生活保護ガイド

高齢者の生活保護と年金、どう向き合えばいいの?

生活保護受給者のうち約4割を65歳以上の高齢者が占めています。
高齢者が生活保護を受ける理由として最も多いのが、受け取っている国民年金の額だけではどうしても暮らしていけないような生活に厳しい状況にあることです。

しかし、生活保護を受けている後ろめたさから趣味にも励むことができず、孤独死を迎えてしまうといったケースが少なくありません。

年金と生活保護を同時に受給する落とし穴

「年金と生活保護って一緒に受給しても大丈夫なの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

高齢者の単身世帯の最低基準を下回る年金しか受取れない場合、それを補う分として生活保護を受給できるケースがあります。

つまり、生活保護と年金を併用しても最低基準以上の収入は得ることができません。

福島県郡山市の例でいうと、高齢者単身世帯の最低基準は62,130円(平成25年8月現在)ですから、それ以上裕福な暮らしはできないということです。

「国民年金を真面目に納めるなんてばかばかしい!老後は生活保護に頼った方が楽だ」という考えを持っている人の声をよく耳にしますが、生活保護を受給する以上、ゆとりある第二の人生とは無縁の苦しい毎日を送らなければなりません。

働きたいのに働けない、高齢者に雇用の機会を

平成20年度の内閣府の調査では、60歳くらいで仕事を辞めたいと思っている人はわずか1.3%という結果でした。

65歳まで働きたいと考えている人は19%、70歳までと答えた人は26%、「働けるうちはいつまでも」と答えた人は実に40%にのぼります。

働くことで生きがいを感じたい、身体の衰えを防止するため、といった様々な理由が挙げられますが、やはり一番の理由は収入であり約半数を占めました。

このような現状を踏まえ、佐賀県では2014年4月より高齢者の就職を支援する「70歳現役応援デスク」を設置することを決定しました。

佐賀県町内の「しごと相談室」に応援デスクを設け、新年度より求人開拓の体制を強化したいという意向です。

国勢調査や国立社会保障・人口問題研究所では、県の生産人口(15~64歳)は、2010年は51万7千人だが、40年には約70%の36万人まで減少するとの予測をしています。

2014年度は、Uターンなどの就職者20人に加え、高齢者30人の就職を目指しており、県雇用労働課では「70歳以上の人も歓迎。元気な高齢者の活躍を推進したい」としています。

定年後も健康で生きがいを感じながらいきいきと働ける場の提供が求められており、全国で高齢者雇用の機会を増やそうという動きが広まっています。

生活保護を受ける前に、知っておきたい4つのこと
生活保護の受給条件とは?
生活保護ってどのくらいもらえるの?
どうやって生活保護を申請すればいいの?
“生活保護のメリットとは?