母子家庭、生活保護を受けるメリットとデメリット

生活保護を受ければ、生活が楽になる!など、必ずしも良いことばかりとはいえません。

特に母子家庭世帯ではお子さんのことをいちばんに考えたうえで、生活保護の申請をする必要があります。
そこで、母子家庭で生活保護を申請する場合には、どんなメリットとデメリットがあるのか比較してみました。

母子家庭で生活保護を受給するメリット

  • ・経済的に生活が安定する
  • ・医療費の負担がなくなる
  • ・年金などの税金の負担がなくなる
  • ・給食費など就学中にかかる費用の負担がなくなる

母子家庭で生活保護を受けるメリットは、まずいちばん考えられるのが経済的な面で安定するということではないでしょうか。

なぜなら母子家庭となっていちばんの問題は、何といっても仕事と子育て両立させることが難しく、資格などを持っていなければ、スキルの習得にも時間がかかるためなかなか十分に収入を得る仕事に就くことができないことで悩まれるシングルマザーが多いからです。

ですから、母子家庭で生活保護を受ければ、最低限度とはいえ暮らしが保障されるため、経済面での安定が最大のメリットです。

また、母子家庭で生活保護を受ければ、税金や医療費を負担しなくてよいため、お子さんが小さいうちは、病院にかかる機会が多いので、お金がなくて病院にも通えないという不安がないので安心して利用できます。

母子家庭で生活保護を受けた場合のデメリット

  • ・お子さんのために預貯金が出来ない
  • ・自動車の所有が特別な理由がない限り認められない
  • ・家賃の上限があるため条件に合う借家が選びにくい
  • ・借金や賭け事、贅沢品の購入が限られる
  • ・お子さんに肩身の狭い思いをさせてしまう可能性が大

母子家庭で生活保護を受けた場合のデメリットとして、まずあげられるのが、貯金をすることができないということです。

生活保護費として支給されたものは、お子さんの預貯金などにすることは禁止されています。生活保護費は、生活をするうえで必要最低限の生活をするために支給されているため、貯金に残すお金があってはおかしいと判断されてしまいます。

ですから、母子家庭で生活保護を受ける場合は、預貯金ができないため、お子さんが進学希望した際に、進学のための資金がなく不自由な思いをさせてしまうことになる可能性が高くなるでしょう。

また、生活保護を受ける場合、アパートなどの借家で暮らしている方は、家賃に上限があるので気をつけなければなりません。 そのため、母子家庭で生活保護を考えているなら、お子さんの成長に伴い部屋の数や広さに加えて、音が響かないかどうか?なども考慮して選ばなければならないでしょう。

さらに、生活保護費は最低限の生活を保障するものであるため、借金の返済や賭け事はもちろん禁じられています。娯楽品の購入ももちろん限られます。自動車を持つことも特別な理由がなければ許されません。

ですから母子家庭世帯では、生活保護を受けているがために、お子さんにさまざまな面で我慢をさせなければならならないことが多くなります。友達を羨ましがる部分が出てくる可能性はおおいにあるでしょう。

母子家庭で生活保護を受けるにあたって、まとめ

母子家庭で生活保護を受けることは、経済面でいえば最低限の生活ができる程度に保障されます。

しかし、自動車の所有が認められない、貯金が出来ないなど、自由が利かないことも多くでてくることがお分かりになったでしょう。

特に母子家庭世帯では、あなた1人の問題ではなく、お子さんの進学などの将来のことも考えて申請するかどうか決めることが大切です。

生活保護は経済的なメリットばかりではなく、さまざまなデメリットと見比べて、申請するかどうか選択してください。

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母子家庭の生活保護 よくある質問まとめ

現在、生活保護を受けている人の中で、母子家庭の割合は全体の10パーセントを占めます。しかし、厚生労働省の調べでは、生活保護を受けていない母子家庭の約80パーセントが生活保護の水準以下のレベルで生活をしていると分かっています。
男性と女性では賃金の格差があり、子育ての負担も女性の方が大きく、男女平等とは言えないのが現状です。
そんな中、一つの選択肢として生活保護を受けることも考えられます。生活保護に対するマイナスのイメージや、子どもの将来にまで影響するのではないかという生活保護への不安もあるのでしょう。
そこで今回は、母子家庭の生活保護についてよくある質問をまとめました。

