生活保護引き下げ反対の声 母子家庭に支給される生活保護費と加算額

【生活保護の引き下げが決定後、引き下げに反対の声が多数】

生活保護引き下げによるダメージは、ここ何回に渡って述べてきましたが、生活保護を受給している方だけに留まらりません。

引き下げによる一番の問題は、子育て世代で低所得者へのダメージが大きいこと。就学援助費が受けられなくなったり、住民税が非課税ではなくなったりといったことになります。
それでは、今までそれらの援助を受けその上で生活を遣り繰りしてきたものを、収入は増えないのに支出分が多くなる生活を強いられます。生活保護を受給していない低所得世帯の方も、いずれ生活保護への道を選ぶという流れも出てくるでしょう。

また、生活保護を受けていない母子家庭世帯の方にとっても、生活保護を受給している暮らしのほうが、所得が多いというのが現状ですが、いくら生活保護の引き下げが母子家庭世帯にも及ぶといっても、就学援助費やそれ以外の免除などが受けられなくなったら、母親ひとりで生活を支えている母子家庭の方にとっては、最悪極まりない困窮生活になり、生活保護を受ける母子世帯も増えるでしょう。

頑張って働けるなら働き収入を得る。それしか母子家庭世帯にとっては子どもを食べさせていく術はないように思いますが、生活保護以外の他の母子家庭が受けられる制度をフルで利用し、それでも病気になったり働けない状態になったら生活保護に頼るしかないのです。

ですから、生活保護引き下げなどしたら生活保護受給者だけでなく、低所得者、母子家庭をも苦しめ、逆に生活保護者数が増加するのでは?と想像されます。引き下げへの反対の声をもっと多く挙げ、最低賃金をアップし、働ける場を作ることが先なのではないかと政府に対して反感を抱く人たちが今後も増えてくるでしょう。


【母子家庭世帯、生活保護を受給した方がいい?】

母子家庭でも、生活保護を受けたほうが金銭面的な部分で楽になるからといって、生活保護をそう簡単に受けれるものではありません。
生活保護を受ける条件をすべてクリアしなければならないということは大前提ですが、それ以外にも多くのデメリットもあります。

生活保護を受けるには、近所でも「あそこの家は母子家庭な上に、生活保護を受けているんだって」という情報が行き渡ります。それは、住んでいる地域の民生委員が生活保護の世話をすることがほとんどだからです。
それでも、世間の目も気にせず、「生活保護を受けて何が悪い」というような精神力で受給しなければ、国の税金を貰って生活することなどそうそうできないでしょう。体に障害があり生活保護を受けている世帯は別ですが、母子家庭で生活保護を受ける方は、世間の厳しい目もあるということを知っておいたほうがいいかもしれません。

母子家庭でも母親に障害があってどうしても働くことが困難な状況だったりする場合は別ですが、それでも働き少ない収入で子どもを育てている母子家庭も少なくないのは事実です。

もちろん子育て世帯、母子家庭世帯で生活保護を受けて、そこで育った子どもは、将来生活保護を受ける割合が高いといったことが大問題となっています。

こどもは親の背中を見て育つというのは本当の話で、生活保護を受けて育った子どもは、苦労して働かなくても生活できるという考えになってしまうことが事実起きているので、今後もそういったことが懸念されているのです。

だから、たとえ一時生活保護を受給したとしても、生活保護からの早い段階での自立を目指し、どんな仕事であれ、出来る限り働いている姿を子どもに見せて育てることが大切なのではないでしょうか?


