のための研修や教材費、資格取得の費用に充てられる「技能習得費」がまさにこの就労支援費になります。

技能習得費は2009年度は1人あたり原則として年間7万円までで、事情に応じて一部で38万円まで認められていました。それをトータルで見てみると、2009年~2010年度には東京や大阪など23都道府県で約6億9千万円が生活保護受給者に支給されていています。
検査院は、その生活保護の「生活扶助の技能習得費」をくまなく調べた結果、そのうちの260自治体の2849人への生活保護費(技能習得費)支給に問題を見つけたとしています。その額が1億2千万円にも。

問題となっている嘘の技能習得費の主な例を見てみると・・・
生活保護受給者が資格試験を受けるなどと言って、生活保護費(技能習得費)を受け取りながら、実際は資格など取っていないといった例は825人。
また、「車の免許を取る」という理由で約31万円を受け取ったのにもかかわらず、教習所には2日しか通っていなかったり、「簿記検定試験を受験する」と言って約10万円をもらいながら約8万5千円を試験代以外の私用に使ったりしたということがあげられました。

生活保護で支給される最低生活費よりも低い所得にもかかわらず、生活保護を受給せず自分の力で生活している方もいる反面、生活保護受給者が技能習得費を活用して一日も早く自立した生活を目指すどころか、嘘をついて少しでも補助金をもらおうというようなことが今後増えないようにしていただきたいと思わざるを得ません。

不況や生活保護受給者のモラルの問題もありますが、生活保護を受給しないで頑張っている方たちのためにもせめて成果の出ないような生活保護費は厳しく管理し、改善していって欲しいところです。

生活保護不正受給させない為の対策議論

生活保護制度の抜本的な見直しを議論している厚生労働省の専門家会議が10月17日に開かれました。

その議論の内容とは・・
年間120億円を超えている生活保護不正受給を減らすために、生活保護申請時や受給時の審査をより厳しくして行こうとする対策の強化に賛成する意見が出た一方、生活保護を本当に必要としている方への支援を閉ざさないよう、不正受給への対策を慎重に行わなければいけないという意見も出ました。また、ひきこもりの方などが働けるよう簡単な作業から始められる「中間的就労」については、貧困ビジネスとして悪用されないよう規制が必要だという意見も。

その背景とは・・
生活保護の受給者は今年6月には211万人超えという過去最多を更新。
今年度の生活保護費の総額は何と、3兆7000億円を超える見通しとされています。

増え続ける生活保護受給者に歯止めをかけなければならないのですが、その中でも生活保護の不正受給は去年3月までの1年間におよそ129億円に上回っていることが大変大きな問題です。
生活保護不正受給への対策については次のとおり検討されています。

生活保護の不正受給への検討されている対策案
「自治体の調査権限」の強化
①生活保護申請時の資産や収入の状況に加えて、受給時の就労や生活保護費の支出状況まで調査できる権限を自治体に与える。
②働けるのに働く意思がない方には厳しく対応し、2回生活保護費が打ち切られた後の3回目の申請では、審査を厳しくする。

生活保護の不正受給の増加により、本当に生活に困窮している方が生活保護を受給できなくなるということは避けなければなりません。
厚生労働省の専門会議は今後も生活保護制度の見直しについて議論を重ねたうえで、年内をめどに報告書をまとめることにしているとのことですが、生活保護を必要としている方が本当の意味で救われるためにも、少しでも不正受給を減らす対策を真剣に一刻も早く行っていただき、私たち国民が納めた税金が本当に困った方への支援に回ることを願います。

生活保護を受給している在日外国人は適用外。年金保険料全額免除に。

生活保護受給者は年金保険料全額免除。生活保護の在日外国人は適用外に。

生活保護費の増加が続いていますが、ここ最近生活保護受給者に厳しい目が向けられています。
そんな中「日本年金機構」は、「生活保護を受給する在日外国人は国民年金保険料の一律全額免除の対象ではない」という見解を示しました。

今まで国民年金保険料は、生活保護を受給している方は「法定免除」が適用され、日本人も在日外国人も全額免除になっていました。それを、年金機構の地方組織である年金事務所(特に外国人が多く住む横浜市等)は、生活保護受給者の在日外国人においても自治体が日本人と同様に扱うことを認めてきました。

しかし国民年金機構は、地方組織である年金事務所からの照会に対し8月10日付で次のような回答をすることで、生活保護の在日外国人の年金保険料全額免除を適用外とすることを明らかにしました。

(1)困窮する永住外国人らには日本国民に準じて生活保護を給付しているが、外国人は生活保護法の対象ではない
(2)国民年金法上、法定免除となるのは生活保護法の対象者なので、外国人は該当しない

全額免除を適用しない代わりに、申請すれば所得に応じて免除の割合が決まる保険料の「申請免除」というもので生活保護在日外国人に対応します。つまり、所得によっては保険料の一部支払いを求めるものになります。
例えば、一人暮らしの場合、前年の所得が57万円を超えてしまうと、年額約18万円の年金保険料は全額免除にはならず一部免除で残りは支払わなければならないということも。

