母子家庭でも不利なく。奨学金で大学進学しても生活保護全額しない運用へ。

「母子家庭の子供にも等しく教育の機会は与えられるべき」

厚生労働省が生活保護世帯の「貧困の連鎖」を防ごうと子供の教育に関する運用を見直しました。しかし、解消に向けての一歩だが、いまだ十分とは言えないのが現状です。

奨学金で大学進学。生活保護費は減額しない方針決定
厚生労働省は、生活保護世帯の高校生が大学や専門学校の受験料や入学金を奨学金から捻出しても、保護費を減額対象しない方針を決めました。大学や専門学校は一般的ではないとして以前の運用見直しには盛り込まれなかったが、親から子へ「貧困の連鎖」を防ぎ、進学に不利にならないようにする為、追加を決定をしたのです。

生活保護は最低限の生活を保障する仕組みで、収入が増えた分は支給額が減らされるのがルールです。以前は奨学金も子供に対する収入とみなされ減額対象だったのですが、厚生労働省の「貧困の連鎖」を防ぐ狙いで、昨年10月運用を改善。更に、今回の追加方針で大学進学までの教育関係費の出費は減額対象外になることになりました。

2015年10月除外対象→学習塾・家庭教師の授業料・模試代・入会金・教材費・交通費
2016年5月追加除外対象→大学の受験料・入学金

いまだ十分とはいえない支援

このように政府も様々な取り組みをし「貧困の連鎖」を打開しようとしていますが、十分とは言えない現状です。
そう言わざるを得ない問題として、大学進学後の授業料は引き続き減額対象になるということです。
大学に入学したとしても、授業料や生活費の為、長時間のアルバイトをせざるを得ず、体にも心にも大きな負担がかかり、中途退学をしてしまうという問題もよく耳にします。
また近年おおきく問題視されてブラックバイトに絡め取られやすいのもこの低所得世帯の学生です。収入が途切れることができない引け目から、アルバイトを辞められず、学生らしい生活を送ることができなくなってしまうのです。

埼玉県で教育支援!未来へつなぐ取り組み

平成18年に、関西国際大学の道中教授が行った実態調査によると、貧困の連鎖の発生率は25.1%でした。この貧困の連鎖を断つために、埼玉県では平成22年度から教育支援事業を始めました。
平成22年度から中学生を対象に、高校進学を目指した学習教室を県内5か所で始め、平成26年度には17教室までに拡大し、生活保護受給世帯の子供たちが、高校に進学してきちんと卒業し、安定した仕事に就いてもらうことを目標に取り組みが行われています。

このように各地域での地道な取り組みが政府の取り組みの後押しをし、貧困の連鎖の打開に向けて取り組んでいます。母子家庭世帯の子供達が安心して学生生活を送れるようになる日はそう遠くはないのではないでしょうか。

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第二子以降の「児童扶養手当」増額。求められる母子家庭の貧困対策

厚生労働省の「25年国民生活基礎調査の概況」によりますと母子世帯は82万1千世帯、その中でも生活保護を受給している母子世帯及び父子世帯はともに1割となっています。

母子家庭の貧困問題が多く取り上げられるようになって深刻なことが表面化してはきましたが、まだまだ現状改善できてはいません。

第2子以降の「児童扶養手当」増額へ…子どもの貧困への支援策

我が子を守っていく手当や助成金はとてもありがたい制度です。

そんな中、児童扶養手当の額が変更になりました。

【すでに2016年4月に変更になっている額】
・平成28年3月まで 全部支給 月額42.000円 一部支給 月額41.990円〜9.910円
・平成28年4月以降 全部支給 月額42.330円 一部支給 月額42.320円〜9.990円

2016年8月 2人目、3人目の加算額の増額
今の制度では、2人目はプラス5.000円、3人目はプラス3,000円という加算がされていますが、2016年8月分(12月支給)から2人目以降の児童扶養手当が所得に応じて最大2倍まで引き上げになるということです。具体的には2人目が5千円→最大1万円、3人目以降を3千円→最大6千円となります。

