生活保護ガイド

生活保護 不正や生活保護費の浪費「告発」  

生活保護を受給している方の方が、最低賃金で働く低所得者よりも高い生活保護費をもらい、裕福な生活をしているという状態は、もうすでに皆さんもご存じのことと思います。
生活保護を受給しているにもかかわらず、頻繁に外食をしたり、酒盛りをしたり、高価なブランド品ばかり持っているなどの派手な生活態度をする受給者も、実際目にしていることでしょう。

そういった生活保護費で派手な行動をしているのを見て、あまりにも見ていられず「不正受給かもしれない」と、実際に通報される方も全国的に増えています。

そもそも不正受給は、生活保護者のご近所の方の通報や、知人からの密告、または同じ生活保護受給者仲間からの密告によって、発覚するものが多いといわれています。
しかし、一度の通報で役所が調査に動いてくれるケースが少ないので、不正が減らない要因でもあり、通報する方にとってももどかしいところです。

そして不正受給にはならないまでも、誰が見ても生活保護費で派手な生活をし、娯楽や賭け事に使うことは決して良いことではありません。生活保護費を何に使おうと勝手だという意見もあります。それについても議論はされていましたが、先日下記のような条例が成立しました。

生活保護の不正「告発」条例が成立

3月27日兵庫県小野市において「市福祉給付制度適正化条例」が市議会で可決、成立しています。
その内容は、「生活保護費や児童扶養手当をパチンコや競輪などの娯楽などに浪費している受給者の情報提供」を市民に求めるものとなっています。(施行開始4月1日)

しかし、不正受給や派手な浪費についての通報や情報提供を「市民の責務」とはしていますが、罰則規定はありません。
逆に、生活に困窮しているのに生活保護を受給していない方を見つけた場合も、市民に情報を求めています。

生活保護受給者の生活実態の調査へ

さらに小野市は生活保護の不正告発をするために、条例施行後は警察OBら2人を適正化推進員に採用し、受給者の生活実態をきちんと調査していきます。生活保護受給者の生活を調べ上げたうえで、不正な場合はもちろん、悪質な場合は保護費の支給を打ち切る可能性もあるとしています。

生活保護の不正「告発」へのプライバシー問題

27日の生活保護の不正告発条例に関しての議会では、「弱者に対する人権侵害を引き起こす可能性がある」「条例で生活保護への関心が高まる」などの意見が出されています。

しかし正当に生活保護を受給し、保護費の使い方の浪費や生活態度が派手ではないならば、調査されても何も問題はないのです。
そもそも生活保護受給での生活は「最低限度の生活」が求められるので、不正をしていたり、パチンコなどの娯楽に浪費することなどは、調査されるに値します。

さまざまな意見もありますが、小野市の生活保護の不正告発のための今回の条例は、賛成多数で可決したのは言うまでもないでしょう。

生活保護受給者のプライバシーをどう守るか?

今まで国が明示していないということもあり、生活保護費の適正な使い方にまで踏み込んだ内容となっていることから、不正受給告発のためとはいえ、この条例の運用については告発や調査される受給者のプライバシーをどう守るかという問題が残っています。
また、正当に生活保護を受給している方や、最低限の生活をしている受給者も守らなければなりません。
その両方のプライバシーをどう守るのかが、今後大きな課題となっています。

今回は兵庫県小野市での条例でしたが、不正受給が多い地域にもこういった生活実態に踏み込んだ取り組みが広がっていくと良いのではないでしょうか?
本当に生活保護を必要としている方だけの、制度になるにはまだまだ程遠いですが、不正や生活態度の悪化を少しでもなくしていけることに期待します。

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