母子家庭の生活保護についてよくある質問まとめ

Q.母子家庭で生活保護費を受けるにも条件があるの?
A.母子家庭世帯なら全員が生活保護を受けられるわけではありません。生活保護を受ける前に、所持している資産は生活費に充てること、シングルマザーの能力に応じて自力で収入を得ること、扶養義務者(親戚など)からの扶養を活用すること、母子家庭で受けられる他の制度を活用することです。それでも生活が困窮する状況であれば、生活保護窓口に相談に行きましょう。
→母子家庭で受けられるさまざまな支援制度をご活用ください
Q.母子家庭で受けられる住まいの支援はどんなものがあるの?
A.母子家庭で受けられる生活保護のうち、住宅扶助というものがあります。住宅扶助は、月々の家賃や引っ越しにかかる保険金や敷金、礼金、そして住宅補修の維持費が支給されます。母子家庭では、まず安心してシングルマザーと子どもと一緒に暮らせる場所を確保することが大切ですので、済むところに悩んでいる世帯にとってはとても助かる救いの手であるといえます。
→母子家庭で受けられる住宅支援について詳しくはこちら
Q.生活保護を受けながら子供を産むには?
A.離婚などの理由でシングルマザーとなる人の中には妊娠中の人もいます。生活保護の中には出産扶助というものがあり、母親の負担を軽減してくれます。この扶助は通院や出産にかかる費用のうち上限24万円を受給できる制度です。
→出産扶助について詳しくはこちら
Q.生活保護を受けながら仕事をしたいときには?
A.生活保護から自立するための支援はたくさんあります。仕事で得た収入全てが生活保護費から差し引かれるわけではありませんのでご安心ください。しかし、子どものアルバイトも世帯の収入と認められますので、きちんと申告しなければなりません。
→生活保護を受けながら仕事をするには?
Q.生活保護を受けていると周りに知られないためには?
A.生活保護担当員やケースワーカーには守秘義務があります。生活保護を受けていることを他言してはいけないことになっているのでご安心下さい。しかし、生活保護の申請の際には扶養義務のある人へ通知がとどきます。また、ご近所の方にケースワーカーの出入りを見られたり、生活保護の相談や手続きで役所へ行く場合に知り合いに見られてしまうなど、気を付けなければなりません。
→生活保護を受けていることを秘密にできるの?

生活保護を受けることに対して、母子家庭にかかわらず後ろめたさを感じてしまうケースが多くあります。周りからの視線を気にしてなかなか申請に行くことさえできず、苦しい生活から抜け出せない生活困窮者が後を絶ちません。生活保護を受けることは決して悪いことではありません。大切なのは、生活保護とどう向き合って生きていくかなのです。
あなたと、あなたのお子さんの未来のために生活保護を一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

生活保護の不正受給、「知らなかった」では済まされない

生活保護を受給していた神戸市の韓国籍の男性が、高級車「ポルシェ」を所有していたことがニュースで流れ、多くの怒りの声が上がっています。約470万円を不正に受給した疑いで男性は2014年1月15日に逮捕されました。

知らなかったでは済まされない、生活保護の不正受給

逮捕された男性は交通事故で多額の保険金を手にしたにも関わらず、生活保護を受け続けていました。さらに自宅を調べたところ、ポルシェを所有していたことも判明しました。

男性は「保険金を収入として申告しなければいけないことを知らなかった」と話しているそうです。2011年12月から2014年1月までに受け取った生活保護費、約470万円を不正に受給した計算になります。

どうして外国籍の生活保護受給者に対する審査が甘いのか

今回の騒ぎについて、「生活保護支給の審査の基準はいったいどうなっているの?」という騒ぎになっています。

日本の永住者、定住者、日本人配偶者がいるなどの在留資格を持っていれば、外国籍であっても生活保護を受給する資格があり、日本人となんら変わらない審査を受けます。
ただし、日本人であれば扶養義務のある親族に対して生活援助ができるかの調査を実施しますが、外国籍の場合は戸籍をたどるのが困難であり、調査が実施できないこともあります。
また、税務処理などを確認し、受給者に収入があることを見つければ支給を打ち切ることもできますが、盗難や闇取引などは発見が難しく、警察の協力が必要になってしまいます。

生活保護受給の責任とは?

