きめ細やかな就労支援、自立への道を歩む生活保護受給者
京都市では、今年3月時点の生活保護受給者数が16年ぶりに減少に転じたと発表しました。
全国目線でみれば、生活保護受給者は増加傾向にあります。
しかし京都市がこういった発表に至れたのも、就労支援強化への熱意ある取り組みが良い結果をもたらしたといえるでしょう。
3月の京都市内の受給者数は4万7401人で、過去最高を記録した前年度より566人減りました。
また、就労によって生活保護が不要となり、自立した世帯数は前年度の292世帯から4割近く増えました。
京都市が行った生活保護の就労支援対策と、その成果は?
キャリアカウンセラーが受給者の過去の就労経験などを踏まえた相談活動を行い、個々の受給者に最適な仕事が見つかるまで探す取り組みを始めました。
これにより、13年度には1586人が相談活動を利用しました。そのうち985人が就労に成功、87人が職業訓練を開始しました。
その他にも、生活保護業務にあたるケースワーカーを増やしたり、一部の福祉事務所にハローワークの相談窓口を設けるなど、様々な取り組みを行ってきました。
就職しても、収入が生活保護受給の基準を下回れば、保護費が支給されるため、すぐに生活保護が不要になるわけではありません。
一定期間働いて、収入を安定させて自立していく世帯が着実に増えているのが現状です。
京都市の市長は「時間のかかる仕事ではあるが、きめ細かく支援を必要としている人に、必要な対応をとっていきたい。」と述べています。
このように、親身になって話を聞いてくれるキャリアカウンセラーの相談活動や、職業訓練を強化するなど京都市に倣うべき取り組みはたくさんあります。
そうした受給者の方々のやる気を引き出すきめ細やかな就労支援が、各自治体にも求められているのではないでしょうか。
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