離婚や死別など、母子家庭になる理由はさまざま。突然の環境の変化で、まず住むところに頭を悩ませるシングルマザーも多いでしょう。そんなとき、知っておくと選択肢が広がる母子家庭の住宅支援についてご紹介します。子どもと、あなた自身が落ち着いて暮らせる環境を整えましょう。
母子家庭で住むことができる公営住宅
あなたは、住むところに困っている人のために建てられた公営住宅をご存知でしょうか?民間の住居とは違い、入居するにあたって、様々な申し込み資格が必要になります。例えば母子家庭であったり、生活保護を受給している方や、体に障害を持った方や、高齢者が優先的に応募することができます。
お子さんと一緒に住むお部屋を探そうと思うと、どんなに安いアパートを借りても最低でも月3万円以上の家賃が掛かってしまうでしょう。幼いお子さんを抱えてなかなか働きに出ることができず、収入の少ないシングルマザーにとっては、家賃も大きな負担になります。そんなとき、公営住宅で入れるお部屋を探してみてはいかがでしょうか?
神奈川県の県営住宅の申し込み資格の例
1.申込者は成人であること
2.夫婦(既婚者および内縁関係にあるものを含みます。)または、親子を主体とした家族であること。(単身者向け世帯は除く)
3.申込者が、申込み月の1日現在、神奈川県内に6か月以上住民登録し、居住していること。
4.現在、次のいずれかの項目に該当する住宅困窮理由があること。
- 他の世帯と炊事場、便所、浴室のいずれかを共同使用している。(親子などの別居は除く)
- 住宅が狭い。(居住部分が一人当たり4畳以下)
- 住宅用ではない建物に住んでいる。
- 家賃が高い。(居住部分が一畳あたり3,000円以上)
- 住宅がないために、親族(婚約者を含みます。)と同居ができない。
- 借地借家法に基づく正当な理由か、またはこれに準ずる理由により家主から立退き要求を受けている。
- 通勤に片道2時間以上かかる。(各交通機関の標準所要時間を用い、乗り換え時間は10分として計算します。)
- 子育てに適する公営住宅の有効期間の満了する日が5年以内に到来する。
5.入居収入基準(月収額)内であること。
6.個人の県民税及び市町村民税を滞納していない者であること。
7.県営住宅の家賃を滞納していない者であること。
8.申込者又は同居しようとする親族が暴力団員(「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」第2条第6号に規定する暴力団員をいう。)でないこと。
母子家庭の生活保護で受けられる住宅扶助
生活保護で受けられる制度の中には、住宅扶助があります。住宅扶助は、月々の家賃や引っ越しにかかる保証金や敷金、礼金、そして住宅補修の維持費が支給されます。母子家庭世帯にとっては、まず安心して暮らすことができる場所を確保することがとても大切です。住む場所がないことで頭を悩ませることが多い母子家庭世帯には、この扶助は一番助かる救いの手であるといえるでしょう。
住宅扶助で支給される月々の家賃は、それぞれの自治体によって上限が決まっています。それぞれの地域の例を見ていきましょう。※同じ県内でも、それぞれの地域の級地によって異なります。
- 福島県郡山市・・・39,000円
- 栃木県宇都宮市・・・41,800円
- 茨城県・・・4,6000円
- 千葉県・・・59,800円
- 神奈川県横浜市・・・69,800円
なお、これはあくまで住宅扶助の支給額の上限です。この家賃までなら住めるというものではなく、何人世帯であってもこれ以上の家賃には住めませんという制限であることを覚えておきましょう。
生活保護を受けている母子世帯の住宅支援まとめ
まだ幼いお子さんを育てるときに、どうしても大きな音や子どもの泣き声が近所の迷惑になっているのではないかという不安がありますよね。今住んでいる部屋では、どうしても厳しいと感じたときに公営住宅や生活保護の住宅扶助のことを知っておくだけでも選択肢は広がります。あなたと、あなたのお子さんの生活環境が少しでも良くなるために母子家庭で受けられる制度を活用していきましょう。
生活保護の申請を考えている方へ。お役立てください。
→母子家庭で生活保護を受けるには?
→母子家庭で利用できる制度とは?
→母子家庭で受けられる就学援助制度とは?
→横浜市で眼鏡をつくるには?