生活保護ガイド

ストップ!生活保護の不正受給、ホットライン開設

高齢化や経済の停滞などが影響し、生活保護の申請者は増え続ける一方です。厚生労働省によると、今年3月時点での生活保護受給者は216万人、過去最多であると発表しています。

その中で高齢者の占める割合が最も多く、74万人にも上るそうです。次いで特別な理由で就労できない方、傷病者、母子家庭という割合のようですが、216万人の受給者の中には不正に生活保護費を受給しているケースが多々あることも事実です。

生活保護の不正受給とは?

生活保護制度における不正受給とは、保護費を正しくないやり方で受給する事です。
その内訳として、生活保護費の不正受給は大きく分けて次の3つになります。

「賃金の無申告」「年金の無申告」「申告はするものの、実際より少なく申告」

例えば、パートの仕事で月に10万円以上の収入があるにもかかわらず、無収入ですと申告する。
または、高校生の子供のアルバイト代を申告しなかった。
これらの例をみてみると、不正受給の全てが悪意のあるものとは言えず、生活保護の制度自体をよく理解していないために起こってしまったケースもあるようです。

生活保護不正受給専用電話ホットライン開設

先に挙げたような生活保護費の不正受給者が多発し、行政だけの調査では不正受給者を把握しきれないのが現実です。

そこで、不正の発覚に繋がる情報を住民から募ろうと、全国の自治体で専用電話ホットラインが開設されています。

いわゆる「たれ込み」受付専用電話です。ホットライン開設によって不正が発覚し、相応の処罰を受けるケースもみられ、まずまずの成果を挙げているようです。

一方正しく受給している生活保護利用者からは、監視されているようで生きた心地がしない。やはり生活保護を受けるというのは悪いことなのか?など批判や生活保護受給の悪いイメージを助長させるのではないかという懸念の声が上がっています。また「監視社会につながる」という市民団体の声も聞かれます。

生活保護制度とホットライン、上手に関わるには?

このように、生活保護制度の公平性を保ち、守るべき人をしっかり守る。を根底に始まった専用電話ホットライン。しかし、嫌がらせや虚偽の情報を見分けることはまだまだ難しく、それによって正しい受給者が地域の目を気にするようになり、引きこもりの原因にもなっています。また、いまだ払拭できない受給者に対する悪いイメージを怖がって本当に必要な人が申請しにくくなる可能性もあります。

これで本当に守るべき人をしっかり守っていると言えるのでしょうか?

生活保護制度も、専用電話も使うのは結局「人」なのです。
生活保護制度を正しく利用するのは当然のこと、ホットライン使用においては嫌がらせや虚偽の電話をしない。正しい情報を正しく伝える。生活保護制度利用者も、利用者を取り囲む人々も、ほんの少しの心遣いを持つことによって、不正受給を減らす努力をしていきたいものです。

また、専用電話の設置より、親身になって生活の相談にのってくれるケースワーカーの充実策を優先させ、生活保護受給希望者と蜜に関わることによって、不正受給を未然に防げるのではないでしょうか?

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