生活保護受給者の健康管理強化へ。必要な医療を受けられる取り組み。

生活保護受給者の医療費が問題となっていますが、 厚生労働省が生活保護の医療費の適正化を目指すため健康管理を強化する方針を固めました。

▼生活保護者の医療費抑制、データで健康管理強化
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160722-OYTET50024/
生活保護の受給者は、運動不足なうえ安価でカロリーは高いが栄養価の低い食品を多く摂取しがちなことから、厚生労働省は受給者の健康管理を強化する方針を固めました。
▼生活保護者の医療費控除
https://seikatsuhogo.jp/benefit/
生活保護世帯の方が医療機関にかかる場合にお住まいの地域の福祉事務所に相談をし、金銭ではなく「医療券」を発行してもらい、その「医療券」で受診できるというものです。

生活保護は、糖尿病、肝炎など重症化すると完治が難しいと考えられる傷病の割合が多い。
また、精神関連疾患では統合失調症など一般的に長期治療が必要とされる精神疾患の割合が国保より多い。(厚労相調べ)

▼生活保護者の健康管理のあり方に関する研究会とりまとめ
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000068893.pdf
生活保護受給者は様々な課題を抱えて保護受給に至っているが、制度の目的である自立助長を図る基礎としては、何より健康状態を良好に保つことが重要です。
▼全国へ!生活保護受給者の健康診断
福島県郡山市
https://www.city.koriyama.fukushima.jp/215500/kenko/kenko.html
福島県いわき市
http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000493/index.html
福島県福島市
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/soshiki/36/kenkou14121101.html

生活保護から自立した生活に戻ることができるのは、受給後半年ぐらいまでの人が多と言われています。
病気などで受給せざるをえない人は、早期に健康を回復させることが重要です。受給者の健康回復や増進は、生活保護を考えるうえで必要不可欠とも言えるでしょう。
限りある財政。本当に必要な人が安心して必要な医療を受けられるような社会が望まれます。

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多くのコミュニティで母子家庭でも変わらぬ環境を

母子家庭世帯の多くが直面しているといわれる貧困や家族機能の低下だけが連日話題に上がる中、行政、NPOが行っている支援が注目されることはあまり多くはありません。家庭環境が厳しい状況にあり、人のつながりや経験、機会が得られなかった子ども達でも多様な関係性や経験が得られるサポートを行っています。

▼【本当は寂しい】母子家庭の子供に見られる特徴
http://tokutyou.com/tokutyou/207
母子家庭の大半は母親が仕事をして家計を支えています。 さまざまな援助があるものの仕事をしないわけにはいかないのですが、その間子供は1人で寂しい思いをすることになります。 これがストレスとなって精神的に不安定で周囲に攻撃的になってしまう子供も …
▼厚労省でも家庭環境の多様化に伴い自立支援が課題に
すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト
内閣府が掲げる【すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト】

▼地域ぐるみで子どもを育てるコミュニティを生み出す

▼NPO法人PIECES(登記申請中)
http://www.pieces.tokyo/
母子家庭や父子家庭、貧困や虐待など様々な課題を抱える子ども達とその子にあったサポートをし、人と人のコミュニティを繋ぐことを団体のミッションとし、多様な生が共存していくための活動を実践・研究の両面からすすめている団体です。
▼広がる支援「子ども食堂」で空腹満たす貧困世帯の子供達
https://seikatsuhogo.jp/news/kodomo-20151112/
以前、ご紹介した「子ども食堂」
子どもがお腹いっぱいでホッとできる居場所。気持ちに寄り添い悩みや相談もできる昔ながらあたたかいの支援が母子家庭のお母さんや子供達からも感謝の声が上がっている。
▼全国に広がりを見せる「子ども食堂」
http://xn--h9jxj0btf1e7712a27wb.jp/1485.html
NPO法人だけではなく、ボランティア団体、社会福祉法人、一般の主婦の方…などたくさんの方が賛同し全国に広がりをみせています。

様々な問題を抱えながらも、おかれている環境を生き抜いている子どもたちを見ると、どうしてもその問題のほうに目が向けられがちです。でも、どの子どもも、それぞれに魅力や可能性を持っていて、安心や信頼、尊重を基盤にして、その力を大きく発揮していくことができます。母子家庭で卑屈になることはなく、地域や支援を上手に利用して子ども達がのびのび育つ環境を親とともに作ること。それこそが、社会に新たな価値を、そして文化を作っていくことになるでしょう。