縮小傾向だったひとり親世帯への現金給付が拡大することで、貧困に悩むひとり親世帯の未来が少し明るくなってきたのではないでしょうか。

福島県いわき市の考え

母子家庭の多くは、経済的・精神的に不安定な状態に置かれています。いわき市では、母子家庭の生活の 安定と自立の促進を図るため、各種福祉手当及び貸付金などの経済的援助の充実と相談体制の強化を図 っています。また、父子家庭では、家事及び子供の生活指導など、養育面に困難をかかえており、その対策が課題となっています。

母子家庭が暮らしやすい社会へ

母子家庭の母は、親であり家庭を支える大黒柱でもあります。ひとりでその責任を背負っていると考えるだけでも、重圧を感じてしまう方が多くいらっしゃるのではと思います。助成金や手当も昔と比べると手厚くなってはきましたが、まだまだ困難さの中での生活を余儀なくされている方も多いのです。今ある手当、助成金などの支援制度を積極的に活用しても経済的に余裕ある生活を送れるかというと、必ずしもそうではないでしょう。しかし、生活の助けになることに間違いはありません。社会に蔓延する貧困の問題が改善され、子育てをする親はもちろんのこと、成長していく子どもたちがすこしでも暮らしやすい社会が実現するような政策を政府には望みたいものです。

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母子家庭の健康と生活を守る医療費助成の大事な話

生活保護受給者にとって医療費の負担軽減はとても気になるものですね。

特に生活保護受給者の中でも赤ちゃんや小さなお子様を抱える母子家庭には切実な問題です。

ここでは、ぜひ知っておいてほしい医療費についてご紹介します。

国レベルで制度化すべき「子供の医療費助成」

現在健康保険による医療費の自己負担割合は、義務教育を受ける年齢になる前(小学校に入る前)まで2割というのをご存知でしょうか?

しかし、実際病院へ子供を連れて行っても支払う金額は0円ですよね?

これは、国とは関係なく、それぞれの自治体の政策や住民運動の結果、助成が行われているからです。

このため、適用される年齢や内容は自治体ごとに異なり、無料のところもあれば多少なりとも定額の自己負担がある場合もあるのです。

【ばらつきのある制度内容~厚生労働省「乳幼児等に係る医療の援助についての調査」~】
・中学卒業の年度末までが対象
・4歳未満、あるいは就学前だけが対象
・18歳になった年の年度末までが対象
・22歳になった年度の終わりまで対象

まだまだ地域によってばらつきのある子供の医療費負担は、これから国レベルで制度化すべきとの声があがっています。


低所得の母子家庭に朗報!自治体の医療費助成について

子供にかかる医療費の負担は自治体の助成により軽減されていますが、では母子家庭の親の医療費はどうなのでしょうか?

実は、自治体の制度には「ひとり親家庭への医療費助成」という制度があります。

この制度により、母子家庭もしくは父子家庭あるいはそれ以外の養育者でひとり親にあたる世帯を対象に、申請して受給者証が発行されれば、助成が受けられます。

一部の県ではまだ母子家庭のみ対象のこの制度は、意外とメリットが大きいにも関わらず、国の制度でないのも手伝って周知が十分ではありませんが、知っておけば十分なメリットが得られる制度ですので、この機会にぜひ知っておいてほしい制度と言えます。

【ひとり親家庭への医療費助成で得られるメリット】
・保険診療の自己負担が0円になる
・所得によって低額になる
・親の医療費負担の軽減は子供が18歳になった年の年度末まで適用される

母子家庭の生活と健康を支える医療費助成で健康的で明るい未来を!

