生活保護ガイド

生活保護 3年かけて最大1割削減へ。母子家庭から不安の声

1月22日、政府・与党は2013年以降の生活保護費のうち、日常生活を支える「生活扶助」の給付水準を3年程で段階的に6~7%引き下げる方針を固めました。額にして約800億円の削減予定です。

それに関して厚生労働省は、23日午前の自民党厚生労働部会で、「生活扶助」約1兆2000億円を、3年かけて最大1割削減する方針を示ししています。デフレによる物価下落分も反映させる意向で、自民党は引き下げ方針を了承

そういった生活保護費の見直し議論に、母子家庭の生活保護受給者は不安を募らせています。
社会保障審議会特別部会の報告書案では「生活保護を受けて育った子どもは、大人になった時に生活保護を受ける確立が高い」という調査から、「子どもへの貧困の連鎖防止」をあげています。
しかし、厚生労働省は高齢者世帯を除いては、生活保護費を「もらい過ぎ」という試算を出したために、母子家庭の生活保護受給者からは「国は本当に母子家庭世帯を応援しているのか」と嘆きの声があがっているとのことです。

厚生労働省の試算では、子供1人の母子家庭世帯の保護費は低所得世帯(年収120万円程度)の生活費を月額約7200円上回り、子供が増えると「もらい過ぎ」はさらに増えるそうです。
しかし、報告書案は上記したとおり、親の困窮が子どもの将来に及ぼす影響を懸念し「学習支援を行う必要がある」としています。

「生活保護を受給している方が、子どもを育てながら働いて得られる低所得よりも高い生活保護費をもらえる」と始めから分かっていて、生活保護を受給するという方も中にはいるでしょう。
しかし、全員が全員ではありません。働きたくても障害をもっていて働けない母子家庭のお母さんや、逆にこどもに障害があり介護に追われ働けないお母さんなど、本当に辛い思いをしている母子家庭の生活保護受給者も多くいます。
試算の結果、「生活保護費もらい過ぎ」といわれても、母子家庭のお母さんたちにとっては普通の教育を受けさせるための費用などにかかったり、贅沢な暮らしなどできるわけがなく、もらい過ぎなどという実感はないのではないでしょうか。

まだまだ不安がつきまとう生活保護の見直し議論ですが、母子家庭の生活保護の実態や生活保護費などについては、何回かに分けてお知らせしたいと思います。


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