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生活保護受給者でも利用可能。介護施設で安泰な老後を。

厚労省の発表によると、いまや生活保護受給者のほぼ半数が高齢世帯。

もちろん誰しもが老後の安泰を願うのは普通のことです。それは生活保護受給者も同じこと。

老後、身の回りの世話をしてくれる介護サービスやどんな施設があるのは気になるところです。

生活保護受給者でも利用可能!現状による施設の選択

生活保護受給者が入所できる高齢者の施設は、条件等はありますが以下の通りです。

・介護老人保健施設
原則65歳以上で「要介護1」以上の介護認定を受けていることが条件になります。医療管理下での看護や介護、回復期のリハビリが受けられ、医療法人や社会福祉法人などが運営する公的な施設です。
・介護老人福祉施設
常に介護が必要で自宅での介護が困難と認められた方を対象に、食事や排せつの介護、機能訓練などを行う入所施設です。
・養護老人ホーム
自立した65歳以上の高齢者の方で、生活保護を受けている、または低所得などの原因によって自宅で生活ができないなどの経済的な理由を持つ方が入所対象となる施設です。
・認知症対応のグループホーム(認知症患者のみが入れる施設)
認知症の高齢者が少人数で共同生活を送りながら、専門スタッフによる身体介護と機能訓練、レクリエーションなどが受けられる施設です。認知症高齢者グループホーム、認知症対応型共同生活介護とも呼ばれます。

生活保護受給者の為の養護老人ホーム

ここで出てくるのが、「養護老人ホーム」という存在です。これは、「特別養護老人ホーム」とは別物。 養護老人ホームは、身体的・経済的な問題があることから、自立することができない人のために作られた施設のこと。お年寄り限定の施設で、介護福祉を目的にしています。この施設では、あくまで「社会復帰」を目指しての生活になりますが、入居するための一時金は必要ありませんし、月々にかかる費用も0~10万円程度とかなり安くなっています。誰でも入れるわけではありませんし、審査により必要性の高い方から優先的に入所できるようになっています。全国的にも数がまだまだ少ないのも現状。それでも生活保護を受給する高齢者にとっては心強い存在になるはずです。

生活保護への意識

生活保護の不正受給がニュースになる一方で、抵抗感から「生活保護を受けるのは抵抗がある」という人もいる様です。しかし、生活保護というのは「何らかの事情で経済的に困っている人を助ける制度」ですので、本当に需給の資格があるのであれば、堂々と受けるべきものです。
その上で、ご自身の健康状態、生活にあった介護の方法を選択することが老後の安泰へ繋がるのではないでしょうか?事前に生活保護担当者に相談したり、パンフレットを読むなど情報集めてみるのもいいでしょう。

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母子家庭でも不利なく。奨学金で大学進学しても生活保護全額しない運用へ。

「母子家庭の子供にも等しく教育の機会は与えられるべき」

厚生労働省が生活保護世帯の「貧困の連鎖」を防ごうと子供の教育に関する運用を見直しました。しかし、解消に向けての一歩だが、いまだ十分とは言えないのが現状です。

奨学金で大学進学。生活保護費は減額しない方針決定
厚生労働省は、生活保護世帯の高校生が大学や専門学校の受験料や入学金を奨学金から捻出しても、保護費を減額対象しない方針を決めました。大学や専門学校は一般的ではないとして以前の運用見直しには盛り込まれなかったが、親から子へ「貧困の連鎖」を防ぎ、進学に不利にならないようにする為、追加を決定をしたのです。

生活保護は最低限の生活を保障する仕組みで、収入が増えた分は支給額が減らされるのがルールです。以前は奨学金も子供に対する収入とみなされ減額対象だったのですが、厚生労働省の「貧困の連鎖」を防ぐ狙いで、昨年10月運用を改善。更に、今回の追加方針で大学進学までの教育関係費の出費は減額対象外になることになりました。

