横浜市は、小学校修了前の子どもを育てていて家計の厳しい低所得世帯や母子家庭世帯に、「地域優良賃貸住宅制度要綱」で認定した優良賃貸住宅を紹介し、世帯の収入によって家賃負担を軽くするために、国と横浜市が家賃の一部を助成するという事業を始めています。最大4万円の家賃が助成されます。
横浜で認定されたその優良賃貸住宅を「横浜市子育て世帯向け地域優良賃貸住宅」(子育てりぶいん)と言います。
2012年度は100戸、2013年度は300戸増やす方針で、昨年の8月から、横浜市の各区役所で、事業案内のパンフレットを配布しています。
◇横浜子育て向け優良賃貸住宅への入居者募集について
入居者の募集は、公募(1月から開始)によって行われます。
募集は、「広報よこはま」に掲載されており、申込書は横浜市各区役所で配布。
※ 新規住宅の場合は、1月に入居募集されますが、空家が出た場合(退去者があった部屋)は、住宅ごとにあらかじめ「空家待ち登録」の順位を決めておき、その順に入居のあっせんが行なわれます。(あっせんする期間は登録から1年間)
◇家賃助成金額
・子育て中の低所得世帯、母子世帯などで、世帯の月収が0円~21万4千円の場合に家賃の一部を助成。
・上限月4万円、最長6年間。
(1型)世帯月収0円~12万3千円の場合→40%家賃助成
(2型)世帯月収12万3001円~21万4千円の場合→25%家賃助成
例えば単純に計算すると、家賃10万円で入居契約となり、最大家賃4万円が補助されると、6万円の家賃負担であなたは生活できるというこになります。
◇お申し込みから入居まで
①「広報よこはま」で募集が掲載→1月
②優良賃貸への申し込みをする(申込書提出)
③公開で抽選される
④抽選結果の通知
⑤優良賃貸への入居の説明
⑥契約書類の提出
⑦賃貸住宅を借りるための借契締結をする→入居は3月以降
◇横浜市の家賃助成賃貸入居への入居者の選定方法
子育て世代の低所得世帯、母子家庭世帯の「子育てりぶいん」への入居は、公募・抽選にて決定しなければなりません。横浜市の認定事業者の関係者や家族、親戚、知り合いなどを優先的な入居を避けるためという理由があります。
低所得者や母子家庭の方の家賃助成賃貸への入居の応募が多い場合は、抽選によっての入居順位を決めるという仕組みです。
◇入居対象者
家賃助成賃貸に入居するには、入居資格が細かく決められていますが、以下のとおりです。
①低所得者、母子家庭等で申し込みする本人や同居者が居住するために、住宅を必要とする方。
②同居する子どもがいて、小学校修了前の子どもが少なくても1人いる方。
③同居する方全員が、2親等以内の親族。(扶養関係がある場合や、介護の必要がある場合は6親等以内の親族、他)
④入居する方の誰かが、横浜市内に在住しているか、在勤している方。
⑤申し込み本人又は、同居する方が、住民基本台帳法(昭和42年法律81号)にいう住民基本台帳に記載された方。
⑥住民税を滞納していない方。
⑦世帯月収額が21万4千円以下の方。
⑧連帯保証人を立てられ、管理業者が指定する保証会社の利用が可能な方。
⑨申込者、同居する親族が「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」(第2条第6号)で規定される暴力団員ではない方。
小さな子どものいる家庭は「うるさくて近隣トラブルの原因になる」などの理由でオーナーから入居を敬遠されることがらあたり、市営住宅は入居倍率が高く、いくら低所得や母子家庭だからといってもなかなか入居できないという状態です。
特に所得の低い母子家庭の方などが、子育てしやすい環境の賃貸住宅を探すのは極めて難しい状況にあるそうです。そこで横浜市は、賃貸住宅オーナーとネットワークを持つ市住宅供給公社(神奈川区)と連携し、小学校やスーパー、公園まで1キロ以内、小児科まで徒歩20分圏内などの条件を満たす建物を「子育て世帯向け地域優良賃貸住宅」として認定するといった事業になった所以です。
新耐震基準(1981年)に適合した一戸当たりの広さは概ね50~75平方メートル、家賃は10万円前後を想定しているそうです。
生活保護でも母子家庭の方の保護率が年々高くなってきているので、生活保護を受給する前に、こういった家賃助成の制度を活用して、環境の良い住宅で子育てできたら、少しでも安心した暮らしができることでしょう。
横浜市のこの事業は、家賃助成モデル事業ですが、母子家庭の方や低所得の子育て世代の方などが、この制度で少しでも生活が楽になり、生活保護を受けなくても何とか生活していけそうだという世帯が増えれば、横浜市以外でもそういったものが増えるかもしれません。
◇生活保護について、家賃助成と比較したい方は以下をご参照ください。
→生活保護費の支給額
→横浜市の生活保護の申請方法
→生活保護で受けられる助成(扶助)
→生活保護ではメガネが補助される