生活保護ガイド

生活保護の申請さえできない生活困窮者の実態とは

2013年11月18日、大阪市東淀川区の団地で女性の遺体が見つかる事件がありました。お金も食べるものもなく、餓死してしまった可能性が強まっています。亡くなった女性は60代の母親と二人暮らしで4年前に生活保護の申請もしたことがあったそうです。

生活保護も受けられず、なぜこんな悲劇が起こってしまったのか?

女性は4年前に母親とともに生活保護の申請をしに窓口を訪れています。「父親の生命保険で暮らしているが、保険金がなくなったときに生活保護を受給できるだろうか」と相談していました。
担当者は「保険金がなくなったときにまた相談に来てほしい」と答えました。女性は仕事が見つからないと悩んでいる様子でしたが、その後窓口を訪れることはありませんでした。

二人が住む部屋の管理会社が10月17日に「何度部屋を訪れても応答がない」と、警察に相談。大阪府警東淀川署員は脱水症状を起こして倒れている母親を発見しました。しかし、室内の状況や近所の聞き込みから母親の一人暮らしと判断され、女性の遺体が見つかった部屋は確認をしませんでした。

女性の部屋のガスや電気は止められ、冷蔵庫には空のマヨネーズなどの容器しか見つからなかったことを踏まえると、保険金が底をつき、何度も生活保護の相談をしに窓口へ足を運ぶための交通費や気力や体力もなかったのではないかと考えられます。

貧困問題に詳しい専門家は、「区役所が自宅を訪れるまで時間がかかりすぎている上に、数少ない手がかりで調査を打ち切ったのは問題がある。もっと真剣に女性の所在を確認しようとしていれば一か月早く発見できたはず」と指摘しています。

このような悲惨な事件で、生活保護の受給の相談に訪れた生活困窮者の暮らしの実態が、きちんと調査されるべきだということがより明確になりました。また、生活保護を本当に必要としている人がどんな生活を強いられているのかが世間に広く知られることになりました。経済的な支援ができなくても、精神的な支援として会話をすることだけで、生活困窮者の心の支えになるのではないでしょうか?

生活保護の申請を考えている方へ。お役立てください。
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