【母子家庭で生活保護の申請を迷っている方のための生活保護支給額の例】

子どもの将来は気になるけど、それでも今は生活保護を受けないと生活できないといった母子家庭の方のために生活保護費の支給額の例をご紹介します。

(例:母子世帯)母34歳、子ども7歳、9歳の場合
横浜市(1級地-1)→19万3900円
宇都宮市(2級地-1)→179,310円
郡山市(3級地-1)→164,730円

上記の生活扶助費の他に母子家庭世帯は加算額があります。
加算額(平成24年度)は
横浜市→23,260円(児童1人)25,100円(児童2人)
宇都宮市→21,640円(児童1人)23,360円(児童2人)
郡山市→20,020円(児童1人)21,630円(児童2人)

また、中学校修了前の子どもを養育している方は、15,000円加算。


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生活保護 引き下げで他制度への影響最小限に。 子育て、母子世帯の子どもに学習支援を

生活保護の基準額引き下げに伴って起きる、低所得者が利用できる他の制度への影響ができるかぎり出ないよう対応していくことを確認

【生活保護の基準額の引き下げによっての影響とは・・・】

学用品代を援助する「就学援助」の支給額や、個人住民税の非課税限度額の基準額の引き下げです。

生活保護の基準額は生活保護以外の制度でも、上記の制度のような就学援助制度や住民税の免除など低所得世帯を支える制度が受けられるか受けられないかを決める基準額にも多大な影響を及ぼします。

そのため、生活保護を受給していない低所得世帯の方でも今後の政府のあり方によっては、それらの援助制度が受けられなく、生活が苦しくなるといった世帯がでてくることが懸念されます。

これについてた田村厚生労働大臣は、「近年のデフレ傾向などを踏まえ、生活扶助を適正化するが、今回の生活保護の見直しに伴い、他の制度になるべく影響が出ないようにしたい」と述べているとのことです。

また、新藤総務大臣や下村文部科学大臣も、生活保護の引き下げによって起こる他制度への影響に適切に対応する考えを示しているとのこと。

住民税の非課税限度額については、影響が出始める2014年度以降の税制改正で対応していくようです。

また就学援助などの地方自治体が対象世帯を決める制度については、政府の方針に理解を深めた上で、判断するよう各自治体に通知を出すとのことです。

生活保護の引き下げによる影響が出始めるのは、2014年度以降ですが、生活保護受給者にとっても支給額が減ったり、また低所得者にとっても前年度まで受けれた援助制度や非課税だった住民税を払わなければならなくなる世帯が出てきます。
まだまだ不安定な状態ですが、生活扶助を下げられる分、生活保護受給者は就労支援などを利用し今より生活が苦しくならないようにしていくことが必要となるでしょう。

【生活保護世帯の子どもへの学習塾を広めて・・・】

また生活保護世帯の子どもが参加できる学習教室などがある自治体も出始めています。
将来生活保護で育った子ども達が、再び生活保護を受給した生活にならないように、学力を上げることが重要という考えから実施されています。そこに通う子どもの中には、成績が上がり学習する楽しさを見出した子どももいるそうです。

生活保護が減らされるのは主に子育て世帯と母子家庭世帯です。
将来を担う子どもに、そういった生活保護世帯の子どもが無料で通える学習塾が各自治体に早い段階で広がることを願います。


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生活保護費引き下げの影響②~最低賃金どうなる?

生活保護費の引き下げによる影響はどうなるのか?
前回の記事で、横浜市などの都市部では生活扶助が減らされる母子家庭や子育て世帯への影響を述べましたが、引き下げがもたらす影響は最低賃金にも及びます。

最低賃金は、2007年最低賃金法が改正され「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことができるようにと、生活保護との「整合性に配慮する」とされてきました。
このことからもわかるように、最低賃金と生活保護は強く連動しています

ですから、生活保護費が引き下げが実施されれば、今後どのような影響が最低賃金にもたらされるのか?生活保護を受給していない低所得者にも不安が募ります。

■事実、最低賃金は生活保護を下回る

現在の全国平均の時給は749円です。最低賃金で定められたこの時給でも生活に困窮している方が多くいるのが現状であるのに、生活保護との「整合性」を口実に最低賃金まで抑えられれば、働くことへの希望を断たれるばかりか、「健康で文化的な最低限度の生活」など出来るわけがないのではないのでしょうか?

