生活保護ガイド

横浜市 低所得世帯応援。来年から家賃補助。母子家庭生活保護率の減少につながるか?

生活保護世帯の中でも母子家庭世帯が増加しています。厚生労働省の「全国母子世帯等調査」でも1人親世帯の低所得による厳しい暮らしが浮き彫りに。

そんな中、神奈川県横浜市では、低所得の子育て世帯に向けた賃貸住宅100戸を認定して仲介し、最大4万円の家賃を補助する事業を始めるとのことです。来年1月から募集を始め、3月の入居を予定しています。

横浜市内在住または横浜市在勤の小学校卒業前の子どもがいる世帯で、世帯月収21万円以下が対象です。小児科や小学校、公園などに比較的近い民間の賃貸物件100戸を選んで認定し、仲介するので母子家庭の方にとっても安心。最長6年間、収入に応じて家賃の25~40%(上限4万円)を補助するそうです。

低所得の母子家庭の世帯で生活保護を受給出来なかったり、生活保護を申請する前にこの横浜市の家賃補助事業を利用できれば、横浜市の生活保護の母子世帯の受給率の減少につながるでしょう。

神奈川県横浜市住宅整備課によると、小さな子どもがいるという理由で、賃貸住宅への入居を拒否されるケースは多く、横浜市の市営住宅への入居も、一人親世帯で約32倍、未就学児がいる世帯で約28倍と、入居が難しい状態だそうです。詳しい問い合わせは横浜市住宅整備課(045-671-4121)へ。

近年増え続ける生活保護の現状を見ると、近年の厳しい経済・雇用情勢の下で、1995(平成7)年以降急激に増加し、2003(平成15)年度には生活保護受給世帯数94万1千世帯、生活保護受給者数134万4千人、生活保護率10.5%となりました。
さらに、今年6月には、生活保護受給世帯数が211万人超えという現状です。

世帯類型別では、高齢化の影響により高齢者世帯、特に高齢者単身世帯が増加していますが、上でも述べていますが、母子世帯やその他世帯(50歳代単身者等)についても増加。

母子家庭の生活保護受給率
厚生労働省の「全国母子世帯等調査」では、母子家庭の14%、父子家庭の8%が生活保護を受給しており、その背景には雇用情勢の悪化や非正規雇用の増加などが打撃になっているとのことです。
また、母子家庭の生活保護の受給率は、2006年の(9.6%)と比べて、1.5倍になっています。父子家庭は調査が始まって2回目ということもあり、対象者数が少ないため単純比較は難しいということでした。(全国母子世帯等調査はほぼ5年に1度)

母子家庭の就業状況
一人親家庭の就業状況も2006年の全国母子世帯等調査と比べて悪化しています。「働いている」割合は、母子家庭で4ポイント減って81%、父子家庭で6ポイント減の91%となっています。
働いている場合でも、母子家庭は「パート・アルバイト」が、前回から4ポイント増えて47%になる一方、正社員は3ポイント減の39%です。父子家庭も正社員は前回の72%から67%に減っています。

母子家庭の年収状況
母子家庭の10年の平均年収は291万円で、子どもがいる全家庭の平均年収の44%程度。父子家庭の平均年収は455万円で、69%にとどまっています。母子家庭の6割は、父親からの養育費を一度も受け取ったことがなかったとのことです。

また、生活保護を受給している母子家庭の母親の親も生活保護を受給していた世帯は、2007年の調査で41%。その中でも、母親が強いストレスによる精神疾患を患っている母子世帯は約3割に上っています。ほとんどがDV(配偶者間暴力)、児童虐待などの貧困要因を複数抱えているとも判明。
生活保護が親から子へ引き継がれる世代間連鎖は約3割。「健康面での生活支援も必要だ」と指摘されています。

母子家庭の貧困は、所得の低さだけではなく、そういった複合的な不利の連鎖を伴って現れることが少なくありません。特に生活保護制度は、このような多くの問題を抱えて働けない時に、初めて対応するといった実態もあります。生活保護の実施に当たっては、児童相談所や保健所、病院、司法関係者などとの連携が不可欠であるという意見も。

横浜市生活保護の申請方法
横浜市生活保護支給額