母子家庭で生活保護を受けるには母子家庭で生活保護を受けるには

母子家庭で生活保護を利用するには

母子家庭や父子家庭などのひとり親家庭で頑張るお母さんやお父さんが、何らかの理由で生活保護を受けられるにはどうしたらよいのかをご紹介します。

生活保護を母子家庭で受ける「条件とは」

資産の活用 - 生活保護母子家庭受給条件
母子家庭でも生活保護を受ける前に、利用できる資産があれば売却するなどの方法で生活費に充てることが優先されます。(資産の例:土地不動産・預貯金・生命保険・自動車など。)
能力の活用 - 生活保護母子家庭受給条件
生活保護を利用する前に、母子家庭のお母さんが働くことが可能であるなら、その能力に応じて働くことが求められます。働いても生活苦の場合には、生活保護費から働いて得た収入分を引いた金額が支給されます。
扶養義務者からの扶養の活用 - 母子家庭生活保護受給条件
母子家庭のお母さんが生活保護を利用する場合、申請する前に元夫やご両親、成人されているお子さんやご兄弟姉妹、またはご親戚などから、できる限りの援助をお願いすることを求められます。例えば、元夫からの養育費はないのか、または養育費の支払いをお願いできないかなども確認されます。
他の制度の活用 - 母子家庭生活保護受給条件
生活保護制度以外の他の法律や制度による給付がある方は、それを優先して受給し生活費に充てることが求められます。(母子家庭で受けられる生活保護以外の給付の例:雇用保険・健康保険・各種年金・児童扶養手当・高齢福祉手当・身体障害者福祉手当など。)

生活保護を母子家庭で受ける「申請方法」

生活保護母子家庭申請方法
  • (1)まずはお住まいの地域の社会福祉課へ生活保護を受けたいと相談へ行きます。その際に母子家庭世帯で、生活苦であることなど理由を伝えましょう。
  • (2)母子家庭で生活保護を受ける際に必要になる申請書類を提出します。
    (収入申告書・資産申告書・資産や収入の状況について関係機関に報告を求めることに同意する旨の同意書など)
    ※母子家庭の方は、養育費があれば振り込みが確認できる通帳や児童扶養手当証書などの提出も求められてもいい様に準備しておくと良いでしょう)
  • (3)福祉事務所の職員による家庭訪問での調査があります。母子家庭のお母さんとお子さんがどのような生活をしているのか?など事細かに質問される場合もありますが、正直に質問に答えましょう。
    ※母子家庭世帯の場合、元夫である方やあなたのご家族等に援助ができないかどうか確認の連絡がいきますが、これも母子家庭で生活保護を受給するためと考えるようにしましょう。
  • (4)調査後、各福祉事務所で審査が行われ、生活保護が受理されたか否かの通知が郵送されます。生活保護の申請から約2週間~遅くても1ヶ月ほど待ちましょう。
  • (5)母子家庭世帯での生活保護が受理された場合は、再び福祉事務所へ行きます。生活保護費を直接受け取るか口座入金にするか決めます。生活保護手続きの日にちが月の途中の場合は、日割りで給付してもらえます。

生活保護を母子家庭で受ける「保護費支給額」

  • ■生活保護は、お母さんとお子さん個別ではなく、母子家庭世帯1単位での生活保護費の支給になります。
  • ■生活保護費の受給額は、お住まいの地域や母子家庭世帯の人数によっても異なってきます。それは、その地域の物価や地価などが違うためです。それぞれの地域に「級地」という生活保護制度における「生活保護基準」が定められており、もらえる生活保護費に差ができます。
  • ■生活保護費は、級地や母子世帯の状況に応じた「生活保護基準」と生活保護を受給する母子家庭世帯全体の収入を比べて不足する部分を、あなたの世帯の生活保護費として支給されます。
母子家庭生活保護支給額
  • ※母子世帯の収入とは、お給料、恩給、養育費、年金、各種手当て、仕送り、財産収入、預貯金、保険、不動産売却収入等で、母子家庭世帯全体(母親と子どもの両方)の収入を含みます。
級地 標準3人世帯
例:33才、28才、3才
高齢者単身世帯
例:67才
高齢者夫婦世帯
例:68才、66才
母子家庭世帯
例:33才、5才、3才
北海道札幌市 1級地-2 152,117円 73,590円 115,882円 186,207円
秋田県秋田市 2級地-1 147,355円 69,530円 112,190円 179,730円
山形県米沢市 3級地-1 140,983円 66,640円 107,249円 171,887円
福島県郡山市 3級地-1 140,983円 66,640円 107,249円 171,887円
福島県本宮市 3級地-2 137,851円 65,200円 104,787円 168,819円
栃木県足利市 2級地-2 147,335円 69,530円 112,190円 179,730円
神奈川県横浜市 1級地-1 156,985円 76,880円 119,916円 191,010円
岐阜県大垣市 2級地-2 147,355円 69,530円 112,190円 179,730円
兵庫県姫路市 1級地-2 152,117円 73,590円 115,882円 186,207円
香川県高松市 2級地-1 147,355円 69,530円 112,190円 179,730円
長崎県佐世保市 2級地-2 147,355円 69,530円 112,190円 179,730円
沖縄県沖縄市 3級地-1 140,983円 66,640円 107,249円 171,887円

参照:マネーファクト

※2021年10月現在

※児童養育加算、母子加算のみ金額加算。
※試算結果は保護費の目安です。決定額ではありません。
詳しくはお住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当までお問い合わせ下さい。