これまで生活保護と最低賃金の整合性について、厚生労働省は「生活保護を下回らない水準」にすることだとしています。
しかし、最低賃金は生活保護を下回っている「逆転現象」になっています。最低賃金を引き上げを求める労働者や労働組合は全国どこでも時給1,000円以上の要求をかかげる運動に取り組んでおり、2007年~2012年の間に62円上げることができました。

しかし、生活保護との「逆転現象」はいまだに解消されていないのが現状。
生活保護費を少なくみせ、最低賃金を実態より高くみせる意図的計算の結果、逆転現象は減ってきているように思われていますが、生活保護費引き下げが実施されても、現実は「生活保護を受給した方が低い最低賃金で働くよりも生活が楽になる」というところは、否定できません。

実際に全労連などの最低賃金の算定を調査している団体によると、現在の最低賃金は、全国すべて生活保護の水準以下だと指摘しています。国のごまかした計算式をただし、時給1,000円以上にすることを求めて戦っている神奈川労連は、まともに計算すれば全国どこでも時給1100円以上になるとしています。

■生活保護費を引き下げないで最低賃金の引き上げを

景気回復には、増え続ける生活保護費の全体の問題はありますが、生活保護費を下げるより、最低賃金を引き上げ低所得者の生活水準をあげるべきだという声もあります。
生活保護費を引き下げることなく、最低賃金を引き上げることで、生活保護受給者にとっても低所得者にとっても健康に働いて暮らせる生活の確保ができるのではないでしょうか?
政府は、中小企業への助成策を強化し、最低賃金の引き上げをしていくことが重要だという指摘も。


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生活保護水準引き下げの影響  母子家庭、低所得者、子育て世帯どうなる?

生活保護の日常生活費となる「生活扶助」が、3年で7.3%(最大月2万円)減らされることに決まりました。
しかし生活保護受給者だけでなく、一般の低所得者にもその影響は大きく及びます。

今回の生活保護の見直しは、人気タレントの親族の受給問題などをめぐって生活保護への風当たりは強まっている中、選挙公約で1割削減を掲げた自民党の強い意向にそったものとなったといえます。


◆生活扶助が引き下げられる子育て世帯、母子世帯への影響

2013年度から段階的に減らされる生活保護の「生活扶助」の基準額は、厚生労働省による実態調査・比較の検証結果をもとに、都市部と市町村、年齢別、単身や夫婦と子ども世帯、母子世帯などに分けて示されました。

特に引き下げ額が多いのは、都市部(横浜市など)の子育て世帯、また母子家庭世帯も減額されるとのことです。
最も生活保護受給者数が多い高齢の単身世帯はほとんど変わらず、若干増える場合も。

生活扶助が減額される子育て世帯やひとり親・母子世帯に対しては、職業訓練や就労の機会を確保したり、優先的に保育所利用ができたり、働いていたとしても今以上に収入を増やすための支援が必要となります。
ただ生活保護費を減らすだけでは、さらなる生活困窮世帯が増えていくのは間違いなく、生活保護からの自立に向けたさまざまな分野での支援が重要になってくるでしょう。


◆生活保護引き下げによる低所得者への影響

そもそも生活保護の基準は、さまざまな制度と連動しており、各種給付金や負担軽減を受けられる所得基準の多くが生活保護の水準をベースに決定されています。特に子育て中の低所得者に深刻な影響が及ばないよう細心の注意が必要になります。

例えば小中学生の子どもを持つ低所得世帯では、学用品や制服代、修学旅行費などを支給する「就学援助」を受けれますが、現在は150万人以上が対象となっているのが、2013年度以降その対象ではなくなる世帯が増えるでしょう。

就学援助の他にも、地方税非課税基準、国民年金保険料、医療費、後期医療保険料、介護保険料、保育料、障害福祉サービスなどの免除や軽減を受けられる人の所得基準も下がるので、それらの制度を受けられなくなる低所得者も出てきます。
つまり、所得が増えていないのに、それらの就学援助などの援助制度が受けられないという状態になるので、生活困窮者が増えるのではないかと不安はつのります。