生活保護受給者の国籍に関わらず、生活保護の不正受給は後を絶ちません。今回のように保険金を申告しなかったり、車や土地を隠し財産として所有していたり。
生活保護費は、国民が払っている税金によって支払われています。
「今の会社でうまくやっていけそうにないから、仕事を辞めて生活保護を受けよう」
「離婚したら母子家庭になって大変だから生活保護を受けよう」
など、気軽な気持ちで申請するべきではありません。もちろん、窓口では働く努力をし、所有している財産があれば生活費に充てるように指導されることでしょう。

生活保護受給者は申告の義務や、責任があることを知ったうえで受給していなければならないはずです。知らず知らずのうちに不正受給になっていたというケースに陥らないためにも、生活保護がどんな制度なのか改めて知っておくべきではないでしょうか。

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生活保護のケースワーカーってどんなお仕事?

これまで、生活保護を受けている、受けたいと思っている方の立場でさまざまな疑問やニュースを紹介してきました。生活保護窓口での水際作戦が問題になっている今、ケースワーカーの背景にはどんな事情があるのでしょう。今回は生活保護のケースワーカーのお仕事についてご紹介していきます。

生活保護のケースワーカーってどんな人?

ケースワーカーというのは福祉事務所で現業を行う職員の通称です。現業というのは、相談援助の第一線で働く職員のことです。現業員、築担当員、ソーシャルワーカーといった呼ばれることもあり、生活保護に限らず、障碍者や児童、高齢者の相談業務を担当する職員も含まれます。簡単な言葉にまとめると「福祉・介護・生活の相談員」の人たちのことです。

ケースワーカーのお仕事って?

生活保護のケースワーカーは、主に以下のような仕事をしています。

  • 生活困窮者の相談にのる
  • 必要な援助を行って相談者の自立支援をする
  • 必要におうじて、生活状況についての聞き取り調査のために家庭訪問を行う

ケースワーカーの業務の一つに「家庭訪問」があります。家庭訪問は、生活保護受給者の生活状況を把握するために行われます。主に8:30~17:30の訪問時間で、事前に連絡を取り、指定日時に自宅にいてもらうようにするようです。しかし、不正受給の疑いのある世帯には抜き打ちで家庭訪問が行われることもあります。半年に1回を目安に、聞き取り調査が行われます。

収入はもちろんですが、職歴、病状、資産、配偶者との連絡状況、車の使用実績、求職活動情報など日常の生活に関することを質問します。また、調査だけではなく、最近の生活で困ったことや、悩みごとの相談など話し相手としての精神的な支援を行うこともあります。

生活保護のケースワーカーが不足しているって本当?

ケースワーカーの数は社会福祉法によって定められています。生活保護受給世帯はケースワーカー一人あたり「市部で80世帯」・「郡部で65世帯」を受け持つことを標準的なケースワーカー数としています。

しかし、2012年の全国平均受け持ち世帯数はケースワーカー一人当たり93世帯と標準を大きく超えてしまっています。一日ごとに生活保護受給者は増え続け、一世帯に充てられる時間が少なくなっているのが現実です。2013年にはケースワーカーの増員が定められましたが、各地方自治体の判断次第となっているため、財政が苦しい市町村で実現されることは難しいでしょう。生活保護法の改正で扶養義務の取り締まりや、不正受給対策などの取り決めがなされましたが、ケースワーカー不足も生活保護が抱える大きな問題といえます。

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生活保護を受けたらペットと一緒に暮らせない?

