生活保護ガイド

消費増税対策、生活保護引き下げから引き上げへ

4月からの消費税増税に合わせた生活保護費引き上げを決定

2013年4月から消費税が8%に増税されます。それに合わせ、厚生労働省では生活保護費を2.9%引き上げることを決めました。2013年12月下旬に決定する2014年度予算案に約300億円を計上する方針です。

今回の引き上げの対象となるのは、生活保護費のうち食費や光熱費といった生活費にあたる「生活扶助」の部分です。
生活扶助は毎年物価の動きなどを踏まえながら必要に応じて見直されてきました。最低限の生活水準を下回らないために、消費税増税にともなって物価が上昇する分の手当となります。
政府はこれまでも消費税増税に合わせて生活保護費を引き上げてきました。消費税が日本で導入された1989年には4.2%、税率が3%から5%へ引き上げられた1997年には2.2%増額しました。

生活保護費の引き上げ、安心した生活ができる?

しかし、2013年8月から、物価の下落傾向が長く続いたことによる生活扶助の減額が実施されたばかりです。2014年4月の消費税増税と重なり、世帯によっては減額分が相殺されることもあるでしょう。生活保護費の引き下げは8月から3年間にかけて、平均6.5%、最大で10%引き下げられる予定でした。今回消費税増税に合わせて生活扶助費を増額させても、3年後を見通すと生活保護費の引き下げが実施された2013年8月以前より給付額が減らされることに変わりはありません。

これでは、消費税増税に伴う生活扶助費の引き上げもぬか喜びになってしまうのでは?と感じてしまいます。また、消費税増税によって低所得者の生活はますます苦しくなり、生活保護の申請者の数は増え続けると予想されます。
政府は消費税増税で低所得者の負担が大きくなることを避けるために、一人一万円を支給する方針を固めました。 しかしこの一時的な給付があっても、消費税の負担は一生続くわけですから生活の不安の解消につながらないという声も上がっています。
「生活保護を受けている多くの人が高齢者なのだから、年金を上げるべき」
「最低賃金の引き上げをしてこそ、生活保護受給者を減らすことができるのではないか」
といった意見もあり、低所得者を手助けする制度が求められています。

生活保護の申請を考えている方へ。お役立てください。
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