生活保護を母子家庭で受ける「扶助の種類」

  • 生活保護母子家庭 - 生活扶助
  • 母子家庭生活保護 - 住宅扶助
  • 生活保護母子家庭 - 教育扶助
  • 母子家庭生活保護 - 医療扶助
  • 生活保護母子家庭 - 介護扶助
  • 生活保護母子家庭 - 出産扶助
  • 母子家庭生活保護 - 生業扶助
  • 生活保護母子家庭 - 葬祭扶助

生活保護の扶助(1)母子家庭世帯で受けられる生活扶助

生活保護の生活扶助とは、生活保護を受給されている母子家庭世帯のお母さんとお子さんが日常生活をしていく上で必要な費用のこと。つまり生活扶助で支給される金額があなたの生活資金になります。
生活扶助は、1種と2種に分類されて毎月金銭での支給になります。

(1)食費などの個人的費用で、生活保護を受給している母子の方が共に生活をする上で使う費用です。
(2)水道光熱費等で、生活保護母子家庭世帯のお母さんとお子さんが共通して使う費用を合算して算出されます。
   母子家庭世帯は、母子加算等もあります。

※ 一時扶助・・・生活扶助のうち一時扶助というものがあり、母子家庭生活保護世帯の中で、入院されている方がでた場合、入院中にかかるタオルやパジャマ、病院の売店で購入したときの費用にあたります。こうした一時的に必要になる経費を一時扶助という形態で支給してもらえるので、母子家庭世帯にとっては助かる扶助になるでしょう。

生活保護の扶助(2)母子家庭における住宅扶助とは

生活保護の住宅扶助とは、賃貸アパートなどの家賃や、引越しにかかる敷金礼金、契約更新時の費用、家屋の修繕費などの費用にあたります。転居の際は、共益費(管理費)、火災保険代は出ませんが、更新時にかかる更新料、火災保険代、保証料は支給されます。もちろん上限はありますが、必要な場合に、金銭支給になります。

  • ※アパートの家賃を除いて、引越しや更新時など住宅扶助が必要になった場合にあなたが勝手に行ってしまうと、住宅扶助適用にならない可能性があるので、必ず事前に生活保護担当員に相談しなければならないので注意してくださいね。

生活保護の扶助(3)母子家庭で受けられる教育扶助とは

生活保護の教育扶助とは、義務教育中のお子さんを扶養している方に支給されます。
学校給食費や、修学旅行の費用、学用品費などが当てはまります。

※学校給食費は毎月金銭で支給されますが、修学旅行費や教材費は必要になった場合に支給を求める形になっています。

※母子家庭世帯では、就学援助制度等の併用はできなくなっている場合があるので、生活保護を受けると生活保護の方から学校へ直接支給になります。(地域により異なる場合があります。)また申請の際など聞かれると思うので確認をおすすめします。

母子家庭での生活保護・教育扶助費教育扶助費について詳しくはこちら

生活保護の扶助(4)母子家庭世帯受けられる医療扶助とは

生活保護の医療扶助とは、生活保護世帯の方が医療機関にかかる場合にお住まいの地域の福祉事務所に相談をし、金銭ではなく「医療券」を発行してもらい、その「医療券」で受診できるというものです。病院は国(市町村)で指定されている病院になりますので生活保護担当の職員に確認すると良いでしょう。
医療扶助支給の対象となるのは、病院での診察と治療にかかる費用、病院に通う交通費、治療に要する材料(眼鏡やコルセットなど)の費用です。医療扶助で眼鏡を作る方法について詳しく見る。

  • ※生活保護受給者の方の申請以外で、医師による「医療券」の申請がある場合がありますが、福祉事務所に医師が病名や治療にかかる期間などの報告をし、申請が受理されると治療に要する期間の「医療券」を発行してもらえます。

生活保護の扶助(5)母子家庭世帯での介護扶助とは

母子家庭で受けられる介護扶助とは、生活保護を受給しているお母さんまたはお子さんが「要介護」「要支援」の基準を満たしている場合に適用となります。
医療扶助と同様、金銭での支給ではありません。
介護扶助をうける場合は、「要介護認定」が必要となるので、「要介護認定申請書」と「介護保険証」を介護保険課に提出し申請手続きをします。

その後、家庭訪問、主治医の診断の基、介護認定審査会で「要介護度」が認定されます。申請日から1ヶ月程度で認定通知が郵送されます。「要介護」が認定され、指定の居宅介護支援業者とケアプランを作成し、要介護認定通知書と共に生活保護の担当員に提出すると様々な介護制度が受けられるようになります。

生活保護の扶助(6)母子家庭で受けられる出産扶助とは

生活保護の出産扶助とは、母子家庭世帯のお母さんまたはお子さんが相手の方と結婚しないでいた出産する場合、出産時にかかる費用です。定めらた範囲での金銭での支給となります。母子家庭のお母さんが妊娠した場合、相手の扶養や結婚の有無、同居の有無など再調査が入る場合がありますので、きちんと報告しましょう。
※入院助産制度という児童福祉法の制度もあり、それを活用している方も多いようです。

生活保護の扶助(7)母子家庭で受けられる生業扶助とは

生活保護の生業扶助とは、母子家庭世帯のシングルマザーが就労に必要となる技能や資格などを修得する場合にかかる費用を金銭で支給されるものです。お子さんがまだ小さいシングルマザーですと、働きながらの子育てとなるのでひとり親世帯を支える就職支援等も利用することをおすすめします。

生活保護の扶助(8)母子家庭で受けられる葬祭扶助とは

生活保護の葬祭扶助とは、生活保護を受けている母子世帯の中で亡くなった方が出た場合に適用され、定められた範囲で金銭での支給となります。死亡確認の費用、ご遺体の運搬、火葬費用、納骨費用などが当てはまります。