もし自分が怪我や病気で仕事を失い、大切な家族を途方に暮れさせてしまう状況に陥った時、あなたは生活保護を申請したいと思いますか?
生活保護の窓口に訪れたとき、コワモテの男性に強い口調で「貯金を切り崩して暮らしなさい、その間に療養しながら仕事を探せばいい」などと言われてしまったら…。きっとまた相談しに行っても無駄だろうという想いが募り、ますます足取りは重くなる一方です。
こういった、生活保護の申請の相談に来た困窮者を追い払う「水際作戦」のために、多くの元警察官が雇われているといいます。
生活保護の相談に来た人を追い返すのはなぜ?
地方自治体が水際作戦をしなければならないのには、ある程度仕方のない部分もあります。地方自治体は生活保護費の4分の1を負担しています。
生活保護の受給者が増えれば増えるほど負担は大きくなりますから、相談に来た人すべてを寛容に受け入れることはできません。
生活保護の水際作戦を防ぐ付帯決議採択へ
2013年11月13日、生活保護をより厳しく取り締まる引き締め策と、生活に困る人への支援策をセットにした生活保護改正案と生活困窮者自立支援案が参議院議員本会議で可決されました。
生活保護の引き締め策として、不正受給の罰則の強化に加え、生活保護を申請した人に扶養義務のある家族がいて、扶養ができるはずであるのに応じない場合には説明を求めること。そして、生活保護受給者には就労を促す給付金制度も設けるというものです。
しかし、貧困問題の専門家から「自治体が不当に生活保護の申請を拒否する水際作戦につながる」と指摘を受けています。このため、水際作戦はあってはならないことをそれぞれの自治体に徹底的に広く知らせていくとの付帯決議を採択しました。
また、生活に困る人への自立支援案としては、生活保護には至らないものの、生活に困る人から相談を受け、自立に向けた計画を作ることなどを自治体に義務付ける内容です。
生活保護の窓口担当者も、ただ追い返すだけではなく一度申請の相談に来た人を気にかけることが求められているのです。
生活保護の申請を考えている方へ。お役立てください。
→生活保護を知ることから始めよう
→生活保護を受けるメリットとは?
→生活保護はどうやって申請すればいいの?
→どんな人なら生活保護を受けられる?