子供が熱を出したのに、お金がなくて病院へ連れていけない。
ひとり親なのに自分が具合が悪くて仕事を休まなければならない。
このような悩みを抱える生活保護受給世帯や低所得の母子家庭では、生活を維持してくために健康とは最も需要であると言えます。

まだまだ周知度の低い自治体独自の医療費助成制度ですが、メリットも大きく、詳しく内容を知ることでいざという時慌てずに活用できます。

これらを活用すれば、母子家庭の親も子供も、経済的な問題を理由に病気や怪我に悩まされることなく、健康的に生活していくことが出来るでしょう。

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高校就学に利用できる生活保護「生業扶助」の内容

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春の暖かい風が桜の花びらを揺らす季節になると、大学や専門学校への進学、就職など気持ちも高揚している方が多いかと思います。

しかし、そこで頭を悩ますのが学費や生活費ですよね?

ことに生活保護受給世帯のお子様や、生活に困窮している方には頭の痛い問題です。

そんな時知っておくと助かる生活保護「生業扶助」についてご紹介します。

気になる生活保護「生業扶助」の概要

(1)生業扶助とは?

生活保護の種類を全部あげて下さいと言うと大抵の方は答えられないと思います。

生活保護の種類は全部で8つあって、そのうちの1つが今回ご紹介する「生業扶助」です。

少し聞きなれない生業扶助、実はとても重要なもの。生活に困窮している方が世帯の収入増加・自立を助長する上で必要な費用に充てられるための扶助の事をいいます。

【生業扶助の広義的3項目】
1、生業に必要な資金や器具または資料
2、生業に必要な技能の習得
3、就労のために必要なもの

(2)自立を助長させる生業扶助の「高等学校等就学費」とは?

生活保護受給世帯の子供たちの高校に通う費用は2005年度から「高等学校等就学費」として支給されるようになっています。

これにより生活保護世帯の子供たちは、高校段階で求められる自立助長のための就学を優先できるようになったのです。

【就学費の対象】
1、給付対象者 生活保護受給世帯
2、給付対象となる学校 高等学校・高等専門学校・特別支援学校の高等部・高等学校での就学に準ずるものと認められる専修学校及び各種学校
【給付内容と基準額】
1、学用品等  月基準額 5,300円
2、教材代 実費
3、授業料 無償化
4、学習支援費 5,010円  など

生業扶助に続く!全国でも珍しい岐阜県大垣市の「交通費支援」

前項でも述べた通り、生活困窮世帯の子供たちの学べる場は確実に増えています。
そんな貧困対策の一環として岐阜県大垣市では無料の学習教室に通う貧困家庭の子どもに対して交通費を支給、県内市町村に負担額の3分の2を補助するという生活困窮世帯には助かる取り組みを行っています。
この学習支援により、交通費を理由に無料塾に通えない遠方の子供たちが安心して通えるようになりました。
自治体が開設する学習教室の交通費を支給する取り組みは全国でも珍しく、新年度は約100人分の交通費の補助として290万円を予算要求したとのことです。

生業扶助を積極的に利用!貧困に負けない未来を子供たちへ

生業扶助は困窮して最低限度の生活を維持できない世帯(生活保護世帯)だけではなく、「そのおそれのある世帯」も対象になる事が生活保護法17条で定められています。
しかし、「考え方としては除外されないが、現在の生業扶助の制度は保護を受けている世帯を想定した内容になっている」と厚生労働省保護課も答えているように、生活保護を受けていない世帯ではなかなか利用に至るには難しいのが現状です。
このようにあまり周知されていない生業扶助ですが、その内容を知り、積極的に利用することで困窮世帯の子供達に学ぶ機会を与え、貧困に負けない限りない未来を開くことが可能になってゆくと思われます。

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生活保護世帯の子供達を守る!沖縄県の貧困対策アンケート

沖縄県の本島中部地域選出の県議3人と8市町村の議員11人でつくる沖縄自治体政策研究会「群星(むるぶし)21」が、28日に中部地域10市町村を対象に子供の貧困対策に関するアンケート結果を発表したのをご存知でしょうか?

