厚生労働省のまとめで、生活保護を受けている人は去年12月で215万人を超え、 8か月連続で過去最多を更新したことが分かりました。
世帯数では、これまでで最も多かった前の月より3862増えて、 157万823世帯となりました。 その全体の43%は「高齢者世帯」が占めているほか、 けがや病気などの「傷病者世帯」が19%、 働くことのできる世代を含む「その他の世帯」が18%となっています。
生活保護費は今年度3兆7000億円に上ると予想されています。 これを受けて政府は、このうち食費や光熱費などの費用について 新年度から3年かけて総額で670億円程度を徐々に減らす方針です。
今回注目したいのは最も多くを占める高齢者世帯の増えていることです。 「年金が十分にもらえない高齢者はどうしても生活保護に頼るしかない」 と厚生労働省は説明しています。
「いざとなれば生活保護をもらうから、年金保険料は払わない」という考え方もあります。 国民年金保険料を払わない人が増えている背景には、国民年金の満額を受給するよりも 生活保護でもらえる金額の方が多いということも、一つの原因として上げられると思います。
しかし、単に年金の受給金額が生活保護の基準(最低生活費) に届かないからということだけでは生活保護は受給できません。
では、年金と生活保護を併用をするために覚えておかなければいけないことは何でしょうか?
まず生活保護は年金の受給額を引いて支給されます。 1カ月単位で計算された年金は収入として認定されます。 老齢・障害・遺族年金を受給してもその差額分で生活保護は支給されます。 ですのでこれが基準を超えた場合は支払いが行われません。
また、最低生活費を一月分の年金額が超えない限り廃止になりません。 生活保護は最低限かかる費用から収入として認定された額を差し引いた額が支給されます。
そして生活保護を受給するには審査があり、その後の暮らしにも制限があります。 財産や貯金、車や生活に最低限必要ではない家電などは手放すことになります。
生活保護を受けるにはさまざまな条件を満たさなければならないことや、 制度について知っておくべきことがあります。 生活保護受給者が増加していることが問題視されていますが、 不正に生活保護を受けている人の管理と、 年金制度とリンクした対策が必要との指摘もあがっています。