生活保護を受けるということは、場合によっては住まいを変える必要があり、生活がガラリと変わることもあるでしょう。そんなとき、今まで大切に可愛がってきたペットとこれからもずっと一緒に住みたいとお考えではありませんか?

ペットと暮らす生活保護

結論から言うと、生活保護法でペットの飼育を禁じる規定はありません。あなたが受給できる生活保護費からペットの飼育費を捻出できるのであれば問題ないでしょう。ペットを家族のようにかわいがり、生きがいにしている人もいます。特に、精神の病を抱えている人にとって、ペットと暮らすことは心の癒しに非常に効果的です。生活保護を受けるには一緒に暮らしてきた犬や猫とお別れしなければならないとお考えの方もいらっしゃると思いますが、きちんと管理できるのであれば認めれる場合が多いようです。

ただし、ペットを飼うことはそう簡単ではありません。ペットと一緒に暮らしてきた現在の住まいに住み続けられるなら問題はありませんが、生活保護を受けるとなると価値の大きい不動産は売却しなければならないこともあります。犬や猫と一緒に暮らせて、定められた家賃の上限以下の物件を探すことはとても困難になります。

また、生活保護を受けてから新たに犬や猫などの動物を飼うことは難しいでしょう。ペットショップで数万円で売られている犬や猫を買うための貯金は認められませんし、野良猫や野良犬を保護して飼うにしてもペットと暮らせる環境を作らなければなりません。

ペットも大切な命を持っています。生活保護費で暮らしていくのが精一杯で十分にエサも与えられない、管理が行き届かないという状況に陥るかもしれません。特に、生活保護を受けていることをご近所に知られながら犬と一緒に散歩をすることに後ろめたさを感じてしまうこともあるようです。ペットの幸せを考えるのなら、引き取り手を探すことも一つの方法ではないでしょうか。

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消費増税対策、生活保護引き下げから引き上げへ

4月からの消費税増税に合わせた生活保護費引き上げを決定

2013年4月から消費税が8%に増税されます。それに合わせ、厚生労働省では生活保護費を2.9%引き上げることを決めました。2013年12月下旬に決定する2014年度予算案に約300億円を計上する方針です。

今回の引き上げの対象となるのは、生活保護費のうち食費や光熱費といった生活費にあたる「生活扶助」の部分です。
生活扶助は毎年物価の動きなどを踏まえながら必要に応じて見直されてきました。最低限の生活水準を下回らないために、消費税増税にともなって物価が上昇する分の手当となります。
政府はこれまでも消費税増税に合わせて生活保護費を引き上げてきました。消費税が日本で導入された1989年には4.2%、税率が3%から5%へ引き上げられた1997年には2.2%増額しました。

生活保護費の引き上げ、安心した生活ができる?

しかし、2013年8月から、物価の下落傾向が長く続いたことによる生活扶助の減額が実施されたばかりです。2014年4月の消費税増税と重なり、世帯によっては減額分が相殺されることもあるでしょう。生活保護費の引き下げは8月から3年間にかけて、平均6.5%、最大で10%引き下げられる予定でした。今回消費税増税に合わせて生活扶助費を増額させても、3年後を見通すと生活保護費の引き下げが実施された2013年8月以前より給付額が減らされることに変わりはありません。

これでは、消費税増税に伴う生活扶助費の引き上げもぬか喜びになってしまうのでは?と感じてしまいます。また、消費税増税によって低所得者の生活はますます苦しくなり、生活保護の申請者の数は増え続けると予想されます。
政府は消費税増税で低所得者の負担が大きくなることを避けるために、一人一万円を支給する方針を固めました。 しかしこの一時的な給付があっても、消費税の負担は一生続くわけですから生活の不安の解消につながらないという声も上がっています。
「生活保護を受けている多くの人が高齢者なのだから、年金を上げるべき」
「最低賃金の引き上げをしてこそ、生活保護受給者を減らすことができるのではないか」
といった意見もあり、低所得者を手助けする制度が求められています。

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生活保護受給者約160世帯、過去最多を更新

厚生労働省は2013年12月11日、9月に生活保護を受けた世帯が159万911世帯に上り、過去最多を更新新したことを発表しました。そのなかでも高齢者世帯が約半数を占め、71万6999世帯であり、一人暮らしの高齢者の受給が増えているようです。

日本の生活保護制度が抱える問題とは?