2015年10月除外対象→学習塾・家庭教師の授業料・模試代・入会金・教材費・交通費
2016年5月追加除外対象→大学の受験料・入学金

いまだ十分とはいえない支援

このように政府も様々な取り組みをし「貧困の連鎖」を打開しようとしていますが、十分とは言えない現状です。
そう言わざるを得ない問題として、大学進学後の授業料は引き続き減額対象になるということです。
大学に入学したとしても、授業料や生活費の為、長時間のアルバイトをせざるを得ず、体にも心にも大きな負担がかかり、中途退学をしてしまうという問題もよく耳にします。
また近年おおきく問題視されてブラックバイトに絡め取られやすいのもこの低所得世帯の学生です。収入が途切れることができない引け目から、アルバイトを辞められず、学生らしい生活を送ることができなくなってしまうのです。

埼玉県で教育支援!未来へつなぐ取り組み

平成18年に、関西国際大学の道中教授が行った実態調査によると、貧困の連鎖の発生率は25.1%でした。この貧困の連鎖を断つために、埼玉県では平成22年度から教育支援事業を始めました。
平成22年度から中学生を対象に、高校進学を目指した学習教室を県内5か所で始め、平成26年度には17教室までに拡大し、生活保護受給世帯の子供たちが、高校に進学してきちんと卒業し、安定した仕事に就いてもらうことを目標に取り組みが行われています。

このように各地域での地道な取り組みが政府の取り組みの後押しをし、貧困の連鎖の打開に向けて取り組んでいます。母子家庭世帯の子供達が安心して学生生活を送れるようになる日はそう遠くはないのではないでしょうか。

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第二子以降の「児童扶養手当」増額。求められる母子家庭の貧困対策

厚生労働省の「25年国民生活基礎調査の概況」によりますと母子世帯は82万1千世帯、その中でも生活保護を受給している母子世帯及び父子世帯はともに1割となっています。

母子家庭の貧困問題が多く取り上げられるようになって深刻なことが表面化してはきましたが、まだまだ現状改善できてはいません。

第2子以降の「児童扶養手当」増額へ…子どもの貧困への支援策

我が子を守っていく手当や助成金はとてもありがたい制度です。

そんな中、児童扶養手当の額が変更になりました。

【すでに2016年4月に変更になっている額】
・平成28年3月まで 全部支給 月額42.000円 一部支給 月額41.990円〜9.910円
・平成28年4月以降 全部支給 月額42.330円 一部支給 月額42.320円〜9.990円

2016年8月 2人目、3人目の加算額の増額
今の制度では、2人目はプラス5.000円、3人目はプラス3,000円という加算がされていますが、2016年8月分(12月支給)から2人目以降の児童扶養手当が所得に応じて最大2倍まで引き上げになるということです。具体的には2人目が5千円→最大1万円、3人目以降を3千円→最大6千円となります。

縮小傾向だったひとり親世帯への現金給付が拡大することで、貧困に悩むひとり親世帯の未来が少し明るくなってきたのではないでしょうか。

福島県いわき市の考え

母子家庭の多くは、経済的・精神的に不安定な状態に置かれています。いわき市では、母子家庭の生活の 安定と自立の促進を図るため、各種福祉手当及び貸付金などの経済的援助の充実と相談体制の強化を図 っています。また、父子家庭では、家事及び子供の生活指導など、養育面に困難をかかえており、その対策が課題となっています。

母子家庭が暮らしやすい社会へ

母子家庭の母は、親であり家庭を支える大黒柱でもあります。ひとりでその責任を背負っていると考えるだけでも、重圧を感じてしまう方が多くいらっしゃるのではと思います。助成金や手当も昔と比べると手厚くなってはきましたが、まだまだ困難さの中での生活を余儀なくされている方も多いのです。今ある手当、助成金などの支援制度を積極的に活用しても経済的に余裕ある生活を送れるかというと、必ずしもそうではないでしょう。しかし、生活の助けになることに間違いはありません。社会に蔓延する貧困の問題が改善され、子育てをする親はもちろんのこと、成長していく子どもたちがすこしでも暮らしやすい社会が実現するような政策を政府には望みたいものです。

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母子家庭の健康と生活を守る医療費助成の大事な話

生活保護受給者にとって医療費の負担軽減はとても気になるものですね。

特に生活保護受給者の中でも赤ちゃんや小さなお子様を抱える母子家庭には切実な問題です。

ここでは、ぜひ知っておいてほしい医療費についてご紹介します。

国レベルで制度化すべき「子供の医療費助成」

現在健康保険による医療費の自己負担割合は、義務教育を受ける年齢になる前(小学校に入る前)まで2割というのをご存知でしょうか?