厚生労働省は、申請免除でも実際は全額免除される方が多いとの見方を示していますが、一部しか免除されず結局保険料を支払えなかった場合、無年金になってしまう心配が出てきます。

年金機構は、在日外国人の保険料免除について「誤ったところは正していく。既に法定免除とした件は、全国的に実態を調査した上で対応を検討する」(国民年金部)と説明しています。

在日外国人を支援する団体からは、生活保護法の国籍条項の撤廃を求める声も出ていますが、政府は生活困窮者への支援策や生活保護制度の在り方を検討し、論点に加えることも考えたいとしています。

しかし日本各地域で税金も納めながら同じように暮らしている在日外国人が、生活に困窮した時に日本人と違う対応を受けるのは差別に等しく、現時点では日本人と同様に全額免除にならないのなら、せめて外国人も生活保護受給時には法定免除の対象になるよう生活保護の仕組みを見直して欲しいものです。

厚生労働省 生活困窮者に対して、初の総合的な対策案を示しました

2012年8月27日の記事でもふれましたが、厚生労働省は生活保護制度見直しを含む初の総合的な「生活困窮者対策案」を示しました。

その生活保護制度見直しを含む「生活困窮者対策案」とは。

  • 「総合相談支援センター」が各自治体に設置予定
    法人などの民間が中心となり、生活の困りごとから就労までさまざまな相談をすることが出来る施設です。
    自ら「SOS」を発信できない方は「社会福祉士」による家庭訪問を受けることもできるようになる予定です。
    民間による総合相談支援センターや社会福祉士は、行政の担当者と連携して生活保護を必要とする方々を支援して行く方針です。

  • 生活保護受給者を自立へ導く「就労」
    生活保護を受けながら、軽作業等をする「中間的就労」という枠が設けられます。
    生活保護を必要とする方が自らの生活習慣を見直すことから始め、この中間的就労である軽い労働体験の場で働くことをとおして、徐々に労働意欲を高めていき、安定した就労につなげていくことができます。
    就労意欲がある方には「上乗せ給付」や「働きがい」を持てるように、「手元に残るお金」を増やす制度も検討されています。

  • 安定した生活のための「家計」
    生活保護受給者の方の最終目標である生活保護からの自立。その生活保護からの自立を迎えるにあたって、その後の生活のための「賃金の一部積み立て等」が検討されています。
    生活保護から自立するときに現金で還付してもらえる仕組みなので、あなたの家計再建につなげることができます。

  • 生活保護制度で守られる「住まい」
    生活保護を受けられている方の家賃を自治体が直接支払う「現物支給」方式が検討されています。
    これにより、生活保護の不正受給防止にもつながるので、本当に生活に困窮している方が正当に生活保護で救われることにもなると考えられます。

厚生労働省は、これらの対策案を反映した「生活支援戦略」を2012年内にまとめるそうです。2013年の通常国会では関連法案が提出される予定なので、生活保護を受給している方は、環境が少し変わるのかもしれません。どの案も、少しでも生活が豊かになるようにと変化していく案なので注目していきたいですね。

生活保護法見直し 法改正も検討されています

昭和25年に生活保護制度がつくられました。

現在まで、周りは変化があるに、生活保護制度は何一つ変わらないままでした。

生活保護自給者は年々増えていきます。2012年の生活保護費の国家予算は3.7兆円で、5年で1兆円も増えました。

そこで政府は危機感を覚え、生活保護制度を見直してみることにしました。平成24年秋をめどに、厚生労働省はとりまとめ予定です。

「就労」・「家計」・「住まい」の3本柱を基本としています。

「就労」=「就労支援」

 

・就労準備支援

   

長期失業者などを対象に、早寝・早起きなど規則正しい生活習慣作りも手伝う制度です。 現在も失業者を対象とした職業訓練制度はありますが、困窮から生活リズムが乱れて、訓練講座などに参加できない人が多いので支援として考 えました。

 

・中間的就労

   

簡単な農作物の世話など、一般的な就労の前段階にあたる軽労働の場を提供するものです。すぐに働くことが困難な方のために、社会的自立に 向けたサポートです。

 

現状は、一人のケースワーカーが100人以上の受給者を担当する場合が多く、「就労支援まで手が回らない」と悲鳴の声が上がっています。 そこで、生活困窮者一人ひとりの支援プランを作る「総合支援センター」を設立することになりました。運営は、NPO(非営利組織)があたりま す。

「家計」=「家計再建」

 

・就労収入積み立て制度

   

早期の自立につながるように、就労等の収入に応じて一定額を積み立てて、生活保護から自立する際、本人へ給付することになります。 自立するまで給付されないため、自立意欲の喚起につながります。

 

・資金の貸付、家計簿による指導

   

個々の状況に応じて生活に必要な資金へ貸し付けることができます。家計簿の支出を管理することを勧めるなどの支援制度を導入します。

「住まい」=「住まいの確保」

  

・住宅扶助の「現物給付」

    

自治体が貸主に直接家賃を支払います。現状は、住宅費を現金で生活保護自給者に渡しています。 自治体が直接家賃を支払うことによって、滞納などの心配もなくなります。