生活保護ガイド

父子家庭を支援する制度とは?

平成24年10月24日の厚生労働省の発表では、母子家庭は123.8万世帯、父子家庭は22.3万世帯ということが明かされました。
母子家庭の就労による年間平均収入が181万円なのに対し、父子家庭は360万円という調査結果となっています。
これまで多くの母子家庭を支援する制度についてに触れてきました。 ひとり親世帯を比較すると、どうしても父子家庭より母子家庭の方が収入が少ない傾向にあるため母子家庭を支援する制度は多くありますが、父子家庭(ひとり親家庭)を支援する制度はないのでしょうか?そんな疑問にお答えします。

児童手当

中学校修了までの児童がいる世帯に、一人につき月額1万5千円または、1万円を支給する支援制度です。
0歳~3歳未満:15,000円(一律)
3歳~小学校修了前:10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生:10,000円(一律)

なお、児童手当を受けるには所得制限が設けられています。
父子家庭でお子さんが2人の場合、所得額は698万円以下である必要があります。これを超える収入である場合は、特例給付として児童一人につき月額5千円が支給されます。

児童扶養手当

平成22年8月1日より父子家庭の父も児童扶養手当の支給対象となりました。

■対象者
18歳に達した後の最初の3月31日までの児童(子ども)の父親または母親または養育者
※心身に一定の障害のある児童については20歳未満

■支給の対象となる児童
①父母の離婚後、父または母と生計を共にしていない
②父または母が死亡
③父または母が重度の障害の状態にある
④父または母の生死が不明
⑤父または母が引き続き1年以上遺棄している
⑥父または母が裁判所からのDV保護命令を受けた
⑦父または母が法令により1年以上拘禁されている
⑧母が婚姻によらないで生まれた
⑨上記以外で父母があきらかでない
など

■支給月額
所得によって全部支給、一部支給、支給対象外となります
[全部支給]
児童1人:41,430円
[一部支給]
児童1人:9,780円~41,420円
※児童2人の場合は児童1人分に5,000円加算、児童3人以上の場合は1人につき3,000円ずつ加算

■申請に必要なもの
①児童扶養手当認定請求書
②戸籍謄本(保護者および児童)
③住民票(世帯全員)
④収入を証明するもの(所得証明書等)
⑤印鑑
など

ひとり親・母子家庭の医療費助成

ひとり親・母子家庭の医療費助成とは、18歳未満の子どもを養育している母子家庭、父子家庭、養育者に対して医療費の自己負担額を助成する制度です。
なお、ほとんどの自治体では所得制限があり、所得に応じて自己負担分の全額または一部が助成されます。

■対象者
18歳になった日以後の最初の3月31日までの児童(心身に中程度以上の障害がある場合は20歳未満)を1人で扶養している父・母または養育者

■助成対象外
①生活保護を受けている
②公的年金を受給している
③児童が児童福祉施設等に入所している
など

■助成内容
保険内診療の自己負担分の全部または一部の医療費を助成
※所得により異なる

■所得制限額
自治体により異なる

■申請に必要なもの
①戸籍謄本
②健康保険証
③印鑑
など

父子家庭に求められている支援とは

父子家庭では、経済的支援はもちろん必要です。しかし現在本当に求められているのは、シングルファザーの子育てを支援する仕組みだと言われています。
子どもに母親のいない寂しさを与えたくないという思いから、シングルファザーになることをきっかけに就労時間が短い仕事へ転職する父親もいるそうです。また、母子家庭より父子家庭の生活保護受給率が低いのは、父親なら自分で働いて収入を得て家族を養うのが役目だと思う人が多いからではないでしょうか。
母子家庭でも父子家庭でもひとり親世帯なら子育てに大きな不安を抱えることになります。特に父子家庭では、母親の愛情を知らずに我が子が健やかに育つのだろうかという不安が大きいようです。父子家庭では、父親がより子育てをしやすい環境を作り出すことが必要だと考えられています。

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