先日、自民党の生活保護に対する考えをまとめた記事を書きましたが、今回は日本維新の会は生活保護をどう考えているのか?を見ていきたいと思います。
■生活保護に関わる基本理念として・・
・真の弱者を徹底的に支援
・自立する個人を増やすことにより支える側を増やす
・個人のチャレンジを促進し、切磋琢磨をサポートする社会保障
とこのように掲げられています。
■そこで日本維新の会が目指す国家像とは・・
日本維新の会は、個人の自由な選択と多様な価値観を認め合う社会を前提に、「自立する個人」、「自立する地域」、「自立する国家」の実現を目指します。自立する地域が、自立する国家を支え、自立する個人を育てます。
国からの上意下達ではなく、地域や個人の創意工夫によって社会全体を活性化し、グローバルな競争力を持つ経済を再構築するためには、国民全員に開かれた機会の平等を出発点として自助、共助、公助の範囲と役割を明確にすること、公助から既得権を排し真の弱者支援に徹すること、そして現役世代(勤労者世代)を元気にし、世代間の協力関係を再構築することが必要です。(日本維新の会綱領の一部より抜粋)
日本維新の会が掲げる国家像、つまり「小さな政府」を目指し、社会保障も充実させ、セーフティーネットをきちんと構築した上で、自由競争による切磋琢磨のもと、経済全体を強くしていく考え方です。
その中でも障害者のようなサポートがどうしても必要な方には手厚くしていき、その財源を確保していくために、生活保護制度には「選択と集中」が必要としています。
生活保護費の給付を手厚くするような政策は一見市民に優しく見えますが、生活保護費(社会保障費)の増大は国の財政を大きく圧迫する要因です。次世代の子どもたちのことを思うと、今から財政再建も考えていかねばならないと。
生活保護費の増大を防ぐ方法として、本当は働けるのに勤労の意欲を失ってしまっている層には一日も早く生活保護から自立できるように導いていく仕組みに変えていくとしています。
■日本維新の会の生活保護の具体策をまとめると・・
・高齢者・障がい者サポートと現役世代サポートの区分け
・現物支給中心の生活保護費
・支給基準の見直し
・現役世代は就労支援を含む自立支援策の実践の義務化
・有期制(一定期間で再審査)
・医療扶助の自己負担制の導入
・被保護者を担当する登録医制度
・受給認定は国の責任で
大きくわけて、重病人なども含め「働くことが(身体的に)出来ない」のか、失業などで「(本当は働けるのに)働くことが出来ない」のかきちんと区別し、「(生活保護のほうが楽だから)働く気がおきない」といった意識はなくしていき、働く能力のある現役世代に関しては、就職支援などを強化します。
貧困ビジネスの原因を絶つために、現物支給中心の生活保護費にし、本来の最低限度の生活を守るためにも中抜きされにくい生活保護制度に改めることが必要であり、また、まじめに保険料を納めた国民年金の受給額より多い生活保護費というのもおかしな話であるため、社会保障費全体の見直しが必要があると考えています。
また、不正受給対策としても、行政に調査権限を与えたり、生活保護受給者と結託して高額な治療をする心無い病院や医師を防止するために医師を登録制にすることで透明性のある生活保護制度にし、さらに、不正行為で生活保護の認定を取り消されても他の自治体で再申請されてしまうことへの防止策として国の責任で生活保護の認定をしたほうが良いというように考えられています。