その回答から様々な意見や要望が明らかになりました。

興味深いアンケート結果と明らかになった要望や声をご紹介します。

生活保護世帯の子供たち、なくならない貧困の連鎖に関するアンケート結果

群星21が実態把握のために行った10市町村へのアンケートでは、全市町村がそれに回答、様々な意見や要望が明らかになりました。

やはり、生活保護世帯の子供へ向ける学習支援や、こども医療費助成への補助などが重要視されているようです。

1、「子供の貧困が及ぼす影響はどのような事があると考えるか?」
→ 全市町村が身体面への悪影響に加え、心理面での負担から学力や学習意欲の低下、不登校や非行につながると回答。
2、「国への要望」に上がる声
→ 児童扶養手当の所得制限緩和や市町村負担軽減、生活保護世帯向けの学習支援事業の全額補助の復活と子供医療費助成への補助の要望が多数回答された。
3、「県への要望」に上がる声
→ 無料塾の対象拡大や一括交付金の活用、さらには実施主体は県として広域で活用できる事業、県の30億基金で市町村が活用できる補助事業の明示などがあげられた。
4、その他の要望
→ 現物支給、長期的な制度設計、継続的な補助、雇用・就労状況の改善などを求める声があがった。

茨城県でも学習支援!子供の貧困の連鎖を断ち切って未来ある社会へ

「群星21」はアンケートであげられた意見を取り入れて分析し、施策提言に反映させる考えとのことです。
貧困の連鎖への対策として学習支援を行っているのは沖縄県だけではありません。茨城県もまた対策を行っています。
茨城県の阿見町では、小学4年生から中学3年生までを対象に「無料塾」を開設しています。
無料塾の開設は、生活困窮者自立支援法に基づいたものですが、これを通じて親から子への貧困の連鎖を断ち切ることを目的としています。

生活保護受給世帯であったり、何らかの理由での子供の貧困の連鎖は、子供たちの力ではどうにもなりません。
そんな子供たちを守り育ててゆくのは、いつの時代でも大人の役割となっています。
今回のアンケート結果を元に、貧困の連鎖を断ち切る新規事業が検討されているのは喜ばしいことと捉え、それにより生活保護世帯や貧困に苦しむ子供たちを取り巻く環境が改善されてゆくことが望まれます。

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母子家庭世帯必見!子どもの学習の場を守る「無料塾」

沖縄県にある「県子どもの貧困対策検討会」をご存知でしょうか?

この会では、貧困の防止や家庭、学習環境の悪化が貧困の連鎖につながる事を指摘しています。

その提言を踏まえ、沖縄県では2016年に学習支援として「無料塾」の増設を決定しました。

母子家庭世帯必見!小中学生がタダで学べる「無料塾」!

沖縄県では、母子家庭や生活保護など経済的な理由から学ぶ機会を奪われる子供を減らす目的で、現在5施設の「無料塾」を2016年度中に8施設にまで拡充する方針を明らかにしました。

新たな3施設の場所はまだ未定だが、受け入れ生徒数は現在の200人から480人へ約280人増やす予定とのことです。

15年度の「無料塾」の利用者はおよそ410人。学びたいのに学べない、困窮世帯ではそんな子供たちが非常に多いことがうかがえます。

現在の無料塾がある5町
南風原 / 与那覇 / 西原 / 北谷 / 嘉手納

母子家庭だから…何て言わせない!子どもの自己肯定感を支える学習支援

「県子どもの貧困対策検討会」は昨年11月の提言で「小学校低学年での学習の取りこぼしが、子どもの自己肯定感の損失につながる。」と指摘しています。

自己肯定感を損失した子どもは、自分に自信が持てず、失敗を怖がって挑戦を嫌がったり、非行の原因にもなりえます。

そんな子供たちの自己肯定感を育む大切な時期の学習環境を「無料塾」は守っているのです。

同市は、施設の拡充に伴い、塾の開始時間を早めて小学校低学年の受け入れにも力を入れています。

2016年度中に沖縄県全市で「無料塾」という学習支援環境が整備されれば、もう母子家庭だからとか生活保護世帯だからとか子どもにはどうしようもできない理由で学習の場が奪われてしまう現実が徐々に改善していく見込みです。

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就職率60.7%!生活保護受給者に人気の「ジョブスポット」

「35%」この数字は何だと思いますか?