◆生活保護引き下げによる影響まとめ

生活保護受給しているしていないにかかわらず、子育て世帯やひとり親・母子世帯への影響が少なからず出てきます。保護費の減額や就学援助を受けれない世帯にあなたも当てはまるのでは?と不安になるでしょう。生活困窮になってしまう子育て世帯や母子世帯への他制度での特別な援助の強化など、生活を支える支援が欠かせないといえます。そして将来の社会を支える子どもたちへの影響は最小限にとどめていくことが重要でしょう。


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生活保護引き下げ 世帯によっては最大月2万円減る

◆生活扶助費引き下げについて

生活保護費のうち日常生活費にあたる「生活扶助」の基準額について、2013年度から3年間で670億円減らす方針を、1月27日に政府は決めました。(約6.5%、国費ベース)

さらに、年末に支給する「期末一時扶助金」(1人1万4000円)もカットします。(70億円のカット)

つまり、生活扶助費を総額740億円(約7.3%)減額するとしています。

生活保護費の削減は、2004年度以来9年ぶりとなり、下げ幅は過去最大と最悪な状態です。
麻生太郎(副総理兼財務相)と田村憲久(厚生労働相)が来年度当初予算について会談し、政府の引き下げ方針に合意。1月29日に閣議決定します。

生活扶助費の減額開始は8月からです。(7月に行われるの参院選への影響を考慮する為)
2013年度は221億円の減となります。


◆どのような生活保護世帯が、引き下げ幅が大きいのか?

厚生労働省の試算によれば、生活保護受給世帯の96%は保護費が減ると言われています。
71%の世帯は削減幅「5%以下」ですが、2%の世帯は「9~10%」減ります。

例えば、横浜市などの都市部では、40代夫婦と小・中学生の4人世帯の場合でみると、2015年度以降は今より2万円のマイナス。(月々の生活扶助費20万2000円)
しかし、70代以上の単身者は3000円減の7万4000円で、町村部では大きく変わらないとされています。

生活扶助基準額が一般の低所得者の生活費より特に高いのは、人数の多い子育て世帯です。
今回の削減は子育て世帯などの削減幅を大きくし、逆に単身の高齢者は削減幅を抑えます。町村部の60代は逆に1000円増になるとのこと。


◆生活保護の医療費「医療扶助」について

2013年度には医療扶助費の削減を目指します。(医療費は全額税金から負担)

以前から提案されている、安価な後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を原則とすることなどで削減します。(450億円分)


◆就職に必要な経費とされる保護費について

就職に必要な経費とされる保護費を110億円減らします。
その分を就労意欲の高い人に渡すための、新たな保護費の財源にしていきます。


◆生活保護を受けていない低所得世帯への影響について

住民税が非課税となる「所得基準」などは、生活保護の基準額を考慮し定められています。
2004年度は生活保護費を減額したことによって、住民税を払わねばならない人の「所得基準」も下がりました。
よって前の年までは住民税が非課税だった人でも、新たに課税される人が増加しています。

その件について、田村厚労相は1月27日「生活保護と関係ない人まで課税されて生活が困ることは避けたい」旨を述べたとのことです。

その他、生活保護費の引き下げによって及ぼすであろう低所得者への影響について、次号へ続く。


生活保護支給額について
生活保護でのメガネの補助について

生活保護 3年かけて最大1割削減へ。母子家庭から不安の声

1月22日、政府・与党は2013年以降の生活保護費のうち、日常生活を支える「生活扶助」の給付水準を3年程で段階的に6~7%引き下げる方針を固めました。額にして約800億円の削減予定です。

それに関して厚生労働省は、23日午前の自民党厚生労働部会で、「生活扶助」約1兆2000億円を、3年かけて最大1割削減する方針を示ししています。デフレによる物価下落分も反映させる意向で、自民党は引き下げ方針を了承

