会社の経営者または自営業である場合、生活保護は受けられないと思われている方が相当数いらっしゃいますが、そんなことはありません。
ここでは、会社経営者が生活保護を受けるための注意点をご紹介します。
生活保護法で定められている「無差別平等」の考え方
現在の生活保護法では、以下のように定められています。
- 生活保護法 第二条(無差別平等)
- すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。
つまり、会社経営者でも、賃金労働者でも関係なく要件さえ満たせば生活保護は受けられるという事です。
また、経営者の場合には、必要であれば以下のような費用も支給される決まりになっています。
・生業扶助では、生業を営むのに必要な資金や器具、資材の購入費が支給される
収入を得るために必要な車や工場、商店などは保有が認められています。
しかし、仮に「車を処分しないと生活保護は受けられない」と役所から商売に必要な機械や車を処分するように指導されたとしたら、その際には経営を立て直し、自立をするのに必要である旨を具体的に訴え、保有を認めてもらう必要があります。
生活保護を受けられるかどうかは「従業員の有無」もカギ
無差別平等とはいえ、自営業の場合、従業員がいるかいないかで生活保護を受けられるかどうかが変わってきます。
- 【受給できるケース:自営業で1人の方】
- 前項で既述した生活保護の条件を満たしていれば受給できる可能性があります。
- 【受給が難しいケース:自営業で2人以上の方】
- 収入や経費の認定が非常に難しく、家族や親族が従業員であったり、事業主が会社の借入の保証人になっている場合が多いので、生活保護の需給は難しくなります。
参考までに、個人で営むタクシー運転手や小規模な飲食店などで、従業員が他にいなく、収入や経費の把握がしやすい方は受給できる可能性があります。
生活保護だけが解決策ではない場合もある
これまで、自営業の方は生活保護を受けられるのかについて特筆してきましたが、生活に苦しい、特に借金がある場合などは、自己破産というのも生活を立て直す一つの選択肢となります。
そのような制度も視野に入れて、今この苦しい生活をどう立て直すのかを考えることが大切です。
制度について詳しく分からない、どうしたらいいのか分からないで一人で悩み続けるよりは、まずは福祉事務所へ相談するとよいでしょう。
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