これは、厚生労働省の「地方公共団体による無料職業紹介事業の状況」調べによる平成25年度のハローワークの実績を表したものです。

今、この数字を2倍近くも上回る60.7%という数字を出している「ジョブスポット」という生活保護受給者向けの就職支援スポットが横浜で話題になっています。

生活保護受給者へ開かれる就職への道!「ジョブスポット」就労支援とは?

就職率がハローワークの2倍を誇る話題の「ジョブスポット」。

2013年にスタートしたこの事業は、横浜市がハローワークと連携して生活保護受給者を就労支援する話題の取り組みとなっています。

各区役所に開設されているので利便性も良く、専門の職業相談員がマンツーマンできめ細かい相談に乗れる体制を整えている事が6割を超える就職率の大きな要因となっています。

ジョブスポットの魅力
・区役所内の一角にハローワークの職員が3人常駐している。
・相談は原則予約制で週1回程度だが、きめ細かい相談ができる。
・生活保護受給者は区の担当就労支援専門員を通じてジョブスポットを利用できる。
・自己分析や書類の記入方法、面接のアドバイスもしてくれる。
・事業所とのマッチングも行ってくれる。

生活保護受給者から人気のジョブスポットは予約待ち状態

横浜市の「ジョブスポットでの就労率」調べでは、スタートした13年度には48%、14年度で56.5%、15年度では60.7%と着々と成果を伸ばし続けています。

これは、同じ担当者がマンツーマンでじっくりと相談に乗る事で、生活保護受給者との距離をぐっと縮めて信頼関係を生まれさせることで可能にした結果といえます。


同市の担当者は、「これまでの経験を生かし、相談者の特性を把握して1日でも早く就職につなげたい。」と話しています。

その就職率から人気のため、現在は予約待ち状態の時もあるとのことでした。


こうした生活保護受給者への就労支援は、各県、各地域でも色々と行われています。

特に1,632,321世帯もの生活保護受給者を抱える山形県米沢市でも、横浜市のように窓口に就労支援に関する専門知識及び経験を持つ職員を配置をし、面接のアドバイスや事業所との連絡調整をするなどして、生活保護受給者の就労支援を行い、自立を促しています。

これらの各地の取り組みにより、より一層生活保護受給者の就労への道が開かれることが望まれます。

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増える生活保護受給者と広がる支援|大分県の「宿泊型福祉施設」

厚生労働省の調査によると、今年9月に生活保護を受けた世帯は162万9598世帯で、前の月より874世帯増えて、過去最多となりました。

その結果を受けて、厚生労働省は「高齢者の単身世帯が増える中、年金だけでは生活できない人も増えている。生活保護を受ける高齢者世帯は今後とも増加するとみられる」と分析しています。

厚生労働省調査における「48都道府県トップ10と最下位」の県と世帯数

全国の生活保護受給者は年々増加の一途をたどっていますが、その中でもトップ10に入る都道府県をまとめてみました。

厚生労働省の調査ではこのような結果になっています。

厚生労働省調査「生活保護受給世帯数多い順:全国」
1位 東京都…223万205世帯
2位 大阪…56万457世帯
3位 埼玉…50万088世帯
4位 北海道…50万039世帯
5位 福岡…39万582世帯
6位 千葉…37万363世帯
7位 神奈川県…25万842世帯
8位 茨城県…20万548世帯
9位 愛知県…17万591世帯
10位 沖縄県…17万445世帯