そういった生活保護費の見直し議論に、母子家庭の生活保護受給者は不安を募らせています。
社会保障審議会特別部会の報告書案では「生活保護を受けて育った子どもは、大人になった時に生活保護を受ける確立が高い」という調査から、「子どもへの貧困の連鎖防止」をあげています。
しかし、厚生労働省は高齢者世帯を除いては、生活保護費を「もらい過ぎ」という試算を出したために、母子家庭の生活保護受給者からは「国は本当に母子家庭世帯を応援しているのか」と嘆きの声があがっているとのことです。

厚生労働省の試算では、子供1人の母子家庭世帯の保護費は低所得世帯(年収120万円程度)の生活費を月額約7200円上回り、子供が増えると「もらい過ぎ」はさらに増えるそうです。
しかし、報告書案は上記したとおり、親の困窮が子どもの将来に及ぼす影響を懸念し「学習支援を行う必要がある」としています。

「生活保護を受給している方が、子どもを育てながら働いて得られる低所得よりも高い生活保護費をもらえる」と始めから分かっていて、生活保護を受給するという方も中にはいるでしょう。
しかし、全員が全員ではありません。働きたくても障害をもっていて働けない母子家庭のお母さんや、逆にこどもに障害があり介護に追われ働けないお母さんなど、本当に辛い思いをしている母子家庭の生活保護受給者も多くいます。
試算の結果、「生活保護費もらい過ぎ」といわれても、母子家庭のお母さんたちにとっては普通の教育を受けさせるための費用などにかかったり、贅沢な暮らしなどできるわけがなく、もらい過ぎなどという実感はないのではないでしょうか。

まだまだ不安がつきまとう生活保護の見直し議論ですが、母子家庭の生活保護の実態や生活保護費などについては、何回かに分けてお知らせしたいと思います。


生活保護費の支給額について

生活保護費引き下げへ。厚生労働省が生活保護見直し案公表。 一律引き下げは危険!

生活保護制度の見直し案を1月16日、厚生労働省は公表しました。
生活保護制度の見直し案において、積極的に就労活動に取り組む生活保護受給者の方には「手当」を支給し、保護費の一部を積み立て、生活保護が終了した後に受け取ることができるという「就労収入積立制度」の創設を検討するとしています。

また、これまで低所得世帯より生活保護世帯の方が生活水準が上回る「逆転現象」が問題になってきましたが、その検証結果も「社会保障審議会の作業部会」の調査により公表されました。
その検証結果に基づいて、生活保護費のうちの「生活費にあたる生活扶助」の支給しすぎを無くし適正化を図ることと、生活扶助基準の具体的な引き下げ幅については今後検討する意向を示しています。

社会保障審議会の作業部会:「低所得者の一般的な生活費より、生活保護費の支給基準額が高い」などの問題に着目し、2013年度は支給基準を5年に1度見直す年になっているので、その見直しに向け昨年10月から作業を進めている。

生活扶助の引き下げをする根拠になったものとは、「夫婦と子ども2人(4人世帯)」や「夫婦と子ども1人(3人世帯)」が、低所得世帯の一般的な生活費よりも約2万6千円も多く保護費が支給されているという結果で、生活保護を受けていない低所得世帯よりも保護世帯の方が余裕のある生活をしていることは、「最低限の生活を保障する制度上、適切ではない」という理由から、保護費引き下げへ向かうことになったとされています。

ですが、今回の作業部会の検証結果では、上記の生活保護世帯以外では、バラつきが大きく見られたそうです。
例えば、母子1人の母子家庭世帯では7,200円、20~50代の単身世帯では1,300円。夫婦と子どもの3人以上の世帯の26,000円から比べると、生活保護受給世帯間でも平等とは言いにくいです。
さらに、60歳以上の1人暮らし、夫婦2人暮らしの生活保護世帯はというと、「一般的な生活費より保護費の支給額が下回る」という結果が出ており、生活保護費を受給しているとしても、高齢者世帯は子育て世代の保護世帯からすると余裕とはいえません。

