福島県福島市は12月7日、生活保護受給者の介護保険料の代理納付事務処理に52人分の誤りがあったほか、生活保護受給者の保護台帳一冊(一世帯分)を紛失していたと発表しました。
福島市によると、生活保護受給者の介護保険料を代理で納付手続きした際、データ入力にミスがあり、生活保護受給者に納付書が届かなかったり、二重払いになったり、納付したにもかかわらず督促状が届いたりしたそうです。このうち、介護保険料を二重に支払ったのは2人で、6600円分とのこと。
※生活保護の介護保険料とは?
その市町村に住所を有する65歳以上の方が、第1号被保険者となります。40歳以上65歳未満の医療保険加入者は、第2号被保険者となります。
65歳以上の介護保険の被保険者は、生活保護を受給しながら、介護保険料を定期的に納付する仕組みになっています。(40歳未満の方は、介護保険の被保険者ではありません。)
しかし生活保護を支給されている方の介護保険の費用は、65歳以上の方の場合は生活保護費の介護扶助費によりまかなわれます。 また、生活保護の受給者が「要介護な状態」であると判断をされ認定を受けた場合は、介護保険から給付を受けることになります。 この時に支払う事になる負担金の一部はこの制度の費用の中から支払いが行われます。
生活保護受給者の介護保険料を代理で納付手続きしたのは、福島市の40代男性職員。データ入力漏れ、確認漏れなどが原因ということです。
福島市のその職員は7月の時点で、誤りに気付いていましたが、上司には報告せず、11月13日に督促状が届いた福島市の生活保護受給者から連絡があったことで、ミスが発覚しました。
また、生活保護の保護台帳を3月15日から4月12日の間に紛失したとのこと。生活保護台帳は生活保護被保護者の名前、住所、収入などが記載されているもので、紛失した保護台帳は福島市役所内の棚に入れて保管していましたが、同13日に職員がないことに気付いたとのこと。その保護台帳は福島市の職員が、過って焼却用に搬出したのではないかとみています。
生活保護介護保険料事務処理の誤りと、生活保護台帳紛失の2つのミスに関して、福島県福島市の小林克弘健康福祉部長ら5人は記者発表で、その経緯と原因を説明し、謝罪しました。「福島県では震災対応などがあり、一人の職員に負担が集中した、今後はチェック体制を徹底する」という旨を述べています。
福島市は、生活保護受給者の介護保険料の事務処理に誤りがあった52人に対しては、戸別訪問で直接謝罪し、また二重払いとなった生活保護受給者には、改めて後日還付するとしています。