現在、日本では毎年約3兆7000億円が生活保護費として使われています。受給者一世帯あたりの金額は、単純計算だと約230万円ということになります。

日本の生活保護制度は、決められた基準額に満たない収入を補うものとして支給されています。それぞれの状況に合わせた選択が難しい仕組みになっているため、生活保護絵を受けられるか受けられないかのどちらかになってしまいます。申請が許可されれば満額給付されるという仕組みが、生活保護の不正受給の温床になっている可能性があります。

それに対して、アメリカでは日本よりも手厚い貧困対策がなされています。食糧給付(フードスタンプ)・家賃補助・給食費補助・暖房費補助・低所得者控除・医療費補助(メディケイド)・母子家庭補助などがあり、広く様々な人が受給の対象になります。それぞれの金額は少なくても、併用すれば日本の生活保護に近い水準の給付になることもあります。

この制度の良いところは、保護を受ける人の状況に応じたきめ細やかな内容を選択できる点です。働きながら一人で子供を育てる母子家庭もあれば、高齢で働けるような仕事も年金もほとんどないという人の環境は全く異なります。

日本の生活保護は、それぞれの事情はある程度考慮されても、受給者本人が働ける能力があるかどうかといった同じ基準で審査されてしまいます。
生活保護費をもらいすぎだと批判する声もある一方で、本当に生活保護を必要としている人に普及されないことが大きな課題と言えるでしょう。生活保護の基準額の引き下げや、不正受給監視の強化といった対策がとられてきましたが、原因は制度そのものにあるのかもしれません。生活保護制度をもっと柔軟に受けられるような、さまざまな視点からの議論が必要なのではないでしょうか。

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生活保護を受けていてもクレジットカードは持てる?

生活保護を受給している方から、「クレジットカードを持つことはできるの?」という疑問の声をよく頂きます。一般的には申請すれば簡単に作成できるというイメージがありますが、生活保護受給者はどうなのでしょうか?

クレジットカードの仕組みと生活保護

まず、クレジットカードがどんな仕組みなのかを考えてみましょう。クレジットカードは、支払代金を後日決済日にまとめて払う決済方法です。つまり、商品購入から決済日まで、借金をすることになります。
生活保護受給者には借金をすることは認められていません。なぜなら生活保護費を借金の返済に充てることは禁止されているからです。これを踏まえると、いくら預金口座に残高があっても、生活保護受給者はクレジットカードを持つことはできません。

どうしてもカードが必要なときは?

現在ではカードでしか支払うことのできない商品やサービスが沢山あります。どうしてもカードでの支払いでなければダメというとき、デビットカードを作成するという方法があります。

デビットカードってどんなカード?

  • カードで支払いをしたその場で支払いが行われます。(クレジットと違って借金ではない)
  • 口座残高金額までが利用限度額です。(残高を超える額の買い物はできない)
  • デビットカードを作成する時の審査がありません。

つまり、あなたが常にデビットカードで銀行口座を持ち歩き、口座のお金を会計時にそのまま使用できるようなイメージです。生活保護の窓口では、借金ではなく自分のお金を銀行に入れて使用しているだけなので、デビットカードなら問題ないという見方が多いのです。

しかし、現金を使わずにカードでの支払いを続けていると、お金を使っている実感が湧きにくくなります。クレジット機能がないとはいえ、お金のトラブルが発生する可能性も高くなりますので、カードを使用するには徹底的な金銭管理が必要になります。カードを持たないという選択肢が一番安心できるの方法ではないでしょうか。

知っていますか?生活保護の水際作戦

もし自分が怪我や病気で仕事を失い、大切な家族を途方に暮れさせてしまう状況に陥った時、あなたは生活保護を申請したいと思いますか?
生活保護の窓口に訪れたとき、コワモテの男性に強い口調で「貯金を切り崩して暮らしなさい、その間に療養しながら仕事を探せばいい」などと言われてしまったら…。きっとまた相談しに行っても無駄だろうという想いが募り、ますます足取りは重くなる一方です。

こういった、生活保護の申請の相談に来た困窮者を追い払う「水際作戦」のために、多くの元警察官が雇われているといいます。

生活保護の相談に来た人を追い返すのはなぜ?