つまり、生活保護受給者の保護費支給額を一律に引き下げるということは、許されないので適正化を図りつつ生活水準のバランスを見ていかなければ、生活保護世帯の多くを占める高齢者世帯の受給者だけを苦しめてしまいかねないでしょう。

生活保護受給者や弁護士らでつくる市民団体は、「支給水準の引き下げは、健康で文化的な最低限の生活を脅かすものだ」と批判しています。
また、生活保護費が引き下げられると、保護を受けていない低所得者が「就学援助制度や介護保険の免除基準」などを受けれない人もでてくるのではないか?という意見も。

生活保護費引き下げに関しては、平等不平等の問題以外にも、他の制度との関連もあり単純にはいきませんが、生活扶助における食費での「フード券」たる引き換え券や、生活保護でも占める割合が多い医療費問題の対策案「ジェネリック医薬品の使用」などで、全体的な生活保護費の削減をしていく流れが強くなっているようです。


生活保護費支給額を見たい方はこちらをご参照ください。
(低所得世帯の生活費は平均約120,000円。今回の検証で厚生労働省が基準にした額)

生活保護でメガネって補助されるの?

母子家庭、低所得世帯の子育て支援。横浜市、家賃最大4万円補助の賃貸入居の募集開始へ

横浜市は、小学校修了前の子どもを育てていて家計の厳しい低所得世帯や母子家庭世帯に、「地域優良賃貸住宅制度要綱」で認定した優良賃貸住宅を紹介し、世帯の収入によって家賃負担を軽くするために、国と横浜市が家賃の一部を助成するという事業を始めています。最大4万円の家賃が助成されます。

横浜で認定されたその優良賃貸住宅を「横浜市子育て世帯向け地域優良賃貸住宅」(子育てりぶいん)と言います。

2012年度は100戸、2013年度は300戸増やす方針で、昨年の8月から、横浜市の各区役所で、事業案内のパンフレットを配布しています。

◇横浜子育て向け優良賃貸住宅への入居者募集について
入居者の募集は、公募(1月から開始)によって行われます。
募集は、「広報よこはま」に掲載されており、申込書は横浜市各区役所で配布

※ 新規住宅の場合は、1月に入居募集されますが、空家が出た場合(退去者があった部屋)は、住宅ごとにあらかじめ「空家待ち登録」の順位を決めておき、その順に入居のあっせんが行なわれます。(あっせんする期間は登録から1年間)

◇家賃助成金額
・子育て中の低所得世帯、母子世帯などで、世帯の月収が0円~21万4千円の場合に家賃の一部を助成。
・上限月4万円、最長6年間

(1型)世帯月収0円~12万3千円の場合→40%家賃助成
(2型)世帯月収12万3001円~21万4千円の場合→25%家賃助成
例えば単純に計算すると、家賃10万円で入居契約となり、最大家賃4万円が補助されると、6万円の家賃負担であなたは生活できるというこになります。

◇お申し込みから入居まで
①「広報よこはま」で募集が掲載→1月
②優良賃貸への申し込みをする(申込書提出)
③公開で抽選される
④抽選結果の通知
⑤優良賃貸への入居の説明
⑥契約書類の提出
⑦賃貸住宅を借りるための借契締結をする→入居は3月以降

◇横浜市の家賃助成賃貸入居への入居者の選定方法
子育て世代の低所得世帯、母子家庭世帯の「子育てりぶいん」への入居は、公募・抽選にて決定しなければなりません。横浜市の認定事業者の関係者や家族、親戚、知り合いなどを優先的な入居を避けるためという理由があります。
低所得者や母子家庭の方の家賃助成賃貸への入居の応募が多い場合は、抽選によっての入居順位を決めるという仕組みです。

