衆議院選挙も間近に迫っていきていますが、生活保護の申請に関する問題や不正受給が鳴り止まない状態が続いています。
埼玉県では、生活保護を二重に申請し、不正受給していた住所不定、無職の益子光幸被告(32)を詐欺罪で起訴していましたが、12月12日埼玉県川越署が詐欺容疑で再逮捕しました。
生活保護を二重に申請とはどういうことか、その発表によると、益子被告は既にさいたま市の生活保護を受給していたにもかかわらず、5月16日に川越市の社会福祉事務所に「仕事がない。住むところもない。」という理由で虚偽の生活保護費の申請をしています。
2回目に申請した生活保護で支給された6月からの4ヶ月分の、「生活扶助費」と「住宅扶助費」合わせて、約56万円をだまし取ったとみています。益子被告は、11月に無銭飲食をして、詐欺容疑で逮捕されていましたが、さらに同罪で起訴されました。
上記以外にも、神奈川県横浜市でも生活保護費の虚偽の申請をし、不正受給するという事件は相次いでいましたが、10月には次のような不正受給も。
神奈川県横浜市の生活保護の申請を潜りぬけ、保護費を受給しながら売春している韓国籍の73歳の女性、横浜市南区の無職、朴玉子(ぼく たまこ)容疑者が逮捕されたという事件。
横浜市の朴玉子容疑者の不正受給は、横浜市中区末吉町のラブホテル近くの路上で、私服で取り締まりに当たっていた男性警察官を売春相手として誘ったとして、売春防止法違反(勧誘)の現行犯で、逮捕に至り「生活費が足りなかった」と容疑を認めたという。
監査幹部によると、横浜市在住の朴玉子容疑者は「見た目は実年齢より若く、50歳前後には見える」と言っており、「ここまで高齢なのは聞いたことがなく、びっくりした」と話していたとのこと。
朴容疑者は、6年ほど前から売春をしており、現在では横浜市から月額約15万円の生活保護費を受給しながら、週に3、4人の客を取っていたそうです。
また不正受給とは逆に、高松市では、生活保護の申請に訪れた男性(40代)が福祉事務所の相談員から「高松市に住民票がない」ことを理由に、その時の申請を受け付けなかったということが。生活保護法では、住民票の有無は、申請や受給条件には関係ありません。
生活保護の申請に詳しい専門家によると、申請拒否は「水際作戦」と呼ばれており「全国的な問題であり、氷山の一角」と指摘されています。生活保護費削減の流れが強まる中、「生活保護を申請する前に、申請の段階で門前払いしてしまおう」といったことが広まっているのかもしれないと。
今度の衆議院選挙における、各党の生活保護への対策安に関しても、生活保護費削減と生活保護申請者・受給者の減少への対策が目立ち、財政面ばかりに偏っており、生活保護が「人権」に関わるものだという意識があまりにも薄いという声も出ています。
相次ぐ生活保護の不正受給で、多く保護費をだまし取っている受給者いる反面、本当に生活に困窮している人が申請さえも出来ない状況は、何なのか?生活保護の申請窓口である福祉事務所においても、生活保護という制度の本来のあり方を再認識する必要があるのではないだろうか?