最下位…富山県 1509世帯


ピックアップ!~愛知県名古屋市~
愛知県名古屋市では、平成25年8月から3年程度かけて段階的に生活保護基準が見直されていて、平成27年4月に3年目の見直しが行われました。
中でも住宅扶助では世帯構成による住宅のニーズに差があることも踏まえ、柔軟な選択ができるよう留意して比率の設定がされました。
これにより、今まで名古屋市では同じだった2人世帯と6人世帯の基準額に差が出るようになりました。

今までの上限額…2人世帯 4万7千円 / 6人世帯 4万7千円
見直し後の上限額…2人世帯 4万4千円 / 6人世帯 5万2千円

大分県初の取り組み「宿泊型福祉施設」の開設

厚生労働省調査によると全国で22番目に生活保護受給者が多いとされる大分県では、県内初の取り組みとして「宿泊型福祉施設けいせんプラザ」を開設しました。

これは、障害者支援施設などを運営する社会福祉法人大分県社会福祉事業団が開設したもので、ここでは病気や失業などに伴う生活困窮者や生活保護受給者、障害者の相談業務を行うとの事です。


プラザは3階建てで、2~3階にトイレ付8畳の宿泊部屋が計8室あり、両階には共同のお風呂とキッチンを設置し、食事はけいせん寮が提供しています。

利用料金は1泊3食で2500円、それぞれの状況に応じて入居できる期間も異なりますが、原則は最長で6か月まで宿泊できます。


年々増える生活保護受給者についてけいせんプラザの津島伸一郎総括は「いろんな立場にある方々の生活を前進させる施設にしていきたい」とこれからの意気込みを語っています。

増える生活保護受給世帯、広がる支援

年々増える生活保護受給世帯。

愛知県や大分県のように増える生活保護受給者に対する取り組みをしている県も多く、生活保護受給世帯の自立への間口は広がっているといえます。

「第2のセーフティネット」として施行された生活困窮者自立支援法を受け、自立支援相談窓口の設置など全国各市で様々な活動が見られます。

今後も生活困窮者や生活保護受給世帯が希望を持って自立へ向かう事の出来る支援の輪が広がってゆく社会が望まれます。

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広がる支援「子ども食堂」で空腹満たす貧困世帯の子供達

母子家庭や生活保護世帯など、経済的な貧困世帯の子供達は、育ち盛りにもかかわらず、実に様々な理由で十分な食事が取れないケースが多いのをご存じでしょうか?

そんな子供達のために低料金でお腹いっぱい食べられる「子ども食堂」という支援がいま、全国に広がっています。

「子ども食堂」とは?支援の内容と貧困の深刻さ

今回ご紹介するのは福岡県久留米市の「くるめこども食堂」です。

同市では、子供の2割(42万人)が貧困、ひとり親世帯の3割が経済的理由で食料を買えなかった経験があるという深刻な調査結果も出ています。

そんな子供達にお腹いっぱい食べてもらいたい!その想いから商店街のイベントスペースに開設され、毎月最終日曜日にカレーライスを提供しています。

子供達の負担は300円。絵を描いたら100円引きでおかわりも自由なのだそう。

1日で40人の子供に100皿を提供する日もあるとの事です。

運営する河野大助さんが語るのは、昔ながらの大人の必要性。「自分が子供の頃は近所のおっちゃん、おばちゃんが何も聞かずに世話を焼いてくれた。そんな大人が必要」という想いです。

子供達にあえて事情を聞かない、気軽に立ち寄って悩みを相談できる居場所づくりも兼ねてカレーライスを提供し続けています。

福島県いわき市でも深刻化|子供の貧困と事例

子供の貧困が深刻化しているのは久留米市だけではありません。

福島県いわき市でも子どもの貧困率が1985年の10.9%から2012年には16.3%になるなど、子供の貧困は増える一方、特にひとり親世帯の貧困率は54.6%にものぼります。

中にはこんな心が痛くなる事例も市には報告されています。

  1. 医療費がなく、虫歯になっても治療ができずに痛みを我慢。中学生で総入れ歯になった子供。
  2. 保育園で発熱。親を呼ぼうとする保育士に「呼ばないで。」と頼む子供。
  3. 夏休みに入り給食がなくなり、休み明け10キロも痩せていた子供。

