生活保護ガイド

生活保護受給者を苦しめる「ぐるぐる病院」の実態

皆さんは「ぐるぐる病院」という言葉をご存知でしょうか?

生活保護受給者が短い期間で何回も何回も入退院を繰り返すことです。
このぐるぐる病院が頻発していることが最近問題になっています。

どうして起こる?生活保護者を取り巻く「ぐるぐる病院」の謎

生活保護者は国の法律で決められているとおり、基本的に医療費が全くかかりません。
ですが、病院側は別です。
生活保護受給者の入院期間が長くなると、国に請求できる診療報酬額が法律上少なくなってしまうのです。
ですから、病院側は少しでも利潤を上げるために、短期間の入院という扱いにします。

生活保護受給者の「ぐるぐる」の仕組み
1.生活保護者の病気が完治していなくても、一定期間が経過したら一度退院させる。
2.すぐに再度入院させる。
3.上記1~2を病気が完治するまで繰り返させる。

繰り返される入退院、生活保護受給者が声を上げない理由は?

先にもお話したとおり、生活保護受給者は医療費を全く払わないで病気を治療してもらう事ができます。

自分のお金で医療費を支払っているという強みがないので、クレームをつけたことにより、病院から受け入れを拒否されるのが怖く、病院の言うがままになっているケースがほとんどだといいます。

病院の利潤のために「ぐるぐる」される生活保護受給者、行政は?

厚生労働省が生活保護者の入退院に関する調査を行った結果、過去3年2か月の間に、34回もの転院を繰り返し、724万円の医療扶助費がかかった例も浮かび上がってきました。

この例は氷山の一角にしかすぎず、徹底的に調べ上げれば、まだまだこういった事例は出てくるでしょう。

このような調査結果を受けて、8月1日に総務省は厚生労働省に生活保護者の入退院の実態把握とチェック体制の整備を勧告しました。

厚生労働省では「早急に調査して件数を把握し、転院の理由を医療機関に確認する対応ルールを徹底したい」と述べています。

生活保護者が安心して病気の治療に専念できる環境が望まれます。

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