厚生労働省の調査によると、今年9月に生活保護を受けた世帯は162万9598世帯で、前の月より874世帯増えて、過去最多となりました。
その結果を受けて、厚生労働省は「高齢者の単身世帯が増える中、年金だけでは生活できない人も増えている。生活保護を受ける高齢者世帯は今後とも増加するとみられる」と分析しています。
厚生労働省調査における「48都道府県トップ10と最下位」の県と世帯数
全国の生活保護受給者は年々増加の一途をたどっていますが、その中でもトップ10に入る都道府県をまとめてみました。
厚生労働省の調査ではこのような結果になっています。
- 厚生労働省調査「生活保護受給世帯数多い順:全国」
- 1位 東京都…223万205世帯
2位 大阪…56万457世帯
3位 埼玉…50万088世帯
4位 北海道…50万039世帯
5位 福岡…39万582世帯
6位 千葉…37万363世帯
7位 神奈川県…25万842世帯
8位 茨城県…20万548世帯
9位 愛知県…17万591世帯
10位 沖縄県…17万445世帯
最下位…富山県 1509世帯
- ピックアップ!~愛知県名古屋市~
- 愛知県名古屋市では、平成25年8月から3年程度かけて段階的に生活保護基準が見直されていて、平成27年4月に3年目の見直しが行われました。
中でも住宅扶助では世帯構成による住宅のニーズに差があることも踏まえ、柔軟な選択ができるよう留意して比率の設定がされました。
これにより、今まで名古屋市では同じだった2人世帯と6人世帯の基準額に差が出るようになりました。
今までの上限額…2人世帯 4万7千円 / 6人世帯 4万7千円
見直し後の上限額…2人世帯 4万4千円 / 6人世帯 5万2千円
大分県初の取り組み「宿泊型福祉施設」の開設
厚生労働省調査によると全国で22番目に生活保護受給者が多いとされる大分県では、県内初の取り組みとして「宿泊型福祉施設けいせんプラザ」を開設しました。
これは、障害者支援施設などを運営する社会福祉法人大分県社会福祉事業団が開設したもので、ここでは病気や失業などに伴う生活困窮者や生活保護受給者、障害者の相談業務を行うとの事です。
プラザは3階建てで、2~3階にトイレ付8畳の宿泊部屋が計8室あり、両階には共同のお風呂とキッチンを設置し、食事はけいせん寮が提供しています。
利用料金は1泊3食で2500円、それぞれの状況に応じて入居できる期間も異なりますが、原則は最長で6か月まで宿泊できます。
年々増える生活保護受給者についてけいせんプラザの津島伸一郎総括は「いろんな立場にある方々の生活を前進させる施設にしていきたい」とこれからの意気込みを語っています。
増える生活保護受給世帯、広がる支援
年々増える生活保護受給世帯。
愛知県や大分県のように増える生活保護受給者に対する取り組みをしている県も多く、生活保護受給世帯の自立への間口は広がっているといえます。
「第2のセーフティネット」として施行された生活困窮者自立支援法を受け、自立支援相談窓口の設置など全国各市で様々な活動が見られます。
今後も生活困窮者や生活保護受給世帯が希望を持って自立へ向かう事の出来る支援の輪が広がってゆく社会が望まれます。
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