静岡南署と県警警備課は昨日2月14日、静岡市駿河区曲金の無職の男(73)を生活保護を不正受給したとして、生活保護法違反の疑いで逮捕しました。
その男性の逮捕容疑は、昨年2月27日、虚偽の生活保護の申請をし、今年2月5日まで生活扶助費と医療扶助費の合わせて約100万円の生活保護費を不正受給した疑いです。容疑者は「よく分からない」などと容疑を否認しているとのこと。
その容疑者の男性は、実際は収入がある内縁の妻と同居していたにもかかわらず、申請する際にそのことを申告していなかったようです。しかし、申告しなければならないことは知っており、内縁の妻との同居が発覚しないようにしていました。
その手口とは、生活実態のない、同じ区内の別の住所を生活保護の申請書に記入し提出。
生活保護は、車がどうしても必要と認められない人以外は、処分しなければ生活保護の申請が通らないため、容疑者は申請直前に、容疑者が所有する車の名義を内縁の妻に替えていたとみられ、計画的な不正受給ということがうかがえます。
同署は、容疑者の自宅など2ヶ所の家宅捜索を行い、生活保護の不正受給とみられる関係書類を押収したとのことです。
【生活保護のあり方、許されない不正受給について考える】
生活保護の引下げなどが決まり、生活保護受給者にとっても、生活保護を受給していない低所得者にとっても今後が心配という方多いのではないでしょうか?
生活保護制度が、本当に身体に障害を持った方の生活を支える制度ならば、私たちが納めている税金が使われてもいいと思うのです。
しかし、有名芸能人の不正受給を皮切りに、それ以後も悪質な不正受給の事件は止みません。
不正受給は、不正受給している人たちの間では、「マナポ」と呼ばれています。そのくらい不正受給していることに申し訳なさなどなく、開き直りと言ったらよいのでしょうか。むしろ、不正受給している人たちは、不正受給できたこに勝ち組であるなどと思っている人が多いような状態です。
今回のような逮捕や、それに似たような不正受給で実際に逮捕されるのは、ほんの一握り。氷山の一角なのです。
そんな国の税金を使って支給する生活保護費を不正に受給し、のうのうと暮らしている人たちが後を絶たないばかりに、無駄に生活保護費を支給している実態が表には出ないまでも実態としてあるのです。
そして、そんな不正受給には、逮捕されるまでには至らないような汚い手口がたくさんあるというのも悲しいところです。例えば、健康で働けるのにもかかわらず、働くことが辛いから、苦しいからという理由で、わざわざ1人暮らしをし、外的身体障害もないのに、精神障害があるとして医療機関で虚偽の受診をし、生活保護の申請をくぐり抜ける。
精神障害は一見外からは分からないので、医療機関での診断書があれば、役所の窓口で生活保護が通りやすくなるというのは、不正受給している人たちの間では、バレるはずがないという手口です。
外見ではわからない精神障害が理由で不正受給しようとしている人たちは、いくら不正受給対策の強化をしても本当か嘘かの見分けが付き難いので、難しい問題です。
生活保護費の引下げだけでなく、本当に働きたくてもどうしても働けない外的な障害者、医療機関に入院するほど重い精神障害以外は生活保護費を全額支給しないとか、受給条件から無くすなどのことをしない限り、不正受給強化などではどこまで防げるのか?少ない収入でも精一杯働き税金や年金を納め、生活している人たちもいるのだから、どうにかそういった手口や計画的な不正受給をなくしていかなければならないでしょう。
生活保護の今後、将来的に存続していけるのか?存続していけたとしても条件や基準など厳しくなってくだろうという見方もあります。許されない不正受給者の増加によって、本当に困っている人をも申請できないような制度になるかもしれません。不正受給に悪用されないものにし、身体的障害者などの働きたくても働けない福祉的観念が強い本当の意味での手助けする制度であって欲しいと願ってやみません。
本当に生活保護を必要としている方のために・・・
(参考)
・生活保護の受給条件
・生活保護でメガネを作るには
・生活保護の申請方法