ホームレスの方は、その呼ばれ方の通り住所がありません。したがって生活保護は受けられないと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、実際は違います。
ここでは、ホームレスの方はなぜ生活保護を受けられるのに受けないのかについて特筆します。
「知らない・申請しづらい・集団生活は嫌」生活保護、ホームレスの実態
結論から言えば、ホームレスの方は住所が無くても生活保護を受けることができます。
しかし、それをせず路上で生活している理由として以下の3つが考えられます。
- 1、生活保護の制度がある事自体を知らない
- そもそもの問題で、社会制度に関する知識がない方がこれにあたります。
しかし、厚生労働省が発表した「ホームレスの実態に関する全国調査報告書(P57)」を見ると、全体でその割合はわずか3.3%と思ったよりも低いのが現状です。 - 2、生活保護制度は知っているが、自分は利用できないと思っている
- この勘違いが一番多く、52.6%と全体のおよそ半数を占めています。生活保護制度についての知識がないために、本来受けられる支援を受けられていない、という事のようです。
- 3、自立支援センターや、更生施設での集団生活が嫌
- ホームレスの方が生活保護を受給すると、主に以下の2つの支援施設へ入所することになります。
しかし、その施設の生活環境、特に衛生面が劣悪であったり、そのほとんどが一般的に考えて無理な人数での相部屋で、さらに規則が厳しいなどが理由の一つのようです。
・ホームレス自立支援施設
・ホームレス緊急一時宿泊施設
その他、少数派の意見として、「必要性を感じない」「手続きが負担、役所の世話になりたくない」「年金収入や資産があるから」などが挙げられています。
ホームレスに生活保護が受けられる事実を伝えることが必要
路上で生活しているホームレスの方々の多くは、生活保護制度についての情報がなく、何が何だか分からないから今のままでいい、といったケースもあります。
これからの支援で重要なことは、生活保護法では住民登録をしていない路上生活者でも生活保護の申請はできるということを十分に伝えていくことではないのでしょうか?
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