しかし、実際病院へ子供を連れて行っても支払う金額は0円ですよね?

これは、国とは関係なく、それぞれの自治体の政策や住民運動の結果、助成が行われているからです。

このため、適用される年齢や内容は自治体ごとに異なり、無料のところもあれば多少なりとも定額の自己負担がある場合もあるのです。

【ばらつきのある制度内容~厚生労働省「乳幼児等に係る医療の援助についての調査」~】
・中学卒業の年度末までが対象
・4歳未満、あるいは就学前だけが対象
・18歳になった年の年度末までが対象
・22歳になった年度の終わりまで対象

まだまだ地域によってばらつきのある子供の医療費負担は、これから国レベルで制度化すべきとの声があがっています。


低所得の母子家庭に朗報!自治体の医療費助成について

子供にかかる医療費の負担は自治体の助成により軽減されていますが、では母子家庭の親の医療費はどうなのでしょうか?

実は、自治体の制度には「ひとり親家庭への医療費助成」という制度があります。

この制度により、母子家庭もしくは父子家庭あるいはそれ以外の養育者でひとり親にあたる世帯を対象に、申請して受給者証が発行されれば、助成が受けられます。

一部の県ではまだ母子家庭のみ対象のこの制度は、意外とメリットが大きいにも関わらず、国の制度でないのも手伝って周知が十分ではありませんが、知っておけば十分なメリットが得られる制度ですので、この機会にぜひ知っておいてほしい制度と言えます。

【ひとり親家庭への医療費助成で得られるメリット】
・保険診療の自己負担が0円になる
・所得によって低額になる
・親の医療費負担の軽減は子供が18歳になった年の年度末まで適用される

母子家庭の生活と健康を支える医療費助成で健康的で明るい未来を!

子供が熱を出したのに、お金がなくて病院へ連れていけない。
ひとり親なのに自分が具合が悪くて仕事を休まなければならない。
このような悩みを抱える生活保護受給世帯や低所得の母子家庭では、生活を維持してくために健康とは最も需要であると言えます。

まだまだ周知度の低い自治体独自の医療費助成制度ですが、メリットも大きく、詳しく内容を知ることでいざという時慌てずに活用できます。

これらを活用すれば、母子家庭の親も子供も、経済的な問題を理由に病気や怪我に悩まされることなく、健康的に生活していくことが出来るでしょう。

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春の暖かい風が桜の花びらを揺らす季節になると、大学や専門学校への進学、就職など気持ちも高揚している方が多いかと思います。

しかし、そこで頭を悩ますのが学費や生活費ですよね?

ことに生活保護受給世帯のお子様や、生活に困窮している方には頭の痛い問題です。

そんな時知っておくと助かる生活保護「生業扶助」についてご紹介します。

気になる生活保護「生業扶助」の概要

(1)生業扶助とは?

生活保護の種類を全部あげて下さいと言うと大抵の方は答えられないと思います。

生活保護の種類は全部で8つあって、そのうちの1つが今回ご紹介する「生業扶助」です。

少し聞きなれない生業扶助、実はとても重要なもの。生活に困窮している方が世帯の収入増加・自立を助長する上で必要な費用に充てられるための扶助の事をいいます。

【生業扶助の広義的3項目】
1、生業に必要な資金や器具または資料
2、生業に必要な技能の習得
3、就労のために必要なもの

(2)自立を助長させる生業扶助の「高等学校等就学費」とは?

