生活保護ガイド

生活保護を申請する前に知っておきたい扶養義務

生活保護を受給するための条件の中に、扶養義務者からの扶養を活用することが定められています。頼りになる親族や身寄りからのできる限りの援助をお願いすることが必要になります。では、具体的に扶養義務がある人はどんな人なのでしょうか?

法律で定められている扶養義務は最大で3親等まで

法律の条文では、「家庭裁判所は特別な事情がある場合は3親等以内のものまで扶養義務を負わすことができる」とあります。親等数は、自分を0とし、親子関係を1親等と数えます。3親等は、層祖父母、叔父叔母、甥姪、曾孫にあたり、それより近しい人に扶養義務があると定められています。

しかし実際には、層祖父母や曾孫に援助を求めるのは難しいことです。現実的には直径家族の例が多く、親・子供・兄弟・夫婦からの援助を求める場合がほとんどです。特に、福祉事務所から強く扶養義務を求められるのは「夫婦」と「未成熟の子」の二通りだけになります。これは、法律の解釈をそのまま生活保護を申請する人に適応しようと思うと、混乱が起きてしまうことから、「親族の方のできる範囲で、扶養をお願いします」ということになっています。

生活保護を申請すると、親族に扶養義務についての通知が届きます

生活保護を申請すると、申請者本人にどの程度の援助ができるかを調査する通知が届きます。「金銭面」「入院した際」「電話連絡」など、金銭だけではなく、精神面や体力面で援助できるかという質問に答えなければなりません。先ほど取り上げたように、通知が届くのは3親等の親族まで。生活保護を申請するとなると、身内に知られることは覚悟しなければなりませんね。

生活保護の申請に悩む人に手を差し伸べること

生活保護の申請をためらう人の中で、一番抵抗があるのはこの扶養義務の部分だと考える人も多いでしょう。
「ふるさとの両親に心配をかけたくない」
「独立した子ども達に心配をかけたくない」
といった意識が生活保護を申請することをためらう要因になっています。

実の親、兄弟といっても、別の家計の人を扶養することは簡単なことではありません。扶養義務者であっても「私に扶養の意思はありません」ということを意思表示すれば断ることができるケースも多くあります。ですが、その後誰の援助も受けずに孤独に生活保護費で暮らしていく申請者本人のことを思い浮かべてみてください。扶養義務者にとって経済的な支援は難しくとも、精神的に、体力的に支援することはできるかもしれません。生活保護を受けなくても自立していける方法を一緒に考えることも、立派な支援になるのではないでしょうか。

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