皆さんはプリペイドカードをご存じでしょうか?
一定額のお金を予め入金しておくと、商品やサービスを提供してもらえるカードの事です。
今や私たちの生活に浸透してきていますね。そんなプリペイドカードで生活保護費を支給するモデル事業が発表され、今賛否両論を巻き起こしています。
「管理は当たり前」なのか「人権侵害にあたる」のか賛否両論の嵐
橋本徹大阪市長は2014年12月26日の定例記者会見で大阪市において生活保護費の一部をプリペイドカードで支給することをモデル事業として実施すると発表しました。
受給者の家計管理を支援する必要性がある事を強調し、「支給と支出を管理するのは当たり前」と語りました。
- モデル事業概要
- 1、協定を締結したカード会社のプリペイドカードに生活保護費の一部3万円を市でチャージする。
2、利用の申し出があった受給者へ貸与する。
3、受給者は加盟店で3万円までの買い物や飲食が出来る。
4、使用した記録を市で管理、受給者の支出を把握、場合によってはケースワーカーが指導にあたる。
プリペイドカードは使用した記録が残ることから受給者の家計管理に大いに役立つと大阪市長は述べているそうです。
この発表を受けてYahoo!ニュースの意識調査では賛成が85.9%、反対が12.3%であるという数字を出しています。
- 生活保護費のプリペイドカード支給について賛成意見(85.9%)
- 1.現金支給より使い道がはっきりしていて不正も出来ないから。
2.どのようにお金が出て行くのかが把握でき、パチンコなどに使われる実態も分かるからいいと思う。
3.現金化や転売を防ぐ対策をした上でならいいと思う。
- 生活保護費のプリペイドカード支給について反対意見(12.3%)
- 1.人の尊厳を無視した形なので断固反対。
2.カード会社に対する利益誘導なのが分かりやすすぎる。
3.上から目線での対応に感じる。本当に困っている人の自由を奪ってはならないと思う。
プリペイドカード支給は家計管理支援?人権侵害?
生活保護世帯においては、生活していく上で家計の管理は重要なものになってきます。
しかし、生活保護を受給している全ての方がきちんと家計簿をつけて管理が出来ているか?というとそうでもないのが実態です。
生活の基盤をしっかり確立してもらうために、家計管理が出来ていない受給者の方に関しては、誰かが代わりにやる方法がありますが、そうなると支出の全記録が第三者に筒抜けになってしまうので、人権の侵害という問題が浮上してきます。
プリペイドカードでの支給は、記録が残るという点では管理がしやすいのも確かです。
その他、今回のモデル事業によって、受給者の方が生活の基盤をしっかり立て直して、前向きに就職活動または今の仕事に向き合えれば、少しでも早く自立できるというメリットもあります。
家計管理を支援し、自立へ促すための政策が、結果受給者の方の心を傷つけることにならないように配慮が必要かもしれません。
本当に困っている方が生活の基盤を持ち直すための事業である事が望まれます。
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