生活保護受給世帯の子供たちの高校に通う費用は2005年度から「高等学校等就学費」として支給されるようになっています。

これにより生活保護世帯の子供たちは、高校段階で求められる自立助長のための就学を優先できるようになったのです。

【就学費の対象】
1、給付対象者 生活保護受給世帯
2、給付対象となる学校 高等学校・高等専門学校・特別支援学校の高等部・高等学校での就学に準ずるものと認められる専修学校及び各種学校
【給付内容と基準額】
1、学用品等  月基準額 5,300円
2、教材代 実費
3、授業料 無償化
4、学習支援費 5,010円  など

生業扶助に続く!全国でも珍しい岐阜県大垣市の「交通費支援」

前項でも述べた通り、生活困窮世帯の子供たちの学べる場は確実に増えています。
そんな貧困対策の一環として岐阜県大垣市では無料の学習教室に通う貧困家庭の子どもに対して交通費を支給、県内市町村に負担額の3分の2を補助するという生活困窮世帯には助かる取り組みを行っています。
この学習支援により、交通費を理由に無料塾に通えない遠方の子供たちが安心して通えるようになりました。
自治体が開設する学習教室の交通費を支給する取り組みは全国でも珍しく、新年度は約100人分の交通費の補助として290万円を予算要求したとのことです。

生業扶助を積極的に利用!貧困に負けない未来を子供たちへ

生業扶助は困窮して最低限度の生活を維持できない世帯(生活保護世帯)だけではなく、「そのおそれのある世帯」も対象になる事が生活保護法17条で定められています。
しかし、「考え方としては除外されないが、現在の生業扶助の制度は保護を受けている世帯を想定した内容になっている」と厚生労働省保護課も答えているように、生活保護を受けていない世帯ではなかなか利用に至るには難しいのが現状です。
このようにあまり周知されていない生業扶助ですが、その内容を知り、積極的に利用することで困窮世帯の子供達に学ぶ機会を与え、貧困に負けない限りない未来を開くことが可能になってゆくと思われます。

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生活保護世帯の子供達を守る!沖縄県の貧困対策アンケート

沖縄県の本島中部地域選出の県議3人と8市町村の議員11人でつくる沖縄自治体政策研究会「群星(むるぶし)21」が、28日に中部地域10市町村を対象に子供の貧困対策に関するアンケート結果を発表したのをご存知でしょうか?

その回答から様々な意見や要望が明らかになりました。

興味深いアンケート結果と明らかになった要望や声をご紹介します。

生活保護世帯の子供たち、なくならない貧困の連鎖に関するアンケート結果

群星21が実態把握のために行った10市町村へのアンケートでは、全市町村がそれに回答、様々な意見や要望が明らかになりました。

やはり、生活保護世帯の子供へ向ける学習支援や、こども医療費助成への補助などが重要視されているようです。

1、「子供の貧困が及ぼす影響はどのような事があると考えるか?」
→ 全市町村が身体面への悪影響に加え、心理面での負担から学力や学習意欲の低下、不登校や非行につながると回答。
2、「国への要望」に上がる声
→ 児童扶養手当の所得制限緩和や市町村負担軽減、生活保護世帯向けの学習支援事業の全額補助の復活と子供医療費助成への補助の要望が多数回答された。
3、「県への要望」に上がる声
→ 無料塾の対象拡大や一括交付金の活用、さらには実施主体は県として広域で活用できる事業、県の30億基金で市町村が活用できる補助事業の明示などがあげられた。
4、その他の要望
→ 現物支給、長期的な制度設計、継続的な補助、雇用・就労状況の改善などを求める声があがった。

茨城県でも学習支援!子供の貧困の連鎖を断ち切って未来ある社会へ

「群星21」はアンケートであげられた意見を取り入れて分析し、施策提言に反映させる考えとのことです。
貧困の連鎖への対策として学習支援を行っているのは沖縄県だけではありません。茨城県もまた対策を行っています。
茨城県の阿見町では、小学4年生から中学3年生までを対象に「無料塾」を開設しています。
無料塾の開設は、生活困窮者自立支援法に基づいたものですが、これを通じて親から子への貧困の連鎖を断ち切ることを目的としています。

生活保護受給世帯であったり、何らかの理由での子供の貧困の連鎖は、子供たちの力ではどうにもなりません。
そんな子供たちを守り育ててゆくのは、いつの時代でも大人の役割となっています。
今回のアンケート結果を元に、貧困の連鎖を断ち切る新規事業が検討されているのは喜ばしいことと捉え、それにより生活保護世帯や貧困に苦しむ子供たちを取り巻く環境が改善されてゆくことが望まれます。

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母子家庭世帯必見!子どもの学習の場を守る「無料塾」

沖縄県にある「県子どもの貧困対策検討会」をご存知でしょうか?