地方自治体が水際作戦をしなければならないのには、ある程度仕方のない部分もあります。地方自治体は生活保護費の4分の1を負担しています。
生活保護の受給者が増えれば増えるほど負担は大きくなりますから、相談に来た人すべてを寛容に受け入れることはできません。

生活保護の水際作戦を防ぐ付帯決議採択へ

2013年11月13日、生活保護をより厳しく取り締まる引き締め策と、生活に困る人への支援策をセットにした生活保護改正案と生活困窮者自立支援案が参議院議員本会議で可決されました。

生活保護の引き締め策として、不正受給の罰則の強化に加え、生活保護を申請した人に扶養義務のある家族がいて、扶養ができるはずであるのに応じない場合には説明を求めること。そして、生活保護受給者には就労を促す給付金制度も設けるというものです。
しかし、貧困問題の専門家から「自治体が不当に生活保護の申請を拒否する水際作戦につながる」と指摘を受けています。このため、水際作戦はあってはならないことをそれぞれの自治体に徹底的に広く知らせていくとの付帯決議を採択しました。

また、生活に困る人への自立支援案としては、生活保護には至らないものの、生活に困る人から相談を受け、自立に向けた計画を作ることなどを自治体に義務付ける内容です。
生活保護の窓口担当者も、ただ追い返すだけではなく一度申請の相談に来た人を気にかけることが求められているのです。

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生活保護はどうやって申請すればいいの?
どんな人なら生活保護を受けられる?

生活保護の申請さえできない生活困窮者の実態とは

2013年11月18日、大阪市東淀川区の団地で女性の遺体が見つかる事件がありました。お金も食べるものもなく、餓死してしまった可能性が強まっています。亡くなった女性は60代の母親と二人暮らしで4年前に生活保護の申請もしたことがあったそうです。

生活保護も受けられず、なぜこんな悲劇が起こってしまったのか?

女性は4年前に母親とともに生活保護の申請をしに窓口を訪れています。「父親の生命保険で暮らしているが、保険金がなくなったときに生活保護を受給できるだろうか」と相談していました。
担当者は「保険金がなくなったときにまた相談に来てほしい」と答えました。女性は仕事が見つからないと悩んでいる様子でしたが、その後窓口を訪れることはありませんでした。

二人が住む部屋の管理会社が10月17日に「何度部屋を訪れても応答がない」と、警察に相談。大阪府警東淀川署員は脱水症状を起こして倒れている母親を発見しました。しかし、室内の状況や近所の聞き込みから母親の一人暮らしと判断され、女性の遺体が見つかった部屋は確認をしませんでした。

女性の部屋のガスや電気は止められ、冷蔵庫には空のマヨネーズなどの容器しか見つからなかったことを踏まえると、保険金が底をつき、何度も生活保護の相談をしに窓口へ足を運ぶための交通費や気力や体力もなかったのではないかと考えられます。

貧困問題に詳しい専門家は、「区役所が自宅を訪れるまで時間がかかりすぎている上に、数少ない手がかりで調査を打ち切ったのは問題がある。もっと真剣に女性の所在を確認しようとしていれば一か月早く発見できたはず」と指摘しています。

このような悲惨な事件で、生活保護の受給の相談に訪れた生活困窮者の暮らしの実態が、きちんと調査されるべきだということがより明確になりました。また、生活保護を本当に必要としている人がどんな生活を強いられているのかが世間に広く知られることになりました。経済的な支援ができなくても、精神的な支援として会話をすることだけで、生活困窮者の心の支えになるのではないでしょうか?

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