総選挙に向けて「生活保護費の見直し案」が広がりつつあります。
日本未来の党が結成され、中学卒業までの子どもに年間31万2千円の手当を支給、一部を「子育て応援券」とし家庭に配布することを、12月2日に正式に発表するとしています。卒原発意外にも、そんな女性や子どもが生活しやすい社会の構築を目指す日本未来の党ですが、生活保護費見直しに対してどう考えるのか具体的に発表にはなっていないようです。生活保護費見直し案では今のところ、特に、自民党と日本維新の会が導入を明記している「生活保護費の現物支給」が問題となっています。
自民党は、時期衆議院選挙の公約で、生活保護費への対策として「食費代わりに食事用回数券の配布を想定し、現物給付の導入をマニフェスト(政権公約)に盛り込む見通し。」と報じられています。
生活保護受給者の食事分として、最低限のものを支給しているため、生活保護費の削減が可能になるという発想で、支給される生活保護費の1割カットや不正受給への厳しい対処も含め、政権公約の「完成版」に明記されるようです。
自民党の「生活保護に関するプロジェクトチーム」座長の世耕弘成参院議員は「現物給付は生活保護受給者の心理的なハードルになり、生活保護からも自立を促すことになり、貧困ビジネス減少にもつながる」と強調しています。
また、橋下徹大阪市長が代表に就く「日本維新の会」も新党の綱領に生活保護費の現物給付の導入を明記。生活保護受給者の間では「安心して暮らせなくなるのでは」との不安感が広がり、厚生労働省も「差別を助長する恐れがある」と難色を示しています。
一方、民主党には現時点で、生活保護費の現物給付を主張する動きは見られません。
結局、食費も医療費同様、現物支給が実現になれば、生活保護費に占める食費の割合を減らすことを可能にさせるという狙いです。
しかし、現物支給(食事用回数券)に関して、自治体職員は「現物給付をしても年金や給料をこっそり受け取る不正受給は防げず、生活保護受給者にもメリットはない」と言い切っているようです。
さらに、厚生労働省幹部は「食券は転売された場合、不正受給の温床となり、食事用回数券の導入にも多大なコストと時間がかかりそうだ」という意見もあり、現物給付には否定的です。
生活保護問題対策全国会議は6月、他団体と共に「現物給付などの改革案を批判する公開質問状」を自民党側に提出したが、回答はないとのこと。事務局長の小久保哲郎弁護士は「弱い者をいじめて人気を取ろうとの意図を感じる。本当に必要なのは社会保障の底上げでは」と疑問を呈しています。
日本未来の党が掲げる、「活子ども・女性」「守暮らし」を実現するためにも、生活保護が基軸となり、下支えする社会の構築が大切であるとの意見も。日本未来の党は、生活保護費問題にどのような具体策を出してくるのか期待したいところです。