この会では、貧困の防止や家庭、学習環境の悪化が貧困の連鎖につながる事を指摘しています。

その提言を踏まえ、沖縄県では2016年に学習支援として「無料塾」の増設を決定しました。

母子家庭世帯必見!小中学生がタダで学べる「無料塾」!

沖縄県では、母子家庭や生活保護など経済的な理由から学ぶ機会を奪われる子供を減らす目的で、現在5施設の「無料塾」を2016年度中に8施設にまで拡充する方針を明らかにしました。

新たな3施設の場所はまだ未定だが、受け入れ生徒数は現在の200人から480人へ約280人増やす予定とのことです。

15年度の「無料塾」の利用者はおよそ410人。学びたいのに学べない、困窮世帯ではそんな子供たちが非常に多いことがうかがえます。

現在の無料塾がある5町
南風原 / 与那覇 / 西原 / 北谷 / 嘉手納

母子家庭だから…何て言わせない!子どもの自己肯定感を支える学習支援

「県子どもの貧困対策検討会」は昨年11月の提言で「小学校低学年での学習の取りこぼしが、子どもの自己肯定感の損失につながる。」と指摘しています。

自己肯定感を損失した子どもは、自分に自信が持てず、失敗を怖がって挑戦を嫌がったり、非行の原因にもなりえます。

そんな子供たちの自己肯定感を育む大切な時期の学習環境を「無料塾」は守っているのです。

同市は、施設の拡充に伴い、塾の開始時間を早めて小学校低学年の受け入れにも力を入れています。

2016年度中に沖縄県全市で「無料塾」という学習支援環境が整備されれば、もう母子家庭だからとか生活保護世帯だからとか子どもにはどうしようもできない理由で学習の場が奪われてしまう現実が徐々に改善していく見込みです。

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就職率60.7%!生活保護受給者に人気の「ジョブスポット」

「35%」この数字は何だと思いますか?

これは、厚生労働省の「地方公共団体による無料職業紹介事業の状況」調べによる平成25年度のハローワークの実績を表したものです。

今、この数字を2倍近くも上回る60.7%という数字を出している「ジョブスポット」という生活保護受給者向けの就職支援スポットが横浜で話題になっています。

生活保護受給者へ開かれる就職への道!「ジョブスポット」就労支援とは?

就職率がハローワークの2倍を誇る話題の「ジョブスポット」。

2013年にスタートしたこの事業は、横浜市がハローワークと連携して生活保護受給者を就労支援する話題の取り組みとなっています。

各区役所に開設されているので利便性も良く、専門の職業相談員がマンツーマンできめ細かい相談に乗れる体制を整えている事が6割を超える就職率の大きな要因となっています。

ジョブスポットの魅力
・区役所内の一角にハローワークの職員が3人常駐している。
・相談は原則予約制で週1回程度だが、きめ細かい相談ができる。
・生活保護受給者は区の担当就労支援専門員を通じてジョブスポットを利用できる。
・自己分析や書類の記入方法、面接のアドバイスもしてくれる。
・事業所とのマッチングも行ってくれる。

生活保護受給者から人気のジョブスポットは予約待ち状態

横浜市の「ジョブスポットでの就労率」調べでは、スタートした13年度には48%、14年度で56.5%、15年度では60.7%と着々と成果を伸ばし続けています。

これは、同じ担当者がマンツーマンでじっくりと相談に乗る事で、生活保護受給者との距離をぐっと縮めて信頼関係を生まれさせることで可能にした結果といえます。


同市の担当者は、「これまでの経験を生かし、相談者の特性を把握して1日でも早く就職につなげたい。」と話しています。

その就職率から人気のため、現在は予約待ち状態の時もあるとのことでした。


こうした生活保護受給者への就労支援は、各県、各地域でも色々と行われています。

特に1,632,321世帯もの生活保護受給者を抱える山形県米沢市でも、横浜市のように窓口に就労支援に関する専門知識及び経験を持つ職員を配置をし、面接のアドバイスや事業所との連絡調整をするなどして、生活保護受給者の就労支援を行い、自立を促しています。

これらの各地の取り組みにより、より一層生活保護受給者の就労への道が開かれることが望まれます。

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