生活保護の方の賃貸物件の探し方と契約の流れ

生活保護を受ける方が賃貸物件を探す場合、「保証人が居ない」「借りられる部屋はあるのだろうか」「入居審査に通るのか」など、不安を感じることも多いと思います。
いろいろ考えてしまうと、不動産に問い合わせするの少し勇気が必要ですよね。

生活保護でも部屋を借りることはもちろん可能です。
しかし、生活保護を受給されている方が賃貸物件を探す時は、通常とは少し異なる流れで進めることになります。

慣れない手続きで戸惑うことがあるかもしれませんが、生活保護を受給していてこれから部屋を探そうとしている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

生活保護を受けてどれくらいの家賃の物件に住める?

生活保護受給者になると、自治体ごとに決められた住宅扶助が家賃分として生活保護の方に支払われます。
限度額が決まっていて、その金額以内の家賃分が支給されることになります。

敷金・礼金・仲介料や転居費用・火災保険料などは別途扶助があります。
注意点は、「共益費や管理費は住宅扶助には含まれない」ことです。
住宅扶助を大きく超える部屋を借りると住宅扶助以外で支払う必要がありますので、生活が苦しくなる可能性があります。
気をつけるようにしましょう。

各地域別における住宅扶助基準額の例

級地 1人 2人 3人~5人 6人 7人以上
北海道札幌市 1級地-2 36,000円 43,000円 46,000円 50,000円 56,000円
秋田県秋田市 2級地-1 32,000円 38,000円 42,000円 45,000円 50,000円
山形県米沢市 3級地-1 35,000円 42,000円 46,000円 49,000円 55,000円
福島県郡山市 3級地-1 30,000円 36,000円 39,000円 42,000円 47,000円
福島県本宮市 3級地-2 33,000円 40,000円 43,000円 46,000円 51,000円
栃木県足利市 2級地-2 32,000円 38,000円 41,000円 45,000円 49,000円
神奈川県横浜市 1級地-1 52,000円 62,000円 68,000円 73,000円 81,000円
岐阜県大垣市 2級地-2 32,200円 39,000円 41,800円 45,000円 50,200円
兵庫県姫路市 1級地-2 38,000円 46,000円 49,000円 53,000円 59,000円
香川県高松市 2級地-1 37,000円 44,000円 48,000円 52,000円 58,000円
長崎県佐世保市 2級地-2 32,000円 38,000円 42,000円 45,000円 50,000円
沖縄県沖縄市 3級地-1 32,000円 38,000円 42,000円 45,000円 50,000円

参照:生活保護の総合情報サイト

※2019年現在

※面積やご事情により地域の基準額が異なることがあります。
詳しい家賃補助額の詳細はお近くの社会福祉事務所でお尋ねください。

生活保護を受ける方の賃貸借契約手続きの流れ

(1)役所に相談し、住宅扶助の許可をもらう

役所に赴き、ケースワーカー(相談員)に相談し、不動産会社との契約について許可をもらう必要があります。
役所の許可が降りることによって、転居に必要となる契約費用や家賃額等の了承を受けることができます。
不動産会社に足を運ぶ前にまずは役所に相談しましょう。

(2)不動産会社で物件を探す

生活保護を受給していることを伝えて物件を紹介してもらい、内覧などして入居先候補を決めたら、物件情報の詳細や初期費用などの見積もりを出してもらう。

(3)ケースワーカー(相談員)に報告

物件情報と見積額を報告し、了承をもらいます。

(4)入居審査を受ける

大家さんや管理会社による審査を受けます。

(5)契約の日程を決定し、契約をする

ケースワーカーに初期費用が整う日を聞き、それに合わせて賃貸契約日を決め、初期費用を受け取りに行き、契約を済ませます。
契約書と費用に支払った領収書をケースワーカーに提出します。

(6)引越し会社を決める

引越し費用の見積もりを複数社からとり、ケースワーカーに提出します。
一番安い業者に依頼することをケースワーカーに証明する必要がるため、全ての見積もりを提出します。

(7)引越し

引越し費用をケースワーカーから受け取り、引越しを完了させ、引越し費用の領収書をケースワーカーに提出します。

この様に、事あるごとにケースワーカーに報告し許可をもらわなくてはならないのが、煩雑な手続きと思う一番の理由ではないでしょうか。
しかし、生活保護受給の方へ賃貸契約の実績が多い不動産会社や、地域に根付いた不動産会社は、それらの手続きをサポートして個人の事情にも柔軟に対応してくれる場合か多いのでおすすめです。
また、生活保護の方が狙うべき物件は、個人経営の築年数の経っている小さなアパートやマンションです。
そのような物件の情報は、大手の不動産会社より、地域密着型の不動産屋さんのほうが豊富に揃っているでしょう。

よくある質問 Q&A

Q. 保証人がいない場合でも、部屋を借りることが出来ますか?
保証人が必要ない物件もございますので不動産会社にご相談下さい。
また、保証会社を利用することも出来ます。
保証会社に支払う保証費用も扶助の対象となりますのでご安心ください。
Q. 入居申し込みや審査に必要な書類は?
必要書類は「本人が確認できる身分証明書・生活保護受給証明書」が最低限必要です。
生活保護受給中の方は健康保険証がありませんのでパスポートか免許証をお持ちでない方は、住基カード(住民基本台帳カード)を作っておくと良いでしょう。
また、ご事情により別途書類が必要になる場合もあります。
Q. 役所などの手続きの代行は行っていないのでしょうか?
役所やケースワーカーとの手続きは必ず本人が行う事が条件となっています。
Q. 受給が確定している状態でも審査に落ちる場合はありますか?
ご入居の審査は物件オーナー、管理会社のご判断になりますので受給が確定している場合でも審査に落ちるケースはあります。
Q. 引っ越し業者の見積もりを数社からとるのが大変
引っ越し一括比較サイトを活用すれば、1度で複数の業者の見積額がわかり、一番安い業者が見つかります。
それぞれのサイトごとにお得な特徴がありますので、一番自分に合ったサイトを選んでみてください。

【SUUMO引越し】引越し業者の費用相場を比較
Q. 対象外となる費用には何がありますか?
管理費・共益費、鍵交換代、クリーニング代、事務手数料は一時扶助の対象外になり、実費の負担になるのできちんと確認しましょう。

まとめ

生活保護を受けながら賃貸に引っ越しをする条件や手順を見てきました。
大変な部分もありますが、順序良く確実に進めて行くことが何より大切です。
ケースワーカーさんなどの力を借り、より良い生活にしていきましょう。