生活保護ガイド

生活保護水準引き下げの影響  母子家庭、低所得者、子育て世帯どうなる?

生活保護の日常生活費となる「生活扶助」が、3年で7.3%(最大月2万円)減らされることに決まりました。
しかし生活保護受給者だけでなく、一般の低所得者にもその影響は大きく及びます。

今回の生活保護の見直しは、人気タレントの親族の受給問題などをめぐって生活保護への風当たりは強まっている中、選挙公約で1割削減を掲げた自民党の強い意向にそったものとなったといえます。


◆生活扶助が引き下げられる子育て世帯、母子世帯への影響

2013年度から段階的に減らされる生活保護の「生活扶助」の基準額は、厚生労働省による実態調査・比較の検証結果をもとに、都市部と市町村、年齢別、単身や夫婦と子ども世帯、母子世帯などに分けて示されました。

特に引き下げ額が多いのは、都市部(横浜市など)の子育て世帯、また母子家庭世帯も減額されるとのことです。
最も生活保護受給者数が多い高齢の単身世帯はほとんど変わらず、若干増える場合も。

生活扶助が減額される子育て世帯やひとり親・母子世帯に対しては、職業訓練や就労の機会を確保したり、優先的に保育所利用ができたり、働いていたとしても今以上に収入を増やすための支援が必要となります。
ただ生活保護費を減らすだけでは、さらなる生活困窮世帯が増えていくのは間違いなく、生活保護からの自立に向けたさまざまな分野での支援が重要になってくるでしょう。


◆生活保護引き下げによる低所得者への影響

そもそも生活保護の基準は、さまざまな制度と連動しており、各種給付金や負担軽減を受けられる所得基準の多くが生活保護の水準をベースに決定されています。特に子育て中の低所得者に深刻な影響が及ばないよう細心の注意が必要になります。

例えば小中学生の子どもを持つ低所得世帯では、学用品や制服代、修学旅行費などを支給する「就学援助」を受けれますが、現在は150万人以上が対象となっているのが、2013年度以降その対象ではなくなる世帯が増えるでしょう。

就学援助の他にも、地方税非課税基準、国民年金保険料、医療費、後期医療保険料、介護保険料、保育料、障害福祉サービスなどの免除や軽減を受けられる人の所得基準も下がるので、それらの制度を受けられなくなる低所得者も出てきます。
つまり、所得が増えていないのに、それらの就学援助などの援助制度が受けられないという状態になるので、生活困窮者が増えるのではないかと不安はつのります。


◆生活保護引き下げによる影響まとめ

生活保護受給しているしていないにかかわらず、子育て世帯やひとり親・母子世帯への影響が少なからず出てきます。保護費の減額や就学援助を受けれない世帯にあなたも当てはまるのでは?と不安になるでしょう。生活困窮になってしまう子育て世帯や母子世帯への他制度での特別な援助の強化など、生活を支える支援が欠かせないといえます。そして将来の社会を支える子どもたちへの影響は最小限にとどめていくことが重要でしょう。


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