◇入居対象者
家賃助成賃貸に入居するには、入居資格が細かく決められていますが、以下のとおりです。

低所得者、母子家庭等で申し込みする本人や同居者が居住するために、住宅を必要とする方。
②同居する子どもがいて、小学校修了前の子どもが少なくても1人いる方。
③同居する方全員が、2親等以内の親族。(扶養関係がある場合や、介護の必要がある場合は6親等以内の親族、他)
④入居する方の誰かが、横浜市内に在住しているか、在勤している方。
⑤申し込み本人又は、同居する方が、住民基本台帳法(昭和42年法律81号)にいう住民基本台帳に記載された方。
⑥住民税を滞納していない方。
⑦世帯月収額が21万4千円以下の方。
⑧連帯保証人を立てられ、管理業者が指定する保証会社の利用が可能な方。
⑨申込者、同居する親族が「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」(第2条第6号)で規定される暴力団員ではない方。


小さな子どものいる家庭は「うるさくて近隣トラブルの原因になる」などの理由でオーナーから入居を敬遠されることがらあたり、市営住宅は入居倍率が高く、いくら低所得や母子家庭だからといってもなかなか入居できないという状態です。
特に所得の低い母子家庭の方などが、子育てしやすい環境の賃貸住宅を探すのは極めて難しい状況にあるそうです。そこで横浜市は、賃貸住宅オーナーとネットワークを持つ市住宅供給公社(神奈川区)と連携し、小学校やスーパー、公園まで1キロ以内、小児科まで徒歩20分圏内などの条件を満たす建物を「子育て世帯向け地域優良賃貸住宅」として認定するといった事業になった所以です。
新耐震基準(1981年)に適合した一戸当たりの広さは概ね50~75平方メートル、家賃は10万円前後を想定しているそうです。

生活保護でも母子家庭の方の保護率が年々高くなってきているので、生活保護を受給する前に、こういった家賃助成の制度を活用して、環境の良い住宅で子育てできたら、少しでも安心した暮らしができることでしょう。
横浜市のこの事業は、家賃助成モデル事業ですが、母子家庭の方や低所得の子育て世代の方などが、この制度で少しでも生活が楽になり、生活保護を受けなくても何とか生活していけそうだという世帯が増えれば、横浜市以外でもそういったものが増えるかもしれません。


生活保護について、家賃助成と比較したい方は以下をご参照ください。
生活保護費の支給額
横浜市の生活保護の申請方法
生活保護で受けられる助成(扶助)
生活保護ではメガネが補助される

生活保護で眼鏡を購入する  限度額内で福祉事務所に眼鏡購入の許可を。

生活保護受給者数が増え続けていることが、問題にされてきていますが、その中でも生活保護の窓口でもある福祉事務所において、生活保護の申請を通させないようにして、生活保護受給者数の増加を食い止めているところもあると聞きます。

その結果、本当に生活保護を必要としている方が受給できないで、孤独死してしまったという事件も何件も今までにありましたね。

そういった生活に困窮する方を救う以前に、生活保護受給者数の減少にばかり目が行く福祉事務所のあり方には、生活保護費がいくら国民の税金が使われていると思っても、切なさを感じずにはいられません。

そんな折、ある福祉事務所では、生活保護受給者の方が眼鏡を購入しようと福祉事務所に眼鏡購入の申請手続きに行った際、「すべての眼鏡屋を回って、眼鏡の見積りを取ってもらい、その中で一番安い眼鏡に購入する許可を出す」というところもあったと聞きます。

生活保護受給者は、もちろん車の所有も許されていないので、眼鏡店を回る際もタクシー等を使っての移動になります。しかし、そのタクシー代は生活保護では、支給されません。
そして、生活保護受給者の中には、体の不自由な方も多くいらっしゃると思います。そういった方にもあらゆる眼鏡店を回れというのは、あまりにも酷な話ではないでしょうか?

