皆さんは「全国一斉生活保護110番」という言葉をご存知でしょうか?
これは、全国青年司法書士協議会が全国14か所で電話での無料相談を行っているもので、今年で12年目の開催となりました。
おととしから続く生活保護費の引き下げや消費税増税の影響で大打撃を受けている生活保護受給者から続々と相談の電話が寄せられたそうです。
11年連続開催で合計537件の相談|生活保護受給者の悲痛な声
無料で相談できる生活保護110番には、去年までの11年連続の開催で合計537件の相談が寄せられています。
相談内容はどれも生活保護受給者の生活に関する切実なものばかり。
次いで多かったのは、水際作戦などによる申請の困難さでありました。
- 生活保護110番に寄せられた現場の声
- 1.消費税の増税の負担が重く、生活がさらに苦しくなった。
2.これでは暮らしていけない。
3.食費を削って生活しているが、これ以上削れるところがない。
4.これからの生活が不安だ。
現場の声を行政や社会へ届けたい「生活保護110番の願い」
同協議会では、住宅扶助基準の引き下げや、生活困窮者自立支援制度の現場運用が見えてくるこの時期(4月・9月)に全国一斉生活保護110番を実施しています。
実施の目的としては、貧困に陥り、困窮する市民への支援を行う事や、生活保護などの福祉諸施策が多くの方へ正しく認知され、利用しやすいものに改善されるよう、声を挙げていく事としています。
また、生活保護110番以外にも注目したい活動があります。
福島県会津若松市の「子ども食堂」という活動ですが、全国的である生活保護110番に対し、地域密着型の生活保護受給者支援活動で、より困窮者へ密着した支援活動と言えます。
- 生活困窮世帯の子供の学習と食を支える子供食堂
- 福島県会津若松市のNPO法人「寺子屋方丈舎」の活動で、本来の目的は不登校児童の学習支援としています。
しかし、生活保護世帯などの経済的に苦しい環境に置かれている子供達も多く、満足に食事をとれないケースもあるため、学習がてら夕食を食べさせているものです。
原則、毎週水曜日の午後4時から開催となっています。
全国一斉生活保護110番や子ども食堂のような生活保護受給者もしくは生活困窮者への支援の輪は全国レベルから地域レベルまで浸透しつつあります。
これにより、生活に関して多くの不安を抱えている市民の現場の声を行政や社会へ届け、最後のセーフティネットとされる生活保護制度の劣化を食い止められるような社会へ向かっていくことが同協議会・NPO法人、ボランティアの方それぞれに共通する願いなのではないでしょうか?
生活保護について関連記事はこちら
→生活保護「冬季加算」見直しへ|どうなる?命の最終ライン→除外される子供達、生活保護引き下げで就学援助
→制度運用に懸念の声|困窮者を救う正しい運用とは?
→見つけて欲しい「生活保護を必要とする困窮者」
→シングルマザーにこそ生活保護の活用を!