特に、保育園の子供の例は、自分が熱を出すと親が仕事を休んだり大変な思いをすると小さいながらも理解しなくてはならないほど貧困問題の重大さを浮き彫りにしたケースといえます。

また、同市では震災後、相双地区から避難されてきた子供達の経済的な貧困も加わっているので、早急な支援や対策が求められています。

そんな中、ある市営住宅の管理人をしている方が「母子家庭の生活の厳しさがわかる。朝の通学安全の旗持ちの時、ポケットにおにぎりを入れておき、『ご飯食べたか』と聞き、首を横にふると渡すんだ。」と語っています。ちょっと温かい支援のお話しでした。

自費や寄付など善意で運営「子ども食堂」の役割り

子ども食堂に通ってくる子供達は様々な重たい事情を抱えています。

母子家庭であったり、生活保護を受けていたり、時にはネグレスト(育児放棄)や虐待の被害を受けていたり。

自費や少ない寄付だけでも運営を続けるのは、そんな子供達の問題を解決、または適切な支援を行うためです。

子供がお腹いっぱいでホッとできる居場所を作ることが重要、そうでなければ子供の本音も聞き出せないと、運営する方々は強い意志で「子ども食堂」を続けています。

真の支援はそんな気持ちから始まるのかもしれません。

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生活保護受給者の顔が見える季刊雑誌「はるまち」

生活保護受給者が実名・顔出しで登場する少し珍しい雑誌があるのをご存知ですか?

その名も「はるまち」。

生活保護に対する良くないイメージをなくしたい。そんな想いで作られている季刊雑誌です。

社会活動家 湯浅誠さんが語る生活保護の現状と偏見

「あまり評判が良くない生活保護だが、それでも215万人の「命」をつないでいる。」

社会活動家であり雑誌発行の中心でもある湯浅さんが語った言葉です。

今、生活保護を受けている世帯は今年7月の時点で過去最多を記録、厚生労働省の調べでは162万8905世帯で、統計を取り始めた1951年以降最も多くなっている状況です。

その中の14%が子どもです。

生活保護と聞くと、不正受給などの報道からあまり良くないイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし、全体に占める不正受給の割合はわずか1.8%にしかすぎず、ほとんどの方がやむを得ない事情で生活保護を利用している事を知って欲しいと湯浅さんは語ります。

「はるまち」はそんな良くないイメージを変えるための一つの手段だといいます。

どんな雑誌なの?生活保護受給者の顔が見える「はるまち」

雑誌「はるまち」は、書籍流通には乗っていません。

手売りとカフェなどの委託販売が中心の1冊200円(税込)の雑誌ですが、持ち出しも多いといいます。

内容としては、生活保護受給者の方が雑誌の表紙を飾り巻頭で普段の生活ぶりをインタビューに答えるといったものです。

生活保護に対する理解を深める情報誌として、季刊で10号までの刊行を目指しています。

生活保護を知る事で社会の見え方が変わる事を願う雑誌

世間の生活保護受給者を取り巻く環境から、生活保護受給者であることを自ら発信するという発想は当事者にとってそう簡単に思いつくものではありません。

しかし、雑誌の中で顔を出し、実際の生活ぶりを伝える、そうする事で生活保護家庭に育った人のありのままの姿を伝える事ができ、当事者も孤独の頑張りや我慢から解放されるそうです。

特別楽をしているわけでもなく、いつもいつも暗く過ごしているわけでもない、誰でも知っている「普通」の日常がそこにはあります。

湯浅さんは「生活保護を利用している人たちの生活を知らないことから生まれる偏見は、知る事によって少しでも解消されるはずです。」と雑誌創刊に対する想いを語っています。

「はるまち」をきっかけに生活保護は身近なものであるという少し違った社会の見え方が浸透する事を願った湯浅さんの取り組みでした。

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