基本的に生活保護での眼鏡製作で補助してもらえる眼鏡代の限度額は、17,600円~24,000円です。乱視などの場合は、それに片眼4,200円追加できるのです。

それなのに、一番安い眼鏡の見積りでしか生活保護での眼鏡購入に許可されないというのは、生活保護制度にそのようなきまりはないので、その福祉事務所が、その担当員なのかまではわかりませんが、従うことはないところだと思いますが、福祉事務所で許可してもらえない限り、眼鏡の補助はしてもらえません。
全部ではありませんが、弱い立場の生活保護受給者を、権力でもって動かすというのは残念なことです。そういった行政、福祉事務所職員がいるというのは問題ではないのでしょうか。

もしもそういった福祉事務所や担当員にあたってしまった場合でも、困らないように生活保護での眼鏡費用の限度額内で作れる眼鏡店を知っておくことが、自分の身を守るといった意味においても必要なのではないでしょうか?

生活保護対応の親切な眼鏡店をお探しの方は、お問合せください。


生活保護でメガネを購入する手順

生活保護の医療費について  現物給付眼鏡

生活保護制度で受けられる補助のうち、医療扶助(医療費)がありますが、医療費は現金による支給ではなく、現物給付のような形になっています。一般の医療費と比べると、現物給付というところが違うところかもしれません。

生活保護世帯では健康保険には入らないかわりに、病気になった時に「医療券」というものが福祉事務所から発行してもらえるので、これを医療機関に提出することで、無料で受診できるようになります。

ただし注意したいところが、この生活保護での「医療券」は、すべての医療機関で利用できるわけではないので、受診する時は事前に福祉事務所の生活保護担当員に、医療券が使える指定の医療機関を確認しておくと安心です。


(現物給付の主な例)医療扶助で現物給付される眼鏡
①あらかじめ福祉事務所で「医療券」と眼鏡の「給付要否意見書」を発行してもらったら、その医療券と眼鏡の給付意見書を持って指定医療機関で診察してもらいます。
②そして、医師から眼鏡の処方箋を受け取って、それと給付要否意見書を眼鏡店に持参すれば、メガネを作ることができます。

これが、医療費の現物給付の主な流れです。
福祉事務所での手続きなど、多少時間がかかりますが、約1ヶ月後くらいには眼鏡を受け取ることができます。

生活保護での詳しい眼鏡の給付手順はこちらをご参照ください。


しかし急病や事故などの緊急の場合は、あらかじめ医療券をもらうことは誰にもできません。

でも、多くの福祉事務所では、緊急時のために「医療受給証」またはそれと同様な書類を事前に発行しています。

緊急時にはそれを提示し、後日医療券を発行してもらって持参します。
または、「医療受給証」などがない場合は、指定医療機関であれば、福祉事務所に連絡し、担当者から病院に医療券を後日持参か送付する旨を伝えてもらったり、その場でいったん医療費を支払いますが、後日医療券を持参すれば、かかった分の医療費は全額返還してもらうということが可能なので記憶しておくと安心でしょう。

生活保護受給者の医療費の利用形態は、先に述べたように医療器具のように物が必要になる場合でなくても、直接的な現金支給ではなく現物給付に近いかたちなので、面倒な手続きが伴います。

しかし、いざ病気になったりした時に慌てないためにも「医療受給者証」は無くさないように、確認しておくといいでしょう。

自民党政権になって、生活保護制度の見直し案が少しずつ固まりつつあるようですが、医療扶助(医療費)については、大幅な削減は今のところ否定されているようです。

ですが、生活保護費の中でも一番多く公的負担になっている医療費は、削減されるかもしれないという不安に包まれたまま。

生活保護の医療費の見直し案が確定する前という、現状の医療扶助で眼鏡を給付してもらう場合もただの医療器具にならないような、見た目もおしゃれで機能性も高い眼鏡を作れるので、必要な方は早めに利用するといいでしょう。


生活保護での詳しい眼鏡の給付手順はこちら。