生活保護ガイド

生活保護の不正受給にならないためには

既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、先月24日、大阪のワンルームマンションで母子家庭とみられる28歳の母と3歳児の遺体が見つかりました。部屋に冷蔵庫はなく、口座には数十円。部屋には「おなかいっぱい食べさせられなくてごめんね。」というメモが残されていたそうです。
ここまで母子家庭で生活に困窮しているのであれば生活保護を受けるチャンスはあったはずです。どうしてこのような悲しいことが起こってしまったのでしょうか。
この母子家庭の生活困窮のニュースを受けて、たった2%以下の生活保護不正受給によって本当に生活保護を必要としている貧困層がほとんど受給していない事実が問題視されています。
意図的に福祉事務所の目をかいくぐって生活保護を受給している人の他にも、知らず知らずに不正受給になってしまうケースもあるのです。

生活保護の不正受給とは

保護を受けている間、あなたの世帯の収入や世帯員の状況に変化があった時には、福祉事務所に速やかに届け出をださなければなりません。これらを正しく届け出なかったり、その他の不正な手段を使って保護費を受け取ることを「不正受給」と言います。

不正受給にならないために覚えておきたいこと

その1「働きによる収入を届け出る」
正社員としてはもちろん、パートやアルバイトでも労働による収入があったときには、必ず福祉事務所に届け出てください。

その2「働きによらない収入を届け出る」
年金や親類からの援助、生命保険の入院給付金など、労働によって得た収入ではなくても、必ず福祉事務所に届け出てください。

その3「資産を届け出る」
生命保険や損害保険、土地や家などの不動産、自動車や高価な貴金属類などの資産があるときには、必ず福祉事務所に届け出てください。

その4「世帯状況の変化を届け出る」
転出入、入退院、出生や死亡などによって、世帯の者が増えたときや減った時には、必ず福祉事務所に届け出てください。

その5「必要な費用は正確に申請する」
引っ越しなどの費用で、一時的に必要な生活費用は正しく申請し、使ってください。

不正受給の例

その1「働きによる収入を得ていたが、届け出がなかった」
正しく届け出ていれば受けられていたはずの様々な控除(基礎控除・未成年者控除等)が受けられなくなり、その分も含めて福祉事務所に返さなければなりません。

その2「生活保護受給中は借金をすることができないにも関わらず、知人や金融機関からお金を借りた」
借金も収入とみなされるので、すでに受けた保護費を福祉事務所に返さなければならなりません。

不正受給をしてしまうと…

不正受給を行ったときは、不正に得たお金を福祉事務所に返さなければなりません。また不正受給に対しては警察に告訴されることもあります。生活保護法では、不正な手段によって保護を受けた(または他人に受けさせた)人に対して、3年以下の懲役または30万円以下の罰金に処することが定められています。
不正受給にならないために、定められたルールを守り、羅だしい申告を心掛けてください。

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