明日開かれる12月4日の衆議院議員選挙公示が直前となっていますが、各党は続々と公約を公開し始めています。生活保護制度はどうなるのか?と生活保護受給者や、これから生活保護を考えている方などは、大変不安な日々を過ごしているでしょう。
そこで、今回は、公開された政党の生活保護に関する公約(準備段階のもの含む)をご紹介します。
まず、自民党(自由民主党)は、不正受給へ厳格に対処し、高齢者も含め就労困難者と就労可能者に対しては別途の仕組みを検討するとしています。生活保護費の給付水準10%削減を目指し、現物給付も。「生活保護の手当てより仕事」という公約にまとまっています。
日本維新の会は、低所得世帯との不公平を是正し、自民党と同様に現物給付化。また、医療扶助の自己負担制を導入し、現役世代に対しては自立支援策の実践の義務化を挙げています。負の所得税・ベーシック・インカム的考え方を導入するとの考えのようです。しかし、ベーシックインカムそのものの導入ではなく「資産・所得制限のある年金制度」と「現物支給中心の生活保護」を導入するとしています。
みんなの党は、基礎年金・生活保護を統合し、「ミニマム・インカム」制度にするとのこと(ベーシックインカムとは異なり、全国民に無条件で現金を支給することは記載なし)。また、長期失業者には職業訓練・生活支援手当・医療保険負担低減・住宅確保を挙げています。
これまでの民主党政権では生活保護受給者は2割増の約213万人に達しましたが、今回の衆院選の公約で、民主党は「格差是正」を明記しています。若者雇用を促進し、環境や介護などの分野で2020年までに400万人以上の雇用を創出することを打ち出しています。これに対し自民党は、ハローワークの機能を強化し、若者や女性、高齢者の就労支援を積極的に進めると訴えています。他の各党も雇用重視を公約に盛り込んでいます。
生活保護に関する以外の問題でも、「就労支援の強化」はどの政党でも重視され、それが実現すれば、失業者や生活保護受給者の増加という大きな流れを食い止めることができるのではないかと考えられていますが、格差にあえぐ方たちや、生活保護受給者の方たちに、どこまでアピールできるかは不透明だという意見も。